海外出張を含む持ち出し用ノートPCの安全な運用を目指してグローバル対応のMDM「HP Protect and Trace with Wolf Connect」を採用
2025-08-26


働き方改革やハイブリッドワークを導入する企業が増えるに従い、持ち出し用のノートPCへのニーズが高まっている。生産性向上の実現や業務効率化の向上といったメリットと引き換えにインシデント対策が必須になるなどセキュリティ強化が求められている。ここでは、HPのMDMソリューション「HP Protect and Trace with Wolf Connect」を採用することで、海外拠点への出張を含めた持ち出し用ノートPCのセキュリティ強化を実現した事例を紹介したいと思う。
取材:中山 一弘
目的
- 社外利用のノートPCのセキュリティ強化
アプローチ
- 電源オン/オフに関わらず、リモート管理が可能なMDMの導入
システムの効果
- 電源オフ時にもリモート先から命令が実行可能
- 海外拠点にあるPCに対してもリモート管理が可能
- パージレベルの強力なデータ消去による高い安全性
ビジネスの効果
- PC購入価格にすべてのサービスが含まれ追加コスト不要
- 管理負荷が少なく、管理者への負担が軽減
- 短期間でのPC刷新で業務への影響が最小限
社外利用のPCをよりセキュアに
1941年に設立された巴工業株式会社(以降、巴工業)は、遠心分離機を中心とした機器の製造販売という機械事業と、化学工業製品の輸入販売等をおこなう化学品事業の両軸をメイン事業としている企業だ。「高い技術と優れた製・商品を提供し、社会に貢献する」という理念のもと、メーカーと商社のふたつの機能を持つ柔軟さを活かして、様々な形で持続可能な社会づくりのために貢献を続けている。
そんな巴工業では、PCの運用管理においてひとつの課題があったのだという。「クライアントPCは資産管理ツールを使っていました。配布しているノートPCに関しては、原則として社外で使用されるものとして扱っており、ストレージの暗号化などのセキュリティ対策をおこなっていたほか、情報管理やセキュリティ対策の研修なども実施していました」と語るのは経営企画部 システム管理課 課長の山田氏(仮名)だ。
国内外の拠点間はもちろん、多数の顧客企業への訪問など、ノートPCの活躍の場は非常に多い巴工業。業績が伸びるに従い、社内ルールや現在のセキュリティポリシーのみでは対応しきれない事象もあるのではないかという議論が起こったのだという。「現在のところ事故が起こったことはありませんが、盗難や紛失があったとしても、我々管理者としては何もできないという問題意識がありました。実際に資産的な管理はしていても、今この時間にノートPCがどこにあるのかを知るすべがないというのが実情だったのです」と山田氏は語る。
ここ数年、報道でもPCの紛失による情報漏えい事故などが取り上げられるケースも多く、持ち出しPCのセキュリティ対策は急務でもあったのだ。「それにはMDMを導入するのが適切ですが、多くのソリューションは電源が入っていることが前提となったものでした。その場合、結局各社員が電源管理も含めて自己対応しなくてはいけないので、これまでと状況は変わらないと考えていました」と山田氏は振り返る。
セキュアな環境構築に手応え
そのような状況の中、2024年7月に事態は好転していったのだという。「情報収集を続けていた中で、HP様のソリューションが目に入ってきました。本当にたまたま目についた形でしたが『電源がオフの状態でも利用できるMDMソリューション』というキャッチコピーに驚いたのが第一印象でした」と山田氏は語る。このとき同氏が目にしたのが、発表されて間もないときの「HP Protect and Trace with Wolf Connect」だったのだ。
HP Protect and Trace with Wolf Connect(以下、HP Wolf Connect)に注目した巴工業は、すぐにHPへ打診。HP Wolf Connectの詳細について相談したのだという。「弊社では海外拠点もあるので、海外でも対応できるという点も非常に興味がありました。日本の治安は安定していますが、国が変わればそうではないところもあるのが現実です。残念ですが、ひったくりや車上荒らしの危険性は日本とは比べ物にならないほど高い国もあるので、海外対応のMDMがあれば心強いと感じました」と山田氏は語る。
国家情勢や通信網の関係で、すべての国で対応しているわけではないが、現状でも多くの国でHP Wolf Connectが使用できる。もちろん管理は日本でおこなえるため、海外拠点を持つ企業や、海外出張が多い部署には非常に心強いMDMといえる。
「MDMの利用料や通信費に関しても、PC購入時にすべての価格が含まれているということで、追加料金などが発生しないというのも検討しているときのポイントになりました。通信コストも積み重なると負担が大きいですからね」と山田氏。本採用を検討するにあたり、まずは数台を検証機としてテスト導入し、山田氏の部署で動作検証を実施した。
運用レベルで効果を確認
「動作検証ということで、情報管理者が先行して使ってみることにしました。HP Wolf Connectが性能として謳っていることが本当にできるのか、私たちのニーズをきちんと満たしているのか、段階的に検証していきました」と語る山田氏。
検証では、位置情報の追跡やPCロックを最初に試し、データ消去についても実行させてみたのだという。「試してみるととても簡単に、想定通りの満足いく結果を得ることができました。特にデータに関してはパージレベルでの完全消去であり、破壊によってSSDを取り出してサルベージされても復旧不可能とのことでしたのでとても安心しました」と語る山田氏。こうして動作検証は順調に実施され、高い評価を得ることとなった。
この結果を受けた経営層からは、すぐに良好な反応があり、スムーズに採用が決定したのだという。「検証期間は約1カ月と短期間で結果を出すことができました。持ち出し用のノートPCに関しては全社を通して危機意識が共有されていたこともあり、経営層の判断も非常に早く、スピーディーな導入につながったと思います」と当時を振り返るのはシステム管理課の田中氏(仮名)だ。
タイミング的にも Windows 10 からのリプレースが重なっており、別メーカーのPCからHP製のWolf Connect対応PCに刷新するには最適な時期でもあったのだという。「まずはノートPCを持ち出す営業部門から導入をスタートしました。現場によっては導入にも時差がありますが、我々がキッティング作業などを進めながら、順次入れ替えています」と山田氏。巴工業では、内勤の部署でも外出が想定される社員にもHP Wolf Connect対応モデルを配布するといった形で順次導入を続けている(※取材時)。
快適なサービスと確かなセキュリティの両立
今回、巴工業が採用したモデルは「HP Dragonfly G4」だ。同社はHP Wolf Connectに加えて、「HP eSIM Connect」という、データ通信が5年間上限なし、追加料金なしで使い放題となるサービスとのダブル構成で選択した。
「会社のスマホでテザリングして通信するというのが基本でした。ただ、やはり通信量の月ごとの上限などもあり、それを気にしながらでは仕事がしにくいという話もありました。そんな中、HP eSIM Connectを採用したことで使い勝手も非常に良くなりましたし、現場の営業担当者からも通信量を気にせず快適に仕事ができるという声が上がっています。当初は紛失・盗難対策として導入を始めたソリューションですが、使ってみればHP eSIM Connectのメリットも大きかったということを実感しています」と山田氏は評価する。
外出するケースが多い部署においてはHP Wolf ConnectおよびHP eSIM Connect搭載のPCを標準機とする運用が始まっている巴工業。「利用している社員からの問い合わせもありませんし、運用管理の滑り出しとしては良好です。HP Wolf Connectはなるべくなら使わなくて済むようにしたい機能ですので、今後も平穏に運用していければと思っています」と山田氏は語る。
「HP様は、何かトラブルやサポートの必要があれば、とても迅速に対応いただいている印象です。大規模な台数の入れ替え作業を実施していることもありますが、納期管理などにもご尽力をいただいています。今後も密に連絡を取りながら、導入を進めていきたいと思います」と最後に山田氏は語ってくれた。HPはこれからも巴工業のサポートを続けていく。
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