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2024.06.12

HP Amplify Partner Conference 2024に見るAI PCの今とこれから

日本HP主催セミナー「AIのビジネス導入と活用」

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2023年に大きな話題となった生成AI。いよいよ、実用段階にまでAIが進化し、このテクノロジーの登場により、ビジネスにどんなインパクトがあるのか、大きな期待を抱いた方も多かったと思う。生産性向上、業務効率化、すなわちDXを進めるうえで、必須となるであろうAIをどのような形で使いこなせばよいのか、2024年度が始まる、今この時期に改めて考えてみる機会であるイベントが開催された。日本HP主催による「AIのビジネス導入と活用」セミナーでは、各界からの最新情報やAIを効果的に導入するコツなどを紹介する。ここでは、当日行われたセミナーの模様をダイジェストで紹介しようと思う。

取材:中山 一弘

テックライター 笠原 一輝氏

HP Amplify Partner Conference 2024では何が語られた?

「今日は『HP Amplify Partner Conference 2024』というイベントについて、3月に取材をしてきましたので、それがどんなカンファレンスだったのかということをお話しさせていただきます」と冒頭話を切り出した笠原氏。AIについて最新情報が飛び交う世界的なイベントで、HPがどんな発表をしたのか、そしてAI PCがいまどんな状況にあるのか、というようなことについてレポートしていくという。

「HP Amplify Partner Conference 2024は、ラスベガスのThe Venetianホテルで3月6日~3月7日の日程で行なわれました。単なるミーティングだけではなく、随所で食事会なども開催されていて、ディナーミーティングやブレックファストミーティングなど、あらゆる機会が作られています。パートナーさん同士が直接顔を合わせて新しいビジネスにつながることもありますし、最新情報・最新製品などにも触れることのできるイベントになっています」と概要を語る笠原氏。

基調講演も全体に関するものと、製品に関するものが初日および2日目に行われ、そこで発表された製品はもちろん展示もされている。「みなさんご承知かもしれませんが、プリンターに関してHPは世界最大のメーカーでもあります。そのプリンター関連の新製品でも、AIを利用する新製品などでは、印刷時のレイアウトまで調整してくれるプリンタードライバーなども含めて、注目すべきものがありました」と笠原氏。

特に今回は、『AI PC』の新製品展示などにも注目が集まっており、すでに販売されている多くのモデルとともに並べられていたのだという。「とにかくHP製品に関しては、この展示をみれば現状がすぐに把握できるようになっていました」と笠原氏は振り返る。

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「各種イベントのなかでも、基調講演は大きな注目を集めるものとなっていました。今回の基調講演では、なんと6人のCEOが登壇していました。その内訳としては、AMD 、Intel 、NVIDIA 、Qualcomm の4社の半導体メーカーCEOがいて、さらにプラットフォーマーとしての Google、Microsoft のCEOも登場するということで話題にもなりました」と語る笠原氏。

それぞれ違った立場で各社を率いるCEOが、非常に競争が激しくなっているなかで、いずれも注目され続けている企業の代表として、基調講演でも興味深い話しをしたのだという。「例えば Intel のパット・ゲルシンガーCEOや、Qualcomm のクリスチアーノ・アーモンCEOが初日に登壇していましたが、AI PCがいまどんな状況なのかについてなど、いろいろなお話しをしてくださいました。パット・ゲルシンガーCEOは Intel を急速に立て直しているといわれている人ですが、NPUという新しいプロセッサーによってAI PCをどのように実現していくか、というような内容の講演がありました。ゲルシンガーCEOによれば、現在のAI PCというのは、少し前の時代の話になりますが、『Centrino』モーメントであるという言い方をしていました」と笠原氏。

これは2003年頃に人気となったノートPCのプラットフォームで、「ノートPCを薄型にしてワイヤレス通信をできるようにする」というものだった。その後の状況をみれば、まさにそれが現在のスタンダードになっていったことになる。ゲルシンガーCEOは「現在のAI PCはそのときと同じような状況にある」ということを言いたかったのだろう。

「また Qualcomm のクリスチアーノ・アーモンCEOについては、スマートフォンのSOCなどを提供している会社のCEOということになります。日本の状況を見てみても、Androidスマートフォンをお持ちであれば、ほぼQualcommのSOCが入っているといような状況にあります。その Qualcomm ですが、実はここ数年、正確に言うと2018年ぐらいからですが、ARMプロセッサーを採用したPC向けのSOCを供給しています。昨年の10月には、PC向けの製品としては最新となる「 Snapdragon X Elite 」を発表しています。HP製のPCに搭載されるのは今年の後半になるようですが、これらについてもアーモンCEOが説明されていました」と語る笠原氏。ARMプロセッサーにすることによって、アイドル時の消費電力が下がるため、バッテリー保存時間がより長くなる、というのが「 Snapdragon X Elite 」をPCで採用するメリットといえる。

2日目には AMD のリサ・スーCEOがビデオで講演され、現地では NVIDIA のジェンスン・フアンCEOが登壇したのだという。「現在、AMDはかなりAIにフォーカスしていて、『全社を挙げてAIを開発しています』とリサ・スーCEOは話をされていました。また、NVIDIA のジェンスン・フアンCEOは、過去の講演などを聴いても、テクノロジーについて説明することがとても上手な人です。今回フアンCEOが話していたのは、まずAI PCはかつてのインターネットと同じように、急激に普及しているということでした。これからどんどんアプリケーションが開発され、AI PCの環境もよくなっていくというお話しをされていました。業界では、ジェンスン・フアンCEOは先を見通すビジョナリーとしても知られていて、彼が言ったことは10年後くらいまでには実現するとも言われています」と笠原氏。続けて「この方は『先が見えている人』として認識されていますが、その彼が『AI PCは注目ですよ』と言っているということです」と笠原氏は強調した。

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大注目のAI PC

「AI PCがアメリカでは現在どのように考えられているのか、ということなのですが、今回のイベントではHPは18機種をまとめて発表しました」と語る笠原氏。

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一般的にPCメーカーの新機種発表では、小出しにしていく印象があるが、今回HPは、18機種という多くのモデルを一度に投入。HPはAI PCに本気で取り組んでいるという姿勢を見せたことになる。

「そうなると当然、『ではAI PCとはなんですか?』という質問も出るかと思います。これについては、『NPUを搭載していること』がまずあると思います。さらに、Microsoft の Copilot キーを今回の18機種すべてで採用していて、これも条件になるかと思います。メーカーによってこのあたりの定義は変わってきますが、HPに関してはまずこの2つが条件になるかと思います」と笠原氏は見解を述べる。

「またオーディオやカメラについては、「 Poly Studio 」というロゴが入っていますが、Poly 製のものが採用されています。Poly や HP が買収したオーディオ関連の会社ですが、オンライン会議などでも評価の高いシステムとして有名です」と笠原氏。

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「今回発表された製品のなかでは、「HP Elite 1040シリーズG11」がハイエンドモデルということになります。インテル® Core™ Ultra プロセッサーが搭載されていて、ノンタッチ/タッチ(Pen対応)の2つのモデルがあります。セキュリティを確保するためにSure View(第5世代)にも対応していて、他にも環境に配慮したリサイクル素材を利用するなど、最近のトレンドを存分に取り入れた製品になっています」と笠原氏。

今回発表された製品群の中でも一番気になったモデルが、「Aero」という名称がつくモデルだという。「これは昔のことになりますが、HPと合併する前のコンパックがかつて使っていたモデル名で、軽量モデルに採用される名前です。今回の『Aero』については、軽量で使いやすく、なおかつ価格的にも手頃なものとなっていて、魅力的なモデルとなっています」と語る笠原氏。

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また今回のHP製AI PCには、第5世代ESCが搭載されているのも特長だという。「これは簡単にいうとセキュリティ性能を向上させるものですが、『対量子コンピューター』の機能が実装されています。今後普及が見込まれる量子コンピューターから攻撃を受けたとしても、ファームウェアの保護ができるというような仕組みです。現時点では脅威にはなっていませんが、数年後のセキュリティも考えたシステムであるといえます」と笠原氏は語る。

各社出揃うNPU

今回のイベントでは先ほども笠原氏が触れたAI PCに必須のNPUの比較も行われていた。登場していたのは主要3メーカーの製品で、Windows 向けで考えると「 AMD Ryzen™ 8040 シリーズ 」「 インテル® Core™ Ultra プロセッサー 」「 Qualcomm Snapdragon X Elite 」というSoCがNPUを搭載している。AMD およびインテルのプロセッサーについては、すでに販売されていて購入できるようになっている。

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「NPUの特徴としてあげられるのは、まず低消費電力であるということです。AI推論処理などを高速に行えるのですが、バッテリー駆動時間を気にされるような環境でも、これらのNPUを搭載したシステムであれば、従来製品と比較して長時間の利用が可能になります。また、既存のアプリケーションだとしても、実はNPUが搭載している場合にはオンになる機能を持つものもあります。ゲームやビデオ処理などのアプリケーションでは、こういう作業が高速かつ低消費電力でできる場合もあるのです」とNPUの特長を語る笠原氏。

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NPUの性能を示す指標として、「TOPS」という値が使われる。「現状では AMD Ryzen™ 8040 シリーズが16TOPS程度で、インテル® Core™ Ultra プロセッサーで11TOPS程度となっています。

これから登場する Qualcomm Snapdragon X Elite が45TOPS程度とされていて、どんどん性能が向上している状況にあります。AMDもインテルも、当然この流れで性能を向上させてくることになります」と笠原氏は見解を示す。

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「これまでのパソコンと同じですが、『ではAI PCはいつ買えばいいの?』ということになるかと思います。これについても、いままでと同じことになりますが、『欲しいときが買い時』であることは間違いありません。AI PCを導入することで、みなさんの生産性も向上すると思いますし、ぜひこの波に一緒に乗っていって欲しいと思います」と笠原氏は最後に語ってくれた。最新トレンドが詰まったイベントレポートを分かりやすく、丁寧に伝えてくれた笠原氏。日本市場でもAI PCが次々と発表されてくるはずなので、今回の講演内容を参考により良い製品選びに役立てていただきたい。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

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