2023.05.10
日本マイクロソフト株式会社
デバイスパートナーソリューション事業本部
マーケティング本部
Commercial Windows戦略部 部長
仲西 和彦 氏
Microsoftがリリースする最新OSには多くの企業が期待を持っています。企業への本格導入はこれからが予想されており、Windows 11がもたらす生産性向上や業務効率化の他、Microsoftの各種サービスによって実現されるモダン管理についても注目が集まっています。そんな
Windows 11に関する最新動向をMicrosoftの仲西氏に伺います。
――2023年4月現在のWindows 11の導入あるいは検討の動向をお聞かせください。
2023年に入ってから加速し始めているという感覚を持っています。実際に2023年初頭に行ったテレセールスでのヒアリングでは40%が導入や導入のための検証を始めているという結果が見て取れます。それらを鑑みると2023年4月から2024年3月までの1年間で大半の企業が
Windows 11への移行を進めていくというのが大方の予測です。
――HPでは現在一番出ているPCがダウングレードWindows 10を採用したモデルですが、こちらの提供も2024年の3月までとなっていますから、みなさん早めに備えていただきたいですね。今年になってWindows 11が改めて注目されているようですが、どのようなポイントをみなさん期待されているのですか?
私たちはこれまでもコロナ禍以降のハイブリッドワーク時代を見据えた機能を提供する最新のOSであるとご説明してきました。新しくみなさんが取り入れた多様な働き方に合わせて必要な機能を提供するのがWindows 11というOSだと考えています。
個別の機能のご説明はこれまでもお話ししているので省略させていただきます。一方でここへきて注目度が高まっているのは「AI」活用についてです。「Chat GPT」に代表されるAIエンジンは多方面で大きな期待を集めていますが、私たちもWindows 11に統合される「Bing」にChat GPTを開発したオープンAI社の技術を利用しています。
非常に華やかな話題でもあるので、ニュースなどでも度々取り上げられていますが、これまではコンシューマ領域の話題が多かったように思います。しかし、このテクノロジーは必ずビジネスエリアにも寄ってきます。私たちもさらにAI活用を促進しようとMicrosoft365にも適用することを発表しています。このAIとビジネスに不可欠な生産性や効率化の向上が、
Windows 11を語るための大事なキーワードになってくると考えています。
――今回のテーマはモダン管理ですので、Windows Autopilotの注目度や採用の状況についてお聞かせください。
Windows 11への移行がいよいよ加速するとお話ししましたが、そのことも影響します。この1年で移行が一気に進みますからどうしてもエンジニアが不足します。さらに、2024年から2025年ごろにはGIGAスクールの第二弾がくるという話もありますから、その二つが同時に走れば確実に人手が足りなくなるのはすぐに想像できると思います。
そこでエンジニアの工数を大きく削減するソリューションとして、クラウド経由でのPC導入を可能にするWindows Autopilotが求められることになります。Windows 7から10への移行の際、キッティングに多くの手間を割いた経験がある企業にとって、クラウドテクノロジーの採用による負荷軽減は大きな魅力になっているのだと考えています。
ただし、認知度は少しずつ上向きになっているのは事実ですが、日本全体の企業の約半数が「知っている」という状態というのが現実です。一方で名前をご存じの方に使ってみたいかと問いかけると、最新のリサーチでは80%の方々がやってみたいとお考えでした。ですから、ここへきてますます注目度が上がっているのは事実といえます。
――Windows Autopilotを使う上での注意点などはありますか?
Windows Autopilotを導入する上で、二つのツールが必要になってきます。一つはAzure Active Directory(AAD)で、これがクラウド経由の自動化の一番重要な前提条件となります。
AADの導入も右肩上がりで進んでおり、2022年と2023年の1月の普及率を見ると倍に伸びています。多くの企業の方はAADと従来からお使いのADを併用されているので、現状では部分的な活用というのが実態です。しかし、AADはゼロトラスト環境を快適かつ安全に使う上では最良のソリューションなので、私たちとしては時間がかかってもAAD100%の世界を実現したいと思っています。
Windows Autopilotを使う上でもう一つ重要なツールがMicrosoft Intuneです。いわゆる「Mobile Device Management(MDM)」ではありますが、こちらも普及率は年々増加しています。逆にいうと、AADとMicrosoft Intuneの二つがあれば、いつでもMicrosoft Autopilotが使える環境を構築できます。Windows 11への移行を目前に前向きに検討していただきたいですね。
――HPと協業することにより、どのような相乗効果がありますか?
HPさんにもWindows Autopilotを使いたいお客様と同様のデプロイを効率化する「HP Connect」というソリューションがありますが、そちらでも私たちのMicrosoft Intuneを使って設定する機能が盛り込まれています。
それによってユーザーポリシーに関する設定などが容易になりますが、OSの設定をコントロールしたいというニーズに見事に応えていると思います。さらに、こういった設定ができるようになったら、次にやりたいと考えるのはBIOS、ファームウェアの管理だと思いますが、そちらも実現されている。
私たちのテクノロジーをうまく役立てていただいているだけでなく、独自の先進的なソリューションをいち早く手がけてこられた結果が、ハイブリッドワーク時代に最適な機能の提供につながっているのだと思います。これからもお互いの得意分野を活かして、多くのお客様に快適な環境をご提供できればと考えています。
――ありがとうございました。
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