2019.04.03
Windows には電子メールや文書作成、表計算機能など、非常に多くの機能が搭載されています。
その中でもデフォルトで搭載されているツールには、Windows が正しく動作できるようにサポートしたり、システムの稼働状態を確認するものがあります。
今回はその中で「コマンドプロンプト」と呼ばれる機能の解説と使い方を紹介します。
Windows のコマンドプロンプトとは、普段マウスを用いて行っている操作を「コマンド」と呼ばれる命令文を入力して実行するものです。コマンドプロンプトでなければ操作できないこともあるため、知識として覚えておくことをおすすめします。
実際にWindows 上でコマンドプロンプトを起動すると、黒いバックグラウンドのサブウィンドウが表示され、コマンド入力の待機状態で上部に表示されます。
コマンドを入力し実行することでプログラムを起動することができ、また、実行したコマンドは一定数記憶されるため、再度実行する場合には簡単な操作で同じコマンドを実行することができます。
Windows 10 環境でコマンドプロンプトを起動する方法は3つあります。また、使用したいコマンドを
・ログインしているユーザー権限
・管理者権限
どちらで実行するかによって起動方法が異なります。ここでは3つの方法を、それぞれのログイン権限で解説します。
一つ目は、windowsメニューから起動する方法です。
現在ログインしているユーザー権限で起動する場合は、
1. Windows のスタートボタンから「Windows システムツール」を選択
2. プルダウン表示されるサブメニューの「コマンドプロンプト」をクリック
管理者権限で呼び出す場合には、
1.「コマンドプロンプト」を右クリック
2.「その他」を選択して「管理者として実行」という項目をクリック
Windows のメニューを選択していくのみですので、最も使いやすい方法と言えます。
二つ目はcortanaから起動する方法です。
現在ログインしているユーザー権限で起動する場合は、
タスクバーにあるcortanaの検索ボックスに「cmd」という文字列を入力し、検索結果に表示される「コマンドプロンプト」をクリックすることでも起動できます。
管理者権限で呼び出すには、
「コマンドプロンプト」を右クリック、「管理者として実行」という項目を選択
※または、「Shift」キー + 「Ctrl」キーを押した状態で検索結果に表示されている「コマンドプロンプト」をクリックすることでも管理者権限で実行できます。
三つ目はショートカットキーを用いて起動する方法です。
現在ログインしているユーザー権限で起動する場合は、
Windows キー+Rキーを押して、「ファイル名を指定して実行」というウィンドウを開く
※「名前」欄に「cmd」と入力し実行する方法もあります。
管理者権限で呼び出すには、
「Shift」キー + 「Ctrl」キーを押した状態で「OK」をクリック、もしくは「Enter」キーを押して起動
一旦ユーザー権限で呼び出したコマンドプロンプトを後から管理者権限に変更したいという場合は、起動中のコマンドプロンプトに下記のコマンドを入力します。すると新規ウィンドウで権利者権限にてコマンドプロンプトが起動されます。
実行コマンド : 「PowerShell -command “Start-Process -Verb runas cmd”」
これまでで起動方法についてはご理解いただけたかと思います。それでは、実際にコマンドプロンプトとはどのような場合に使用する機能なのでしょうか?使用例をご紹介します。
ファイル操作系のコマンドとなる「copy」、「move」、「del」、等を使用すれば、選択したファイルを自由にコピーしたり、移動したり、削除することができます。
コマンドプロンプトから上記の3コマンドを実行する際の構文と、その実行結果はどのようになるのかを以下にご説明致します。なお、ファイル名の拡張子に「*」というワイルドカードを設定する事で条件に合致するものを一括処理する事も可能です。
・「copy」コマンド
構文 copy “コピー元ファイル名” “コピー先ファイル名”
実行結果 「n個のファイルをコピーしました。」と表示されます。
・「move」コマンド
構文 move “移動元ファイル名” “移動先ファイル名”
実行結果 正常実行時は何も表示されません。
・「del」コマンド
構文 del “ファイル名”
実行結果 ファイル名 を削除しますか (Y/N) と再確認メッセージが表示されますので、削除する場合は「Y」を入力します。
次に、頻繁に行う作業をより快適に進められるようなコマンドをご紹介します。
ファイル名を変更するコマンド「ren」、ディレクトリ構造をそのままコピーするコマンド「xcopy」、2つのファイルを比較して違いを表示する「fc」です。
・「ren」コマンド
構文 ren(もしくはrename) “元ファイル名” “新ファイル名”
実行結果 正常実行時は何も表示されません。
・「xcopy」コマンド
構文 xcopy(オプション) “コピー元ファイル名” “コピー先ファイル名”
実行結果 「n個のファイルをコピーしました。」と表示されます。
・「fc」コマンド
構文 fc “比較ファイル名1” “比較ファイル名2”
実行結果 2つのファイルで差異がない時、「FC: 相違点は検出されませんでした」
2つのファイルで差異がある時、ファイル1とファイル2それぞれの差異がある行を表示します。
※ファイルの比較する際には「comp」というコマンドも使用できますが、こちらはバイナリーファイルの比較に使うものです。
ネットワーク設定情報を確認する際に「ipconfig」というコマンドを使用すれば、パソコンに割り当てられているIPアドレスを確認することができます。これに限らず「ping」や「traceroute」も使用できます。
特定のコンピュータへファイル転送を行う機能を提供する「ftp」や、IPアドレスを利用して他のコンピュータへ接続することができる「telnet」というコマンドも、汎用性が高いので覚えておくと便利です。
・「ipconfig」コマンド
構文 ipconfig
実行結果 パソコンのホスト名やインターネット接続等に使用するIPアドレスやDNSといった通信に関する情報が表示されます。
・「ping」コマンド
コマンド構文 ping 通信確認先ホスト名(IPアドレス)
実行結果 パソコンのホスト名やインターネット接続等に使用するIPアドレスやDNSといった通信に関する情報が表示されます。
※「traceroute」はpingコマンドと同様の仕様方法となります。
Windows では各種アプリケーションやサービスがクリックすることで実行できるようになっていますが、状況によってはコマンドを入力しなければいけない場合、ファイル操作などはコマンドの方が効率的な場合もあります。普段はあまり使用していなくても、起動方法や基本的な使い方を知っておいて、いざというときに役立てましょう。