外出先からPC操作!Windows 11 のリモートデスクトップ設定方法
2025-12-16
Windows 11 には、リモートデスクトップという機能があります。リモートデスクトップとは、手元のパソコンやスマートフォンから他の場所にあるWindowsマシンを遠隔操作できるシステムのことです。リモートデスクトップを使いこなせれば、在宅勤務やモバイルワークも実践しやすくなるでしょう。今回は、Windows 11 のリモートデスクトップのメリットや設定方法、接続がうまくいかない場合の対処法などについて解説します。
1.何ができる? Windows 11 のリモートデスクトップとは
テレワークや営業で会社を離れているときでも、便利に利用できるのが Windows 11 のリモートデスクトップです。一体どのような機能が備わっているのでしょうか。まずは、システムの特徴やメリットについて理解していきましょう。
1-1.PCを遠隔操作できるリモートデスクトップ
リモートデスクトップは、Windows 11 に標準搭載されている機能です。
この機能によって、離れた場所にあるコンピューターの遠隔操作ができます。例えば、自宅にあるパソコンからオフィスのパソコンにアクセスして、オフィスのパソコンに保存されているデータを編集したり、インストールされているアプリケーションを利用したりできます。自宅にいても、オフィスにいるような感覚で操作できるのは大きな利点といって良いでしょう。
また、リモートデスクトップ機能は、スマートフォンでも利用できます。AndroidでもiPhoneでも、アプリケーションを使えばリモートデスクトップ接続ができます。
1-2.リモートデスクトップのメリット
リモートデスクトップの主なメリットは3つあります。
1つ目は、手元にあるパソコンのスペックが低くても、遠隔操作するパソコンの性能が高ければ、スムーズに作業できる点です。パソコンの性能は、CPUの処理能力やOSのバージョンによって決まります。手元に処理能力がイマイチなパソコンしかなくても、遠隔操作をするパソコンの性能が高ければ、問題なく操作可能です。
2つ目は、業務の効率化が実現でき、働き方の改善にもつながる点です。小さい子どもがいる人、ケガをしてしばらく会社に行けない人、自由な働き方として在宅勤務を選んだ人などでも、リモートデスクトップを利用すればどこにいても仕事ができます。スマートフォンから会社のパソコンにアクセスできれば、営業中の出先でも必要な作業が可能でしょう。
3つ目は、交通費や社内用ソフトの導入コストなどについて、経費削減ができる点です。自宅で仕事ができれば、無理に出社する必要はありません。社内専用ソフトを社外でも使えれば、わざわざ社外用ソフトを導入しなくて済みます。業務の効率化や経費削減は、会社にとっても従業員にとっても大きなメリットです。リモートデスクトップは、働く人全員の環境改善につながるシステムといって良いでしょう。
1-3.リモートデスクトップのデメリット
リモートデスクトップには便利な点が多い一方で、注意すべきデメリットも存在します。
1つ目は、操作性が利用環境のインターネット回線に依存することです。通信速度が遅かったり接続が不安定だったりすると、画面表示や操作に遅延が発生し、快適に作業できなくなる可能性があります。
2つ目は、接続先のパソコンの電源をつけておかなければならない点です。電源がオフになっていると接続自体ができないため、外出先から利用する際には外出前に電源を落とさないようにし、もしオフになっていたら社内に残っている人に電源を入れてもらうなどが必要になります。
2.5分でわかる! Windows のリモートデスクトップ設定方法
リモートデスクトップのメリットを享受するには、接続する側とされる側、両方のデバイスで設定が必要です。設定する前の準備と、それぞれの設定方法を解説します。
2-1.事前準備
リモートデスクトップを設定する前に、接続される側であるホストコンピューターの「コンピューター名」と「ユーザー名」「パスワード」を調べておきましょう。「コンピューター名」を確認するには、「設定」を開くと画面上部に表示されています。「ユーザー名」は「設定」から「アカウント」の順にクリックすると、確認できます。
なお、使用している Windows のエディションによって、リモートデスクトップの利用範囲が異なります。エディションとは、Windows OS の種類のことで、Home/Pro/Enterpriseの三種類あります。まず、Windows 11 Home ではリモートデスクトップのホスト機能が利用できません。つまり、接続先(操作される側)として設定することはできず、他のパソコンに接続するクライアント側としてのみ利用可能です。一方で、Windows 11 Pro と Windows 11 Enterprise では、ホスト側とクライアント側の両方に対応しています。そのため、オフィスのパソコンをホストに設定して別のパソコンで外出先から接続したり、他のパソコンに接続して操作することも可能です。
エディションは「設定」から「システム」をクリックし「バージョン情報」の画面を下にスクロールしていくと確認できます。例えば、「エディション」という項目に「Windows 10 Pro」と載っていれば、使用エディションはProです。
2-2.ホストの設定
まずは、ホスト側(接続先)の設定を行います。「スタート」を右クリックし「設定」を開き「システム」をクリックします。下の方にスクロールすると「リモートデスクトップ」があるのでクリックします。「リモートデスクトップ」のスイッチをクリックし、「オン」にします。「リモートデスクトップを有効にしますか?」と表示されるので「確認」をクリックすると、「リモートデスクトップ」が有効になります。
ホストへ接続できるユーザーの追加や削除を行う場合は、同じポップアップ上にある「リモートデスクトップユーザー」をクリックします。この画面で必要に応じて、追加や削除を行いましょう。アクセス権を持っているユーザーについては、「アクセスが既に与えられています。」というメッセージが出ています。
2-3.クライアントの設定
ホスト側コンピューターへの接続ができるように、クライアント側(操作する側)の設定も行います。「スタート」をクリックして検索欄に「リモートデスクトップ接続」と入力し、「リモートデスクトップ接続」を起動しましょう。接続画面が立ち上がったら、事前準備で確認しておいた「コンピューター名」を入力して「接続」をクリックします。「リモートデスクトップ接続」に切り替わったら、「ユーザー名」と「パスワード」を入力して「OK」をクリックすれば完了です。
今後もユーザー名とパスワードを利用する場合は、「このアカウントを記憶する」にチェックを入れておきましょう。ただ、セキュリティ面を考慮するなら、チェックは外した方が安全です。その場合は、ユーザー名を再度調べ直す必要があります。パスワードは忘れないように、しっかり管理しておきましょう。
3.リモートデスクトップで問題が起きた場合の対処方法
リモートデスクトップでは、設定に間違いがないにも関わらず、接続がうまくいかない場合があります。しっかり設定したと思って外出したら使えなかったとなっては大変です。ここでは、接続されないときにありがちな3つの理由と、よくあるトラブルに関する解決方法を紹介します。
3-1.ネットワークエラーの場合
リモートデスクトップの接続がうまくいかない理由の1つとして、ネットワークエラーの可能性があります。
Windows 11 をインストールした直後は、「ネットワークの場所」が「パブリックネットワーク」になっています。パブリックネットワークとは、公衆のネットワークに接続できる設定のことです。公衆無線LANやホテルサービスなど、不特定多数が利用できるネットワークが該当します。パブリックネットワークでリモートデスクトップ接続できないのは、ファイアウォールの設定が厳しくなっているからです。この場合、ネットワークの設定を、プライベートネットワークに変更すれば解決します。
スタートメニューから「設定」「ネットワークとインターネット」とクリックして、「イーサネット」を選びましょう。ネットワークプロファイルの種類で「プライベートネットワーク」を選択すれば完了です。
3-2.ホストが見つからない場合
リモートデスクトップでは、クライアントがホストコンピューターを探し出して遠隔操作を行います。前述しているリモートデスクトップの設定では、クライアント側にホストコンピューターの名前やユーザー名を設定しました。リモート接続を行うには、クライアント側がホストの特定を行う必要があります。ホストが見つからないようなら、クライアント側の設定をしたときに、ホストのコンピューター名を間違えて入力していないかを確認しましょう。
まず、ホスト側コンピューターの「スタート」を右クリックしたら、「システム」を選択します。「バージョン情報」を選択し、「デバイス名」に記載されている文字列をコピーしましょう。次に、クライアント側のコンピューターでリモートデスクトップ接続を開いて、コンピューター名を確認します。間違いがあれば訂正して、リモートデスクトップで接続できるかを試してみましょう。
3-3.ファイアウォールが原因の場合
ファイアウォールとは、ネットワークが安全かどうかを確認した上で、許可や拒否をする仕組みのことです。リモートデスクトップの接続を許可しているにも関わらずうまくつながらない場合は、ホスト側のファイアウォールに原因がある可能性が高いです。「外部ネットワークからの接続を拒否」していないかを確認して、設定を変更しましょう。
まず、「スタート」を開き検索欄に「コントロールパネル」と入力してコントロールパネルを開きます。「システムとセキュリティ」を選択したら、「Windows Defender ファイアウォール」の「Windows ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックしましょう。許可されたアプリ画面一覧の中から「リモートデスクトップ」を探し、「パブリック」にチェックを入れて「OK」ボタンをクリックします。これで、外部ネットワークからの接続もできるようになります。
3-4.キーボードレイアウトが変わってしまう場合
リモートデスクトップの接続以外に、クライアント側のキーボードがUSキーボードになってしまうトラブルがあります。キーボードにこだわりを持つ人の中には、USキーボードを使用しているケースもあります。しかし、日本に住む多くの人は、日本語キーボードを利用しているのではないでしょうか。使い慣れないキーボードは業務効率の低下を招きますので、気になる人は日本語キーボードへの設定変更をおすすめします。
まず、スタートメニューの「設定」を開き、「時刻と言語」を選択しましょう。「言語と地域」を開き「日本語」の三点リーダーをクリック、「言語のオプション」と進みます。「キーボードレイアウト」の項目をチェックして、「英語キーボード」になっていたら「レイアウトを変更する」をクリックします。「日本語キーボード」を選択したら、パソコンを再起動させましょう。日本語キーボードに切り替わっていれば、設定完了です。
4.Android・iPhoneでリモートデスクトップ接続する方法
Windows 11 のリモートデスクトップは、スマートフォンでも利用可能です。スマートフォンでパソコンの遠隔操作ができれば、重たいタブレットやノートパソコンを持ち歩く必要もなくなるでしょう。AndroidやiPhoneをクライアント側として使用する場合の設定方法を紹介していきます。
4-1. Windows側の設定
スマートフォンでリモートデスクトップを利用する場合、ホスト側は Windows OS になります。まず、ホスト側のリモートデスクトップ設定を行いましょう。「スタート」を右クリックし「設定」を開き「システム」をクリックします。下の方にスクロールすると「リモートデスクトップ」があるのでクリックします。「リモートデスクトップ」のスイッチをクリックし、「オン」にします。
次に、Windowsのスタートメニュー内の検索ボックスに「cmd」と入力して「Enter」を押しましょう。コマンドプロンプトが表示されたら「ipconfig」と入力して、再び「Enter」を押します。複数の表示が出てきたら、「IPv4アドレス」の横に載っているIPアドレスを控えておきます。ちなみに、「cmd」はコマンドプロンプト、「ipconfig」はIPアドレスを調べるときに使用するコマンドのことです。この2つは、リモートデスクトップの設定以外にも使えますので、覚えておくと良いでしょう。
4-2.Android・iPhoneアプリの設定
スマートフォンでは、リモートデスクトップ用のアプリケーション「windows app mobile」を起動させて使用します。AndroidはGoogle Play、iPhoneはApp Storeからインストールしておきます。アプリを立ち上げたら、画面右上にある「+」をタップしましょう。続いて「PC」をタップしたら、「PC名」にIPアドレスを入力して左上にある「<」をタップしてください。「資格情報」をタップし、「ユーザー名」「パスワード」を入力して「保存」をタップしたら終了です。
5. Windowsのリモートデスクトップ機能で業務を効率化しよう!
Windows 11 のリモートデスクトップは、Windows 同士はもちろん、スマートフォンやiOS端末からでも遠隔操作が可能です。事務所以外の場所で会社にいるのと同じように仕事ができ、業務効率化にも役立ちます。通勤にかかる時間や交通費の節約にもなりますし、社外用の管理アプリを導入する必要もないので経費削減にもうってつけです。リモートデスクトップは、自由な働き方が推奨される現代に即したサービスです。ぜひ、導入を検討してみましょう。
HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。
Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。
組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。
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