訪問診療サービスのさらなる充実にセキュアな画面転送を実現するHP Anywareが貢献
医療法人社団 江翔会 ekoデンタルクリニック
2025-09-24

患者が医療施設へ行くのとは逆に、医師が患者の自宅などに出向く「訪問診療」というスタイルは以前から存在していた。自宅などから出ることができない患者にとって、まさに救いの手となるシステムだが、一方で外出先でも使える医療機器の充実や、患者の医療情報を持ち歩くには大変な苦労があることは容易に想像できる。ここでは、歯科医療の訪問診療を扱っているクリニックがHPワークステーションとリモートツールのHP Anywareによって、遠隔治療の情報共有を成功させている例を紹介したいと思う。
取材:中山 一弘
目的
高いセキュリティを保ちつつ画像を外部から確認したい
アプローチ
セキュアな画面転送ソリューションの導入
システムの効果
セキュリティを維持した画像確認の実現
高解像度の画像もストレスなく転送
容易な操作で運用負担は最小限
ビジネスの効果
満足度の高い医療サービスの実現
訪問診療先での医療の品質向上
将来の事業拡大にも対応
満足度の高い歯科医療を地域に提供
東京都江東区大島にクリニックを構える医療法人社団 江翔会 ekoデンタルクリニック。歯科医師であり理事長の髙垣 江津子氏が中心となり、地域住民に無くてはならない歯科治療を提供する医療機関として多くの市民から愛されている。ekoデンタルクリニックは来院による歯科治療の提供はもちろん、審美歯科や訪問診療にも力をいれている。
「介護中心のご家族が疲れていらっしゃる様子を見て、少しでも元気になって欲しいと思って、審美歯科をはじめました。また、地域の方々からは、来院したいけれど交通手段がないからいけないといった声をちょうだいすることがあり、訪問治療をはじめようと思いました。地域にいらっしゃる患者さんの声によって、ekoデンタルクリニックは活動の幅を広げてきました」と語るのは、医療法人社団 江翔会 ekoデンタルクリニック 理事長 歯科医師の髙垣 江津子氏(以降、髙垣氏)だ。
現在は無料送迎もおこなっているekoデンタルクリニックは、2009年に開院。2010年には訪問診療サービスをはじめている。「ご自宅から通っていらっしゃった方が、お体が悪く通えなくなるといったご事情があるケースもあります。訪問診療サービスがあるおかげで、診療が継続できるだけでなく、ご一緒にお住まいのお孫さんとコミュニケーションも始まり、通院いただくきっかけになったこともあります。そのような姿をみていると、地域のみなさまのお役に立つことができる医院づくりができているのかな、と思うこともありますね」と微笑みながら語る髙垣氏。地域のために取り組みを続けてきた髙垣氏ら、ekoデンタルクリニックスタッフのチームワークの良さが伺えるエピソードだ。
HP Anywareが解決の糸口に
そんなekoデンタルクリニックでは、訪問診療サービスのために以前からPCとクラウドサービスを使った情報共有を行ってきた。「院外の訪問診療に関しては、情報をクラウド上で管理するようにしていました。訪問診療にいっている先生から、何か連絡があれば医院のコンピューターでそこへアクセスして情報共有を図るといった形です」と髙垣氏は語る。院外から院内のメインコンピューターにアクセスさせるのはセキュリティ上よくない。そのため、クラウドサービスを経由して、安全性を担保しつつ、必要な情報共有をおこなっていたのだ。
「しかし、セキュリティの関係で、過去に撮影してデータサーバに格納されたレントゲン写真は医院のPCでしか閲覧できず、訪問診療時には不便さもありました。そこでそのようなデータでも安全に訪問診療先から確認できる方法はないかと考えるようになりました」と髙垣氏は語る。そのほか、画像を見ることができても拡大して患部の詳細が確認できる解像度が保てるかといった部分にも不安があったのだという。
そんなときに偶然知ったのが、HPのリモートデスクトップサービス「HP Anyware」だったという。「通院されていた方がITに詳しかったので聞いてみたら、高性能でセキュリティもしっかりしているHPの画面転送ソリューションが良いという話を聞きました。連絡をとってみたらすぐに対応していただき、ご説明を受けることができました。そして、一度実際に使ってみようということになったのです」と髙垣氏は当時を振り返る。
セキュアな画面転送が導入ポイントに
HP Anywareは、Windows、Linux、MacOSなどのマルチホスト環境に柔軟に対応し、PCoIPで暗号化されたピクセルのみを転送する仕組みとなっているため、データがクラウドから出ることが一切ないセキュアなソリューションだ。安全かつハイレスポンスなデスクトップ画面の転送が可能で、ホスト側コンピューターからのファイルコピーは常に禁止されていることにより、クライアント側に一切のデータが残らず、高いセキュリティを保てる点が特長となっている。このため医療用データベースのリモート操作はもちろん、あらゆる業界においてすぐれたリモートデスクトップ環境を提供することが可能だ。
また、今回ekoデンタルクリニックが使用している端末はHP ZBook Firefly 14inch G11 A Mobile Workstationで、高いモビリティ性能とハイパフォーマンスを両立したモデルだ。米軍調達基準であるMILスペックを満たすなど可用性も高く、訪問医療のようなフィールドワークに最適な製品となっている。このモデルを医院と訪問サービスに使っている車両に設置することで、より柔軟な情報共有環境を構築しているのだ。
ekoデンタルクリニックはHPのモバイルワークステーションを使ってHP Anywareの簡単なPoCを実施。結果が良好だったekoデンタルクリニックは、HPワークステーションと共にHP Anywareの導入を決定、運用を始めることになった。
「HP Anyware導入後は医院のホストのHPワークステーションに対して、私たちが使っているSender側のマシンが情報を受け取りにいくという形で運用をはじめています。また実運用に入って間もないのですが、今のところストレスのない画面転送ができています。高解像度の画像を転送しても、とても明瞭に見えるので品質的にも問題ないと思います」と語るのは実際に訪問診療サービスをサポートしている理事の三縄 優氏だ。
「課題だったレントゲン画像の確認が、HP Anywareを導入したことでクリアできました。これにより、訪問診療時の際に以前の情報が必要になったときの対応が断然スピーディーになりました。やはり、セキュアな環境で画面共有ができたことへの安心感は大きいです」と髙垣氏は語る。
今回の課題解決だけでなく、さらなる有効活用について思案中だという髙垣氏。「HP Anywareをもっと有用に使うとすれば、例えば複数の分院を持つ医師がそれらの拠点へ出向いている際に、本院のデータを参照しなくてはならないシーンなどではとても利便性が高くなると思います。歯科医師は技術職でもあるので、患者さんの対応を最後まで自分でやり遂げたいと考えています。離れた場所にあっても、必要な情報が集約される本院と連携できれば、診療の品質も大きく向上すると思います」と同氏はさらなる活用への期待を語る。
さらなるセキュリティ向上をワンストップで解決
マイナンバーカードに国民健康保険の情報が統合され、医療機関の情報セキュリティのさらなる強化が求められるようになった。「新しいワークステーションをメインPCとして使いたいと思っています。このマシンにはHP Wolf Securityという素晴らしいソリューションがインストールされていると伺ったので、そのような安全なコンピューターで情報が管理できたら安心です」と語る髙垣氏。
「はい、HPワークステーションには、セキュリティソリューションの数々がパッケージングされた『HP Wolf Security for Business』がプリインストールされています。これにはNGAVである『HP Sure Sense』や仮想化空間を用いて悪意を封じ込める『HP Sure Click』、コンピューターの根源ともいえるBIOS/ファームウェアを守る『HP Sure Start』など、数々のセキュリティ機能を実装し、HPワークステーションを守ることが可能です」と小俣氏。これにより、追加のソフトウェアなどを必要とせず、強固なセキュリティ体制を構築することができる。
「現在は医療用ソフトウェアの更新時期の関係で以前のシステムを中心に運用しています。近いうちHP ZBook Mobile Workstationを中心としたシステムへの更新を考えています。HP Anywareも活用しながら、より良い診療サービスの提供につなげていきたいですね」と髙垣氏は最後に語ってくれた。HPはこれからもekoデンタルクリニックをサポートしていく。
課題だったレントゲン画像の確認が、HP Anywareを導入したことでクリアできました。これにより、訪問診療時の際に以前の情報が必要になったときの対応が断然スピーディーになりました。
株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 技術本部 プリセールスエンジニア部 中上 綾人氏、ekoデンタルクリニック三縄 優氏、髙垣 江津子氏、日本HP 小俣 裕二氏
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