設計の手が止まったら……それは“ワークステーション見直し”の合図です
大規模アセンブリや解析、レンダリングといった高負荷作業が当たり前の設計現場では、安定して高いパフォーマンスを発揮できるハードウェア環境が不可欠だ。デスクトップからモバイルまで幅広いワークステーションを展開する日本HPの2025年最新モデルの中から、設計業務に適した注目機種を紹介する。
2025-09-04


近年、設計業務の高度化に伴い、大規模アセンブリへの対応や複雑な解析、レンダリングといった高負荷作業が当たり前になりつつある。そうした中、QCD(品質/コスト/納期)の改善にも継続して取り組む必要がある設計者にとって、ファイルの読み込み遅延や処理待ち、アプリケーションの強制終了といった“設計の手が止まる瞬間”は極力回避したいところだ。そのためには、高負荷な処理でも安定して高いパフォーマンスを発揮できるハードウェア環境が欠かせない。
こうしたニーズに応えるのが、日本HPのワークステーションだ。タワーからモバイルまで豊富なラインアップをそろえ、設計室や自宅、リモート環境など多様なワークスタイルを支えている。本稿では、2025年の最新モデルの中から、設計業務に適した注目機種を紹介する。
転載元:MONOist
2025年7月28日掲載記事より転載
本記事は アイティメディアより許諾を得て掲載しています。
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川口剛史氏
株式会社 日本HP
エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーション営業部 市場開発担当部長
エントリーの枠を超えた進化 3つの最新デスクトップワークステーション
日本HPの最新デスクトップワークステーション「HP Z2 G1」シリーズは、エントリークラスながら設計業務に必要な性能と拡張性を兼ね備えている。Tower、SFF(Small Form Factor)、Miniの3タイプを展開し、設計者の多様な働き方にも対応する。
HP Z2 Tower G1i
「HP Z2 Tower G1i」は、大規模かつ複雑な3D設計に適したタワー型の高性能モデルだ。Arrow Lake-S世代の「インテル Core Ultra 9 Kプロセッサー」(最大24コア)まで搭載可能で、最大250WクラスのTDP(熱設計電力)に対応。大規模アセンブリや複雑なシミュレーションも余裕をもって扱える。
グラフィックスは「NVIDIA RTX 6000 Ada世代」まで対応し、フォトリアルなレンダリングやリアルタイムレイトレーシング、高度な解析といったGPUアクセラレーションを要するワークフローも難なくこなせる。さらに、最新のNVIDIA Blackwell世代のGPUにも対応予定で、長期的な拡張性にも優れている。
筐体は従来比22%大型化され、最大1200Wの電源ユニットが選択できるほか、トリプルハイトGPUも搭載可能だ。フロントパネルにはメッシュ構造を見直した新たなサーマルデザインを採用し、冷却性能も一層強化されている(Z2シリーズ共通仕様)。
日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーション営業部 市場開発担当部長の川口剛史氏は「HP Z2 Tower G1iはエントリークラスの位置付けですが、もはやメインストリームクラスといっても過言ではありません。設計室などでの日々の業務を支える“主力機”としてご活用いただけます」と説明する。
HP Z2 SFF G1i
「HP Z2 SFF G1i」は、省スペース性と拡張性のバランスを重視したモデルだ。筐体は従来比で約20%小型化され、横幅も約8cm縮小されたことで、限られた作業スペースでも導入しやすい。
こちらもインテル Core Ultra 9 プロセッサーを搭載可能で、Intel KシリーズCPUで最大125WクラスのTDPに対応。グラフィックスは「NVIDIA RTX 4000 SFF Ada世代」までサポートし、3Dデザインやリアルタイムレイトレーシングといった高負荷作業も安定して処理できる。PCIe Gen5とThunderbolt 4の搭載も可能だ。コンパクトながら、タワー型並の処理性能と信頼性を備えた1台となっている。
HP Z2 Mini G1i
「HP Z2 Mini G1i」は、Z2シリーズの中で最も省スペース性を重視したモデルだ。ミニサイズながらSFFと同等のパフォーマンスを発揮する高密度設計を採用し、インテル Core Ultra 9 プロセッサーを搭載可能で、Intel KシリーズCPUで最大125WクラスのTDPに対応する。グラフィックスはNVIDIA RTX 4000 SFF Ada世代に対応し、リアルタイムレンダリングなどの処理も快適にこなせる。
さらに、PCIe Gen5やThunderbolt 4も搭載可能である。ラックマウントにも対応し、5Uスペースに最大6台を集約できる。
「サーバルームに集約してIT部門が一括管理を行いつつ、設計室やリモート拠点からアクセスすることで、VDIよりも低コストかつ柔軟な分散利用を実現できます」
どこにいても業務を止めない――デスクトップ並の高性能を持ち運ぶ
場所に縛られない働き方を支えるモバイルワークステーションも進化を遂げている。
日本HPは2025年モデルから、モバイルワークステーションの名称を刷新し、ラインアップの位置付けをより直感的に分かりやすくした。エントリーモデルは「HP ZBook Firefly」から「HP ZBook 8」へ、メインストリーム向けは「HP ZBook Power」から「HP ZBook X」へ、ハイエンド向けは「HP ZBook Studio」から「HP ZBook Ultra」へと名称を変更した。最上位の「HP ZBook Fury」は、従来通りの名称を維持している。
HP ZBook X G1i
「HP ZBook X G1i」は、16型の4K大画面とモバイルの利便性を両立し、デスクトップワークステーション「HP Z2」に匹敵する高性能を実現したメインストリーム向けのモバイルワークステーションだ。「インテル Core Ultra 9 Hプロセッサー」を搭載可能で、最大64GBのDDR5メモリと8TBのストレージを選択できる。モバイル環境でも高い処理性能を発揮する。
グラフィックスは最新の「NVIDIA RTX PRO 2000 Blackwell」に対応。中規模の3D設計やモデリング、フルHD動画編集、軽量なレンダリング、シミュレーション、データ分析まで、幅広い業務を快適にこなせる。リモートワークや外出先での設計作業にも適した1台だ。
HP ZBook Fury G1i
「HP ZBook Fury G1i」は、「インテル Core Ultra 9 HXプロセッサー」と次世代GPU「NVIDIA RTX PRO 5000 Blackwell」を搭載可能なフラグシップモバイルワークステーションだ。
最大256GBのDDR5メモリと16TBのストレージを選択できる。高度な3D設計をはじめ、高解像度動画編集、レンダリング、シミュレーション、データ分析など、負荷の高い処理も快適にこなせる。また、Thunderbolt 5ポートも搭載し、複数の8Kディスプレイを1本のケーブルで接続することが可能だ。
「デスクトップに匹敵する高性能をモバイルで持ち運べる点が最大の魅力です」
HP ZBook Fury G1iには、従来の16型に加えて18型の大画面モデルが新たに追加された。画面対ボディー比は17型と同等ながら、表示面積は約30%拡大されており、16:10の広い画面によって複雑な設計データの細部確認やマルチウィンドウ操作も快適に行える。さらに18型モデルは、最大TDP200Wクラスに対応し、高い処理能力を長時間安定して発揮できる。
「静かに」「しっかり冷やして」「止まらない」 こだわりの冷却設計
高性能化が進むと気になるのが熱の問題だ。高温によって動作が不安定になったり、マシンが落ちたりすれば、設計の手が止まってしまう。
日本HPでは、ワークステーションの安定稼働に直結する冷却設計にも注力している。デスクトップ向けには「スマート・ファン・コントロール」を搭載し、マザーボード上の温度センサーからリアルタイムで情報を取得。必要な箇所を集中的に冷却することで、静音性を保ちながら高負荷時の温度上昇を抑える。
モバイル向けには「HPベイパーフォース・サーマル」を採用。キーボード下の発熱源を冷却する大型デュアルファンと、熱を効率良く拡散するベイパーチャンバーを内蔵している。さらに、熱風が手に当たりにくい背面排熱構造を採用し、薄型筐体でも長時間の高負荷作業を快適にこなせる。
万一の備えも重要 安心のセキュリティと万全のサポート体制
設計情報などの機密データを扱う上で懸念されるのがセキュリティだ。日本HPでは、全てのビジネス向けワークステーションに統合型エンドポイントセキュリティ「HP Wolf Security」を搭載。マザーボードやBIOSといったハードウェアレベルから、OS、アプリケーション層までを多層的に保護する。
保守サポート体制も充実している。標準で3年間のオンサイト保守サービスが付帯し、最大5年までの延長に対応。専門技術者による訪問修理や翌日以降のオンサイト対応も含め、迅速かつ信頼性の高いサービスを提供する。平日/休日を問わず対応可能なプランも用意されており、万一のトラブル時にも速やかな復旧を支援する体制が整っている。
設計の手を止めない 最新CPUの実力
今回紹介したモデルは、最新の「インテル Core Ultra」シリーズの最上位グレード「インテル Core Ultra 9 プロセッサー」まで搭載可能だ。
インテル Core Ultra 9 プロセッサーは、パフォーマンスコア(Pコア)と高効率コア(Eコア)を組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用し、高いマルチスレッド性能と電力効率を両立している。最大24コア構成により、大規模アセンブリや解析といった高負荷作業も安定して処理でき、長時間の稼働でもクロックダウンを抑え、性能を維持できる。さらに、AI(人工知能)処理専用のNPUも搭載。背景ぼかしやノイズ除去といったAIエフェクト処理をCPUから分離することで、システム全体の負荷を軽減し、パフォーマンス向上に貢献する。
日本HPの最新ワークステーションを活用すれば、設計の手を止めない「安定した性能」と、多様な働き方に応える「柔軟性」を手にすることができる。
「HPのワークステーションは、設計者の生産性向上を第一に考えています。性能や信頼性はもちろん、使いやすさや安心のサポートまで一体化して提供している点が強みです。今後も、多様化する設計現場のニーズに応えるため、豊富なラインアップを提供していきます」
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