2024.10.17
“モバイルワークステーション”は、デザイナーやエンジニアが利用する専門的なノートPCと感じるかもしれない。しかし実際には、一般的なビジネスパーソンが日常的に行っている作業も快適にこなせるノートPCなのだ。そこで今回は、日本HPのモバイルワークステーション「HP ZBook Firefly 14 inch G11」を例に、その魅力をチェックしたいと思う。
※制作:Business Insider Japan Brand Studio
近年、人材不足を背景として、中小企業だけでなく大企業でも限られた人材がさまざまな役割を同時に担い、動画や映像の編集なども内製で対応する場合が増えてきている。そういった作業には、高い処理能力が必要なため、一般的なビジネスPCには荷が重く、作業効率が低下することも少なくない。
そこで、企業が利用するPCとして注目度が高まっているのが、モバイルワークステーションだ。
モバイルワークステーションは、そもそもはデザイナーやエンジニアなどをターゲットとしたノートPCだ。画像や映像の編集作業、3D CADなどのアプリが快適に利用できる優れた性能を実現しつつ、コンパクトかつ軽量なボディで、持ち運びにも適しているのが大きな特徴だ。
そして重要なのが「モバイルワークステーションは、一般ビジネス用途のモバイルノートPCとしても問題なく活用できる」という点だ。そもそもモバイルワークステーションも、ベースとなる仕様は通常のWindows PCであり、一般的なPCと全く同じように利用できる。
今回、実際に最新のインテル® Core™ Ultra プロセッサーを搭載した、日本HPのモバイルワークステーション「HP ZBook Firefly 14 inch G11」を、一般的なモバイルノートPCとして利用してみた。
ボディは一般的なモバイルノートPCとほとんど変わらない。14型ディスプレイを搭載しつつ、13型クラスに匹敵するコンパクトかつ薄型ボディで、重量も1.5kgと、難なく持ち歩ける印象だ。
ディスプレイは一般的なモバイルノートPCの13型よりひとまわり大きいため文字の視認性に優れ、1,920×1,200ドット表示対応と縦の表示領域がフルHDより多い。実際にExcelやWordを利用してみても、小さな文字が見やすく、より多くの情報をいちどに表示できるため作業効率が高まる。
キーボードは19mmフルピッチで配列は標準的、打鍵感も良く、軽快なタイピングが可能。面積の広いタッチパッドも、ジェスチャー操作を含めて非常に扱いやすい。キーボードやタッチパッドの利便性は作業効率を大きく左右するが、これなら長時間のPC作業も快適にこなせる。
しかも、クリエイターが利用する専門的な作業に対応する優れた性能を凝縮していることもあって、アプリの動作は非常に軽快だ。近年はプレゼン資料に写真や動画を盛り込むことも多いが、そういった画像や動画の編集作業を一般的なモバイルノートPCより短時間で行える点は、さすがモバイルワークステーションと感じる。
そもそもワークステーションは、高度なPC作業を長時間快適にこなせることを目指したPCだ。そのため、一般ビジネス作業も快適にこなせて当然なのだ。例えるとするならば、高性能レーシングカー同等のエンジンや足回りを搭載しながら、ファミリーカー同等に簡単に扱える万能なクルマ、といったところか。
そのうえで、オフィス内はもちろん、外出時に持ち出す場合でもほぼ苦にならず、場所を選ばずに問わずクリエイティブな作業が行える。多様化したビジネスパーソンの業務効率を大きく高めてくれるPCなのである。
HP ZBook Firefly 14 inch G11は、プロセッサーとして「インテル® Core™ Ultra プロセッサー」を採用している。
インテル® Core™ Ultra プロセッサーの最大の特徴となるのが、AI処理に特化したエンジン「Nural Processing Unit(NPU)」を搭載している点だ。現在、ビジネスシーンでも生成AIの活用が拡がっているが、インテル® Core™ Ultra プロセッサーならNPU・GPU・CPUを使い分け、生成AIをPC内で高速に処理することができる。
実際にどの程度のAI処理能力があるのか。7年ほど前に発売され、ちょうど更新サイクルを迎えている、モバイルノートPC「HP Elite Dragonfly」を用意して、AI処理能力を比べてみた。比較には、AI処理能力を測定するベンチマークテスト「UL Procyon AI Computer Vision Benchmark」を利用した。
結果を見ると、HP Elite Dragonflyの結果に対して8倍以上のスコアが得られている。これなら、クラウドを利用せずPC内で生成AIを利用する場合でもかなり高速に処理できる。また、処理能力だけでなくAI活用時の情報漏洩の危険性を低減できるという意味でも、企業にとって魅力的な仕様だ。
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さらには、高性能な「Pコア」、電力効率に優れる「Eコア」、超低消費電力の「LPEコア」と、3種類のCPUコアを内蔵。高負荷アプリ利用時には全コアを利用して高い処理能力を発揮し、低負荷アプリ利用時にはEコアやLPEコアのみで動作し電力消費を低減する。つまり、優れた性能と長時間駆動を両立できるため、幅広いビジネス用途に1台で柔軟に対応できるわけだ。