ライブ番組配信(オンラインセミナー)は終了しました。
ご視聴いただきありがとうございました。
Q:ハイブリッドワークにおける人事制度、労務管理などの課題とその対応をどうされたか差し支えない範囲で教えてください。
羽鳥:2007年から本人希望による在宅勤務について、フレックスワークプレイス制度(FWP)として制度化しており、ハイブリッドワークはその延長にあるので、制度的には通勤費の扱い等、一部変えたが、大きな変更はしていない。FWP以降、コロナ前までは、オフィス勤務を基本に置きながら、条件が整えば、家だったり、出張先であったりから仕事ができるようになっていたが、コロナが直撃し、働く場所の基本がオフィスから家に移ってしまった。これは多くの社員にとってコロナ後も続くと考えられ、これが、ハイブリッドワーク以降の大きな違い。職種によって出社比率は違うが、社員の大部分は週の過半数を出社しなくても業務ができる職種。昨年労働組合がとったアンケートでコロナ後に週3日以上出社したいと言った社員は16%に留まった。今後、このような状況できちんとコミュニケーションをとって関係社員間でコラボレーションして、生産性に影響が無く、多残業も起こらないようにやっていくにはテクノロジを活用していくしかないが未知の世界。これは制度というよりも運用の問題、マネージャの力量にもつながってくるのでマネージャトレーニングも必要になっていくだろう。ベストプラクティスを今後見つけていくしかない。
Q:on-line会議はフリアドの席でOKとしているでしょうか。ヘッドセットを使っても周りの声が気になりますが、個人のon-line会議エリアはあえて設けずですか?
高田:フリーアドレスの席でオンライン会議可能です。Sensitiveな会話の時は会議室を予約して利用したり、
one on one ブース(2人用会議室)からオンライン会議に参加します。
Q:そもそも出社を前提としていないハイブリッドワークと上司が声をかけやすいようにというのは矛盾がある気がしますが、上司は出社指示をするようなことが多い文化なのでしょうか?
羽鳥:もともと、出社してなくてもCallであったりチャットであったり、声を掛け合う事は必要。ただ、出社していれば、上司部下もそうだが、チーム員だけではなく関連する他部署であったり、管理部門の同僚と、偶発的に顔を併せる機会は増える。そのような機会にふと交わす会話から仕事が進んだり、新しいアイディアが生まれてくる。そのような偶発的な話を産むには、上司の声がけもそうだが、関連した部門が近くに座っていれば、それだけ機会が増えるのが良い。
高田:出社は多くがTeam Buildingや顔合わせを目的としたプロジェクトMeetingや部内会議がある場合です(週次、隔週、月次)。その場合、通常上司やPMが指示を出します。会議のある日は、メンバー同士、または上司・部下間の何気ないコミュニケーションを奨励するためにメンバーが同じ場所に集まって働いている方が効率的かつ親交が深まります。
Q:通常のコラボレーションではチームがある程度固定されていると思います。しかし、イレギュラーな課題に取り組む際のチーム編成、情報共有、セキュリティなどへの配慮はハイブリッドワークではどのような工夫があるのでしょうか?例えば、10年前の東日本大震災などへの対応などです。
高田:全社的に大きな課題への対処、例えば東日本大震災の対応などは、まさにZoom会議室を用いての会議が中心であり、オフィスにいる社員、自宅から入る社員と連絡を取ります。
情報共有は主にShare Point(MS 365)やOne Drive(小グループの場合)などを利用したCloudサービスでセキュリティを意識した情報共有を行います。
Q:ハイブリッドオフィス改革ありがとうございます。弊社では、ペーパーレス化の取組を実施していますが、提案書、契約書、請求書等の管理を紙で実施しています。日本HPさんでは、DXを含めてどのような取り組みを行い紙を減らしたのでしょうか。またどの部門がリードされたのか教えて頂けますでしょうか。
羽鳥:紙の管理、文書保管の観点からすると、これまで会社全体として旗を振ってペーパーレス化というのは、やっていない。いくつかのオフィスを統合して、新オフィスプランを計画する過程で、総務、不動産部門が中心になって、ペーパーストックレス化はやっていた。ストックするキャビネットが減れば、各部門書類の削減の為に電子化は一つの解決法。また、フリーアドレスにより袖机をもたなくなれば、その分書類も減る。ハイブリッドワークの中で全ての社員の出社が前提とならない場合、書類やプロセスを電子化していれば、様々な社員が同じ場所にいなくても共有ができるが、紙書類の入ったバインダをみなければ仕事が進まないとするとそれはハイブリッドワーク下では非効率。承認関係も、稟議書等、紙と押印で処理していた時代もあった(だいぶ前)が、グローバルオペレーションが進む中で、CEOを頂点とするりリポーティング関係の中ではどうしても承認ツリーをたどると海外になるので、承認もリモート対応せざるを得ない。そのような中で、システム化が進んだ。それらは経理システムであれば経理、人事システムであれば人事がそれぞれのIT部門のサポートを経てドライブしてきた。
高田:弊社の場合、提案書は営業部門、契約書、請求書は業務管理部門が管理しています。
営業部門では文書をPDF化してShare Pointで管理することが多いです。
契約書等署名・捺印を必要とする書類は電子契約を推進していますが、お客様によっては紙でのやり取りを希望される方もいらっしゃいますので、現段階では双方が混在している状況です。
ですが今後はデジタル処理の普及が加速していくと思われるため、更なるDX化を推進していきます。
Q:弊社内では、ハイブリッドワークにおいては、帰属意識の希薄化が課題とされています。ハイブリッドワークによって一つのコミュニティの形成と帰属意識の醸成が可能になる工夫について詳しく教えていただけないでしょうか
羽鳥:ハイブリッドワークにより、対面の機会が減るのはどうしようもないが、その中でどうやって、コミュニケーションの量を維持していくか。社員ネットワークを維持、また新しく生み出していくかは課題。コミュニケーション活性化の工夫の例としては、対面が少なくなることによって雑談が恋しいという声に応えて、趣味のグループを作る声がけを行った。結果、社員の約2割が参加して24グループができて定期的な集まりが今も継続している。また、HPの中ではいくつか会社公認の自主活動グループがあるが、リモートでのボランティア活動を主導し、100名近くが参加。コロナ禍でも新しい若手の会も発足した。コロナ禍で対面イベントがままならない中でも、ファミリーデー等家族向けのイベントも、対面でできないからとあきらめずに、リモートで開催するなど工夫をしている。
高田:昨年、社員にアンケートを取り、さらに社員エンゲージメント(会社への帰属意識、ロイヤルティ)評価の低かった部署メンバーに聞き取りも行いました。その結果、困った場合に簡単に相談に乗ってくれる先輩、同僚、上司との場を作って欲しいという要望が多いことが分かりました。 対策としてチーム単位で定期的に対面式のMeetingを実施したり、チームビルディングのため、合同での懇親会を実施したりしました。
リモートワークが普及し、働く場所の多様化が急激に進んでいます。
テレワークにより通勤の時間的拘束やストレスから解放された一方で、社員同士の偶発的な化学反応によるイノベーションが減少する、という新たな課題も生まれているのです。そんな中、ハイブリッドワークという選択肢が先進企業の中で始まっています。そしてそのときのオフィスは従来の「働く場所」から「共創からイノベーションを生み出す場」としてその価値を変えようとしています。
ハイブリッドワークのメリットとそれにあわせたこれからのオフィスはどうあるべきなのでしょうか。
本配信は、日本HPの事例紹介とともに1月にライブ配信を行った内容の中で、重要と思われるところを再編集、当日いただいたQAにも答えて行く形で特別編集版としてお届けします。
前回見逃した方はもちろん、前回参加された方もぜひ再度ご覧ください。
タイトル
特別編集版!これからの働き方の中心となるハイブリッドワーク実践例の紹介 - 日本HPの挑戦
開催日時
2022年3月10日(木) 16:00-17:00
視聴申込み締切
2022年3月9日(水) 18:00
開催方法
オンライン開催
こんな人にオススメ
・企業の総務部門の方
・企業の人事部門の方
・企業のIT/DXを担当する方
・企業の経営企画部門の方
・オフィス移転検討のある企業の関連部署の方
1988年古河電気工業株式会社入社、1997年日本ヒューレット・パッカード株式会社入社後、ビジネス人事(HRBP)、人事企画(Total Reward)のマネージャーを務める。2015年会社分割に伴い、株式会社日本HPへ転籍し現職。 2007年就業の一部または全部を、自宅等で勤務することを認めるフレックスワークプレイス制度を日本に導入。2018年にはBCP対策の一環として派遣社員にもフレックスワークプレイス制度を適用。 品川本社移転と同時に、新しい勤務形態であるハイブリッドワークを推進中。
1985年株式会社日本ディジタルイクイップメント(DEC)に入社。ソフトウェア製品の製品コンサルタントを経て、プロフェッショナルサービス部門の企画、管理やPMO, PMを担当。コンパック、DECの合併を経て、2002年日本HP、コンパックとの合併後、プロジェクト管理本部長として、大手顧客のIT開発プロジェクトおよびIT運用プロジェクトのプログラム責任者も歴任。社内外のグローバルデリバリチームと協業し、海外案件も数多く手掛ける。 2015年のHPI/HPE分社後は、日本HP監査室室長を経て、2019年経営企画本部長に就任。
2002年コンパックコンピュータ入社。IT機器のプリセールスエンジニアを経験した後、Managed Print Serviceの営業、家庭用プリンターおよびオフィス向けプリンター製品の営業を経験。2012年よりオフィスプリンターの市場開発を担当し、一部マーケティング業務も兼任。
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