2024.10.31
AI技術の発展にともない、働き方もツールも変化しています。そんな新時代のビジネスシーンに合わせて最適化されたマシンが、高性能なプロセッサーを搭載したAI PCやモバイルワークステーションです。
といっても、「AI PCがどんなものなのか? 何ができるのか?」など、今ひとつピンときてない人も多いのでは?
そこで今回は、AI PC/モバイルワークステーションを提供している日本HPさんに直接インタビュー。
前編では、日本HPでビジネスPCを担当しているパーソナルシステムズ事業本部 CMIT製品部 部長・岡 宣明さんと、モバイルワークステーション担当のエンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部ワークステーション営業部 市場開発担当部長・新井 信勝さんに、その特徴と魅力を語っていただきました。
※ライフハッカー・ジャパンからの転載
左:パーソナルシステムズ事業本部 CMIT製品部 部長 岡 宣明さん
右:エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーション営業部 市場開発担当部長 新井 信勝さん
日本HPが定める「AI PCの定義」は次の2つ。
MicrosoftのAI機能「Copilot」についてはご存じの方も多いと思いますが、2つ目のNPUとはなんでしょう?
従来のPCのプロセッサーには、演算処理を担うCPUとグラフィック処理を担うGPUが搭載されていました。
その2つに加え、日本HPのAI PC/モバイルワークステーションに搭載されている「インテル® Core™ Ultra プロセッサー」は、さらにNPUという処理装置も搭載しているのです。
NPUは継続的な処理が得意。AIアプリケーションだけでなく、オンライン会議ツールのように一定の処理を継続する作業についても、NPUが処理を担うことでCPU・GPUの負担を軽減させることができます。
インテル® Core™ Ultra プロセッサーは、NPUによるパフォーマンス向上だけでなく、CPUとGPUの性能も圧倒的に上がっています。
AIアプリケーション以外の処理についても、前の世代より大きく向上していることが魅力です。(岡さん)
さらにモバイルワークステーションには、これらの性能に加えて、グラフィックスの処理を行なう「ディスクリートGPU」を搭載していることや、AI PCに比べて大容量のメモリを搭載できるといったアドバンテージをプラス。
ディスプレイサイズも、14インチのほかに16インチモデルも用意され、より多くの選択肢からベストな一台を選ぶことができる点も魅力。大画面を使って、よりワイドに大きなデータを扱うこともできます。
モバイルワークステーションは、グラフィックや映像制作、そして建築や設計の業務で使われるCADといった、プロフェッショナル向けで大きな処理能力が求められるアプリケーションについても、さまざまな組み合わせで検証しながら開発しています。
業務で使うアプリケーションがきっちり動くことも、プロフェッショナルユーザーに支持されている理由です。(新井さん)
「普段の業務でそこまで高度な作業はないし、NPUは必要ないのでは?」「AIとか使ってないしなぁ…」と思っている方もいるかもしれません。
しかし実は、AI PC/モバイルワークステーションは普段使うアプリケーションのパフォーマンス向上においても、大いに役立ってくれるものなのです。
ZoomやTeamsといったオンライン会議ツールの利用中にPC全体のパフォーマンスが落ちた経験はありませんか?
特にこれらのツールに搭載されている「背景ぼかし機能」であったり「ノイズキャンセリング機能」にはAI技術が使われており、プロセッサーに大きな負荷がかかっています。そのためにPC全体のパフォーマンスが落ち、ほかのアプリケーションも固まってしまう、といったことが起こるのです。
AI PC/モバイルワークステーションなら、NPUを使ってオンライン会議ツールの映像・音声処理を行ない、CPUをほかの処理に使うなど、最適化によってパフォーマンスを向上させることが可能です。(新井さん)
オンライン会議ツールのほかにも、業務中つねに動いているセキュリティ関連のアプリケーションも、実はパフォーマンスを圧迫している場合があります。
AI PC/モバイルワークステーションならこれらの処理もNPUが担うことで、CPUやGPUのリソースを本来の業務にしっかり割くことができるのです。
これからはAIツールは当たり前になっていく
「オンライン会議ツールでもAIが使われている」というのは驚きでしたが、今後はAIがアプリケーションに組み込まれているのが当たり前になりそうです。
すでに多くのアプリケーションでAIは使われていて、それは今後加速度的に高まっていきます。
NPUを搭載したPCが普及してくると、NPU利用を前提としたアプリケーションがどんどん出てくるでしょう。今AI PC/モバイルワークステーションを購入すれば、そういったNPU対応のアプリケーションを最適なパフォーマンスで使うことができます。(新井さん)
AIを使ったアプリケーションのなかには、すでにNPUが搭載されていないと使えない機能も。
たとえば、Microsoft「Windows スタジオ エフェクト」は、どのオンライン会議ツールでも共通の映像処理が行なえる機能。設定しておけば、ZoomでもMicrosoft Teamsでも自動で「同じ背景ぼかし」などを適応してくれるありがたい機能なのですが、これはNPUが搭載されている端末だけに対応しています。
こういった便利な機能の恩恵をしっかり受けるためにも、NPU搭載のAI PCを選ぶことには大きなメリットがあるのです。