2024.10.31

いよいよ出揃った『AI PC』の最適解! HPの法人向けPC、フラッグシップモデル「HP EliteBook 1040 G11」

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生成AIブーム以降、やたら目にするようになった「AI PC」というワード。これはNPU(Neural Processing unit)を持つプロセッサーを搭載する製品にだけ与えられる名称となっているが、そもそも普通のPCとの違いはなんなのか、いったいどうやって選べばよいのか、悩んでいる方も多いだろう。そこで今回はAI PC製品群の中でも、筆者が特に注目しているモデル「HP EliteBook 1040 G11」を実際に使用してみたので、紹介していきたいと思う。

※本記事はTECH+にて掲載されたものです。

なぜAI PCが必要になるのか

生成AIがブームになってからずいぶん経ち、すっかりワードとしても定着した感がある昨今、最近になって良く聞こえてくるのが「AI PC」という言葉だ。単純な用語解説としては、もともとインテルが提唱した言葉で、その要件として「NPUを持つこと」、そのCopilotをワンアクションで呼び出すことができる「Copilotキー」を持つことが挙げられる。

すでに説明の必要がないNPUだが、これを持つプロセッサーの代表格が「インテル® Core™ Ultra プロセッサー」であり、要件となっている「Copilot」と最も親和性が高いのがWindows 11ということになる。つまり、インテル® Core™ Ultraプロセッサーを搭載したWindows 11マシンが、AI PCとなるわけだ。

しかし、これらの要件は理解できたとしても、なぜAI PCが求められるのかを知らない人は意外に多い。例えばChat GPTやCopilotは生成AIがクラウド上に構築されているサービスなので、インターネット経由でサーバに接続して使われるため、通常のPCでも快適に使うことができる。つまり、クラウドサービスの生成AIを使う分には特にAI PCでなくても問題ないわけだ。

しかし、企業や組織のように機密情報を学習させた生成AIを使いたいといったニーズがある場合には、簡単にクラウドにそのデータをアップロードすることができない。そんなことをしたら、うっかり他人が似たようなプロンプトを投げかけた場合、機密情報を参照し兼ねないからだ。

そこで、ここ最近特に注目されているのが、ローカルネットワーク内で使う「ローカルSLM」あるいは「ローカルLLM」といったテクノロジーだ。簡単に言えばインターネットとは切り離されたネットワーク内やローカルPC上で動く生成AIとなる。それらが学習するのは機密情報や個人情報、企業内のナレッジなどであるにも関わらず、情報漏えいの心配がなく、企業や組織にとっては自らの業務に関わるプロンプトに対し、もっとも適切な解答が出てくるのだから、業務効率化や生産性向上には最適なソリューションになるというわけだ。つまり、ローカルPC上で使う生成AIの活用にぴったりのコンピューターが「AI PC」ということになる。

徹底した電力効率の向上

「そんなこといっても、強力なグラフィックスがあれば生成AIなんて簡単にPC上で動くじゃないか」という人も当然出てくるだろう。もちろん、これまでの生成AIの学習や推論にはGPUが不可欠であり、時代の立役者でもある。しかし、GPUを使ったAI処理の場合、潤沢な電力供給が必要なことも知っているはずだ。

これを企業で採用されるノートPCに当てはめてみれば、生成AIを動かしたとたんにバッテリーがどんどん消費され、すぐに充電切れになってしまうだろう。インテルが開発した「インテル® Core™ Ultraプロセッサー」はこの課題を解決し、AI処理に特化したNPUに加え、CPU、GPUをバランスよく利用することで、圧倒的な低消費電力稼働を可能とした製品になる。つまり生成AIをローカルPC上で使っても、バッテリー消費は最小限に抑えられるというわけだ。

さて、前置きが長くなったが、そんなAI PCの中でも特に注目したいと筆者が思っていたマシンが「HP EliteBook 1040 G11」だ。どのようなポイントに着目していたのか、また実際に使用してみてどうだったのか、紹介したいと思う。

HP EliteBook 1040 G11(今回筆者がレビューしたモデルのスペック)

OS:Microsoft Windows 11 Pro
CPU:インテル® Core™ Ultra 7 155H(16コア、24Mキャッシュ、最大4.8GHz)
メモリ:32GB(オンボード、LPDDR5X)
ディスプレイ:14インチワイド(16:10)WUXGA 非光沢 1920×1200ドット
ストレージ:512GB M.2 SSD
Wi-Fi:インテル Wi-Fi 6E AX211
a/b/g/n/ac/ax + Bluetooth5.3
通信:SIM/eSIM(HP eSIM Connect対応)
サイズ:313.9×219.9×17.55㎜
重量:約1.235kg~(予定値)

HP EliteBook 1040 G11 製品詳細・スペック - ノートパソコン・PC通販 | 日本HP

HPの法人向けノートPCの最高峰モデル「HP EliteBook 1040 G11」

HP EliteBook 1040 G11は「Meteor Lake」世代のインテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 125Hもしくは135U、インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 155Hなどが選択できる、HPのフラッグシップモデルとなる。この製品を手に取って最初に感じるのはカラーと手触りの良さからくる圧倒的な存在感と所有感の高さだ。HPがいう「パワーとエレガンスを1つに」というキーワード通り、PCを使う喜びを感じさせてくれる仕上がりとなっている。重量としては約1.235kgとなってはいるが、デザインの良さから感覚的には軽さが目立つモデルだと感じる。

グレイシャーシルバーと名付けられたカラーを採用したデザインは高級感に溢れ、手にした瞬間からしっくりくる感じがたまらない

ディスプレイは14インチで、16:10の1920×1200ドットのパネルが採用されている。Webページの閲覧やドキュメント作りに効果的なサイズであり、非常に広く見えるため作業の快適性が際立つ仕様だ。

ディスプレイの発色もよく、非光沢パネルなので長時間の作業でも疲れは最小限だ

もちろん、HPではおなじみの米軍調達基準(MIL-STD-810H)に適合しており、自社テストもクリアしているので堅朗性は十分。キータッチも良好で、先に触れた「Copilotキー」もしっかり存在している。フラッグシップモデルということもあり、非常に高次元でまとまっている感が強く、PC本体のコストに見合う、いやコスト以上のパフォーマンスを感じさせてくれるモデルだと思う。

ALTキー右横に配置された「Copilotキー」。ワンアクションでCopilotを呼び出せる

なお、先に述べたバッテリー消費に関するスペックだが、ベンチマークソフトによる数値ではインテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー搭載モデルの稼働時間が最大約16時間40分、インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー搭載モデルの稼働時間は最大約20時間00分といわれている。このスペックを見る限り、よほど過酷な使い方をしない限り丸1日は持つと考えられるだろう。実際に使用してみた感覚でも、Web会議を1、2本はさんだぐらいの平均的な稼働状況でバッテリーが尽きることはなかったので、ほぼスペック通りと思ってよさそうだ。

左右のインターフェイスはこのようになっている

ライターお気に入りポイント1
「HP eSIM Connect」対応モデルがラインナップ

AI PCと言っておきながら最初に触れるのはちょっと気が引けるのだが、実は筆者はHPのこのサービスを使って以来、他のPCが使えなくなるほど使い込んでいる。もはや筆者にとって必須といえるそのサービスが「HP eSIM Connect」であり、もちろんHP EliteBook 1040 G11でも対応モデルを選択できる※LTE、5G/LTEの選択もできる

「HP eSIM Connect」はどのようなサービスなのか。簡単にいうと、PCを購入するとその代金に5年間、無制限にデータ通信が使える権利が付属しているというものである。もっとわかりやすく言えば、PCがスマートフォン感覚で、いつでもどこでも画面を開けば常にインターネットに接続されている状態になっているのに追加料金が掛からないという画期的なサービスなのだ。

実は筆者も当初、「テザリングやモバイルWi-Fiで十分っしょ!」と高を括っていたのだが、実際に使ってみるとこれが本当に便利。ちょっと使っただけで、テザリングをするひと手間や、モバイルWi-Fiと充電器というふたつのデバイスが不要になったことにより、フットワークは何倍にも軽くなることが体感できた。第一線で頼れる相棒となるPCにふさわしい武器となるので、HP eSIM Connectはぜひ手に入れてほしいサービスだ。

このサービスは物理SIMではなく、eSIMであることもメリット。管理が非常に楽で、初期登録も案内にしたがっていくだけで完了する。ちなみに法人のみ登録が可能となっているので注意

登録完了後はLTE、5G通信が可能となる。画面でご確認いただけるよう、キャリアは「au」だ

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