【導入事例・鹿児島市教育委員会(鹿児島県)】リモート授業を支えるPolyビデオバーが創るデジタル教育の豊かな未来
鹿児島市教育委員会
2026-01-21
デジタル教育の一環として採用が進むリモート授業。インターネット経由で音声と映像をつなぎ、リアルタイムの対話を可能とするテクノロジーを使った授業は新たな可能性を持ち始めている。リモート授業を効果的に広げていくには地域の教育委員会と学校、そしてテクノロジーを提供するITベンダーの協力体制が必須だ。ここではHPと鹿児島市教育委員会、現地の小学校の協力によって進化を始めたオンライン授業の実例について紹介したいと思う。
取材:中山 一弘
目的と手段
- より没入感が高く集中力が途切れないWebコミュニケーションを実現するソリューションの採用
- カメラアングルの自動制御やノイズキャンセリングなどの教育現場に必要な機能を提供するPolyビデオバーシリーズの導入
導入効果と運用
- 品質の高いオンライン授業の実現
- 容易なセッティングによる授業準備の負担軽減
- 大画面の電子黒板とPolyビデオバーの組み合わせにより、リモート授業以外の様々なアイデアの創出
鹿児島市の教育現場におけるWebコミュニケーションを振り返る
鹿児島市はこれまでもICT教育において先進的な取り組みを続けており、そのうちのいくつかはHPも事例記事として取り上げてきた。鹿児島市教育委員会を中心とした教育DXの歩みは途切れることなく続けられており、着実な成果を残している。「例えば、鹿児島市のデジタル教育にとってオンライン授業は重要な選択肢のひとつです。残念ながら、不登校の児童生徒も増えていますが、『誰ひとり取り残さない不登校支援』という目標を達成するためにも、オンライン授業は彼らに教育を届ける手段として非常に有効です」と語るのは鹿児島市教育委員会 教育DX担当部長 木田 博 氏(以降、木田氏)だ。
鹿児島市がオンライン授業を始めた当時はコロナ禍ということもあり、児童生徒は自宅にいて、教員が教室から授業を配信するというスタイルだった。しかし、コロナ禍が明けてからは教室には一定数の児童生徒がいて、教員はその中を動きながら授業を進めることになる。配信を受け取っている不登校の児童生徒からみると、教員がたびたび画角から外れたり、教室内の児童生徒の声が干渉し合って聞き取りづらかったりするので、リモートの生徒は授業に集中しにくい状況が生まれ始めたのだという。
「先生の動きに合わせてカメラが自動的に追従する機能や、発言者にズームアップする機能など、補助の先生がいればできそうなことを自動でやってくれる製品はないのか探しました。すると日本HPのPolyというブランドのビデオバーにそうした機能があることが分かりました」と木田氏。
同氏はすぐにHPへ連絡を取り、製品の説明を受けると同時に、実証実験の提案も受けたのだという。「鹿児島市内の桜峰小学校※と玉江小学校を対象にPolyのビデオバーを設置してもらいました。桜峰小学校は桜島にある30名程度の小規模校で、同じく桜島にある児童生徒数1名※の黒神小学校との協同授業のためにリモート環境を構築しました。玉江小学校は市内にある約700名の大規模校で、不登校の児童生徒を対象にしたリモート授業をメインに実証実験を行いました」と木田氏は説明する。
実証実験では、Polyのビデオバーが持つ、話者の自動追尾機能やクローズアップ機能を使い没入感の高い映像によるリモート授業の実現を確認し、そのほかにもカメラを使って見せたい資料などを大画面ディスプレイに投影して授業を進めるといったデジタルデバイス的な使い方も取り入れていた。
「Polyを導入したことで、各校がそれぞれ工夫しながら使っているようです。もちろん、鹿児島市教育委員会でもバックアップやサポート体制を拡充しているところなので、いろいろな実例をサンプルとして各校の先生方が活用できるように提供しています。オンライン授業をはじめ、様々な使い方の実例をノウハウとして積み重ねていくことで、活用の幅はさらに広がっていくはずです」と手応えを語る木田氏。
約7か月の実証実験を終えた現在、鹿児島市で義務教育を行う小、中学校118校(うち1校は休校中)に最低でも1台のPolyのビデオバーが導入されている。ビデオバーと同時に電子黒板や連携できるHPプリンターなども導入され、Webコミュニケーション環境の最適化が進んでいるのが現状だ。「今後は、オンライン授業の設定の仕方や上手な運用方法などの知見を深めていき、より効率よく手軽に使える環境を構築する必要があると考えています」と木田氏は直近の目標を語ってくれた。
木田氏との面談を終えた私たちは、同氏から鹿児島市の北部にある小学校でまさにオンライン授業を実施していると伺い、同校からも取材許可をいただくことができた。どのような成果があったのか紹介しよう。
ICT活用の好循環が始まっている鹿児島市の教育現場
鹿児島県 鹿児島市 花尾町は山間部に囲まれた盆地にある町で、人口約800人(※2020年)が暮らしている。源頼朝の御像と初代島津忠久公の生母である丹後局を祭った花尾神社や、山岳信仰の対象となっている花尾山などを持つ歴史深い地域でもある。
そんな花尾町にある鹿児島市立花尾小学校にもPolyのビデオバーが導入されており、すぐ南にある鹿児島市立南方小学校との交流にオンライン授業を活用しているのだという。「すでに試験的にオンライン授業をやったことはありましたが、2024年10月に『Poly Studio R30』が届いたことで、より積極的に活用していこうという機運が高まりました」と語るのは鹿児島市立花尾小学校 校長 猿渡 司郎 氏(以降、猿渡氏)だ。
今回、同校と花尾町に隣接した川田町にある鹿児島市立南方小学校が共同で実施するオンライン授業は算数となる。
授業はお互いの学校の所在地を示した1枚の地図から、学校同士がどれぐらい離れているのか、その距離を測るという内容だった。1本の県道沿いにある両校だが、その道は何か所もカーブがあるため、直線距離は測りにくい。それをどのようにして計測していくのか、縮尺から実際の距離を求めるにはどのような計算が必要なのかを求めるのが趣旨となる。
授業は担当の花尾小学校教諭 松尾 寛子 氏が教鞭をとる形で進められる。花尾小学校の教室にある電子黒板には南方小学校の生徒たちの様子が鮮明に映し出されている。授業が一区切りすると、両校の児童生徒が授業で出された設問の答えやどのような求め方をしたのかといった設問に対するアプローチを発表するのだが、Polyのビデオバーはきちんと発表者にクローズアップしたり、移動しながら話す先生をカメラワークで捉え続けたりと、デジタルテクノロジーで授業をきっちりサポートしている様子が見て取れる。
約40分の授業はあっという間に時間が過ぎ去り、先生から出された問いについても、全員が正解するという内容で終わることができた。オンライン授業の最中、活発な意見交換で何度か児童生徒らの声がぶつかることもあったが、先生のファシリテートで生徒が意見をやりとりする時は違和感なくコミュニケーションが取れていた。没入感ある映像も生徒たちは満足の表情だったので、今回のオンライン授業は成功といえるだろう。
先生、生徒が共に成長するオンライン授業を展開
「教鞭をとっていた松尾先生ですが、今回南方小学校とのPolyのビデオバーを使ったコラボレーションを発案したのはICT教育に苦手意識があった彼女だったのです」と笑顔で語るのは教頭の三宅 徹哉 氏(以降、三宅氏)。デバイスを身近に体感することで、苦手意識がなくなり、意欲的な活用へと意識を転換するチャレンジ精神は私たちとしても見習いたい姿勢だ。
「また、発表を行った生徒のひとりは、もともと小さめの声で話す子でした。しかし、私がセッティングをしている様子を見ながら、どのような場面でどんな話し方をすれば相手に声が届くのか、児童生徒たちがみんな考えてくれるようになったこともあり、その子も今回の授業で見られたように大きな声で発表するようになったのです」と目を細めて話す三宅氏。教諭も児童生徒も、デジタルデバイスを通じて成長し合えるのはまさにデジタル教育の理想形だ。
「規模も、立地も違うそれぞれの学校の中で、授業での活用を工夫することが学びを深める要素になっていることに私たちも手応えを感じています。Polyのビデオバーを導入した各校において、今後の展開も楽しみです」と鹿児島市教育委員会 学校ICT推進センター 指導主事 白土師 直弘 氏も手応えを語る。
「日ごろからICTデバイスを積極的に使う中で、『こんなことをやってみたい』という意見がたくさん出てきて欲しいです。Polyのビデオバーでどんなことができるのか、先生たちがチャレンジ精神を見せてくれているので、児童生徒たちもそれを受け取ってデジタルデバイスの可能性を広げてくれるとうれしいですね」と最後に猿渡氏は語ってくれた。HPは今後も鹿児島市教育委員会と、鹿児島市内のすべての学校をサポートしていく。
オンライン授業をはじめ、Polyビデオバーの様々な使い方の実例をノウハウとして積み重ねていくことで、活用の幅はさらに広がっていくはずです。
鹿児島市立花尾小学校 校長 猿渡 司郎 氏 教諭 松尾 寛子 氏 教頭 三宅 徹哉 氏
鹿児島市教育委員会 学校ICT推進センター 指導主事 白土師 直弘 氏
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