教育とICTセミナーにHPが参加!パネルディスカッション&ワークステーションセミナーも!その2
2025-09-29
2025年8月1日、2日の両日、大阪教育大学 みらい教育共創館にて、大阪教育大学と日経BPが主催する「教育とICTセミナー」が開催された。ICT教育の最新情報を届けるセミナーやブース展示も実施。会場には教育関係者をはじめ幅広い業界から来場者が訪れていた。HPはセミナーへの登壇とブース展示で参加しイベントを盛り上げていた。今回は、来場者の満足度が高かったセミナーの模様を2回に分けて紹介する。本稿では、HPの勝谷氏による講演『教員の「Future of Work」』をお届けしたい。
ワークステーションのプロフェッショナルによる教育ICT向けセミナー
この日のセミナーに登壇したのは、株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーション営業部 AI/データサイエンス市場開発担当部長 勝谷 裕史氏(以降、勝谷氏)だ。
校務を対象とした場合、生成AIにとっては小テストや問題文の生成、要約、アドバイスなどの文書生成が最も効果がある領域となる。校務をいかに効率化し、生産性を向上させていくのかをテーマに勝谷氏のセッションは始まった。
体感的に2025年春から本格的な生成AI活用について検討を始める企業が増えている印象があるという勝谷氏。「企業だけでなく、学校などからも多くの問い合わせが来ています。おそらく生成AIに関しては特定の業界向けということではなく、社会全体に広く浸透していくフェーズに入っているのだと思います」と同氏は語る。
実際に生成AIを使いたいと思った場合、導入にどれぐらいの期間が必要かという疑問が出てくる。「一般的にいえば、企業規模などにもよりますが、大体1年半程度をみていただければよいのかなというのが実感です」と語る勝谷氏。生成AIは買えばすぐに使えるというものではなく、入念な準備が必要なためそのような期間が必要なのだ。
「それぞれの企業や学校、あるいは自治体さまで持っているデータを生成AIで活用することが目的になりますが、そのままではデータがうまく使えないケースがけっこうあります。実際に本番稼働のフェーズになって試してみたが、想定していたほどには精度が出ていないとか、期待した結果が得られないというのが最初の段階になることが多いのです」と詳細を語る勝谷氏。このような問題を解決し、調整しながらブラッシュアップしていく必要があるため、先ほど述べたような1年半程度の時間は掛かるということなのだ。
また、導入コストに関してはどうだろう。「これは私自身の体感ということではなく、「日本情報システム・ユーザー協会」(https://juas.or.jp/)というところの調査によって、150社の回答状況から公表されている事例になります。それによると、およそ年間売上の1%がその企業での年間IT投資額になるという試算になっています。年間IT投資額の10~20%程度が、生成AIを導入する場合の投資額になるといわれているので、年1億円のIT投資があれば1,000万円~2,000万円程度が生成AI導入に関する投資額だと考えることができます。ただし、今後は年間IT投資金額のなかでの生成AIに関する投資額が増大すると、弊社では予測しています。その予想割合は30~50%程度と考えます」と分析する勝谷氏。これは企業の場合の例だが、教育関連組織においてもここから推計することは可能だ。
ローカル環境での運用に分がある生成AI活用
ローカル生成AI活用のメリットについて、勝谷氏は次のようにまとめる。「オンプレミスの環境で安全に自社のデータを読み込ませながら、細部まで適した状態にファインチューニングしていくことが可能になります。また、複数の生成AIのモデルを組み合わせて、独自のワークフローを作ることもできます」(勝谷氏)。
また、コスト面に関してはクラウド型のサービスと比べて大きな差があるという。「クラウド型のサーバーを利用した場合、為替による価格変動や、コストの決定権が海外企業にあることも多く、頻繁なメンテナンスにより使いたいときに使えない、あるいは快適でないといったケースも起こりえます」と語る勝谷氏。そのほかユーザーが多くアクセスする時間帯ではレスポンスが落ちるケースや、精度が落ちるといったことも多い。
ローカル生成AIを使うメリットで最後に触れたのは情報漏えいに関してだ。なお、クラウド型のサービスでも情報漏えいはないとアナウンスをしているケースは多いと前置きしつつ勝谷氏は解説を続ける。「とはいえ、こちらが利用している限り、サーバー上にデータは残ることになります。このサーバー上のデータが適正に消去されていなければ、情報漏えいのリスクは残ってしまいます。一方でローカル生成AIの場合には、インターネットにデータを上げることをしませんので、そこから情報漏えいすることはあり得ません。データセキュリティの面を重視するのであれば、ローカル生成AI一択になるのではないかなと思います。ただし、性能に関していうと、現状では規模の問題もあってクラウド型生成AIの方にまだ分があります」(勝谷氏)。
ラックサーバーよりもメリットが多いワークステーション活用
HPではローカル生成AI活用において、ワークステーションの利用を薦めている。「ローカル生成AIを利用する場合、ワークステーションは非常に有効なものになります。例えばクラウド型生成AIを動かすGPUサーバーと、弊社のワークステーションである『HP Z8 Fury G5 Workstation』を比較してみたいと思います」という勝谷氏は比較表を提示する。
「GPUサーバーの価格が2,600万円で納期が6カ月だとします。生成AIの処理性能に関してはTOPSという指標がありますが(TOPSとは毎秒の演算回数を示す指標)、ここでの例では2024年版のGPUサーバーで12,104TOPSになっています。さらにGPUサーバーなので、200Vの電源が必要になるため、自社に設置するとしても電気工事が必要になります」と語る勝谷氏。
同氏は続けて「一方、HP Z8 Fury G5 Workstationであれば100Vの電源で動作するため、本日デモで動かしているように普通に部屋に設置することができます。普通のデスクトップパソコンと同等の設置性なので、いつも使っていらっしゃるオフィスで利用することができます。ここで展示しているモデルの場合は、価格が1,200万円程度になりますが、その処理性能は14,044TOPSに達しています」と優位性を示す。
GPUサーバーと比較しても価格は約半分、性能は同等以上となり、コストパフォーマンスや扱いやすさの面でもワークステーションには大きなメリットがあることを証明した。「医療系や学校関係など、外部に患者さんや生徒さんの情報を絶対に漏らせないような場合にも、ワークステーションは有効だと思います。特に学校現場などでは、弊社のワークステーションであればZ2というモデルのレベルでも十分なことが多いと思います。また、デスクトップタイプだけではなくモバイルワークステーションもありますが、コスト面ではその方が導入しやすいということになります」と勝谷氏は語る。
その後、事例やデモを紹介した勝谷氏。「弊社では生成AIを使いやすくするための、各種ツールなどもご提供しています。それらもあわせて、生成AIの導入についてご検討いただければと思います」と語りセミナーを終了した。
校務に生成AI活用を考える上で、どうしても議論になるのはクラウドサービスを使うのか、ローカル環境を構築するかという点だ。個人情報を多く取り扱う学校や教育委員会などでは、やはりローカル環境での生成AI活用に分があるように思う。その時になって必要となる情報について網羅した勝谷氏の解説は多くの来場者の参考になったはずだ。HPではこのようなイベントやセミナーを随時開催している。最新情報の入手や相談がある方はぜひ参加していただき、直接HPスタッフに問い合わせていただきたい。
HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。
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組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。
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