2024.06.18
EDIX東京2024
2024年5月8~10日の3日間に渡り、東京ビッグサイトで開催された、日本最大の教育総合展「EDIX東京2024」。セカンドGIGAを控える中、各ベンダーが最新のGIGA端末や教育向けのソリューションなどを持ち寄り、一斉に情報発信をする日本最先端のイベントとなる。日本HPもこれに参加、注目の製品やソリューションを発表し、会場を訪れた関係者に注目されていた。今回はHPブースで開催された5つのセッションのうち、さつき株式会社による講演の模様をお伝えしよう。
さつき株式会社 ITソリューション事業部 糸永 直人氏
さつき株式会社からは、電子黒板の「ミライタッチ」が紹介された。「昨年 Google Japan 様より正式に ChromeOS Flex の認定を得ました。これまで1年間で2,000台ほどの販売実績がありますが、実はもう5,000台ほど売れておりまして、順次導入を進めている状況にあります」と好調をアピールする糸永氏。GIGAにおいて ChromeOS がシェアを高める中、ChromeOS ベースの電子黒板がさらに注目されていくことが予想できる。
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「電子黒板というと、プロジェクターを指すことが多かったですが、現在ではディスプレイ型が主流となり、お客様からもインタラクティブディスプレイを使用したいという要望が増えつつあります。従来の電子黒板はAndroidを搭載しているということが多かったのですが、弊社では ChromeOS Flex を搭載したデバイスを提供しております。Android機器を使用する場合、どうしてもセキュリティに関しては、追加でソフトを導入する必要があるなど課題がありましたが、ChromeOS Flex を採用することで、教育現場において、このような作業を行う手間も無くなりますし、追加コストもかかりません」と糸永氏は解説する。
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ChromeOS Flex を採用しているミライタッチは、児童生徒らが使っている Chromebook と同様に管理コンソールへ登録することができる。「電子黒板が盗まれるということはなかなかないかとは思いますが、万が一、内部のユニットなどが盗難にあっても心配はいりません。ネットワークに接続した瞬間に、遠隔で自動消去するように設定することも可能です」(糸永氏)。
続いて糸永氏は、ミライタッチに自身のアカウントでログインする様子をデモ。「Google ドライブにある資料を、これだけで共有することができますので、便利なポイントかと思います」と糸永氏は語る。
この ChromeOS Flex 搭載の電子黒板ミライタッチでは、どのようなことができるのだろう。「簡単にいえば『大きなディスプレイで Chromebook が使えます』というイメージです」と糸永氏は笑顔で語る。
いつも使っている Chromebook と同じことができるほか、電子黒板ミライタッチではミラーリング機能を使って、先生・生徒の Chromebook の内容を画面に無線投影することが可能。また、Chromebookと変わらない仕様のため、先生のGoogle アカウントでログインをすれば、既存環境を即座に復元し、PCレスで授業を行うこともできるというわけだ。
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さらに糸永氏はミライタッチのデモを続ける。「電子黒板ミライタッチにはいくつかの製品ラインアップがありますが、本日使っているモデルに関しては、Poly のデバイスが搭載されています。これと教室プリンター「HP Smart Tank」なども一緒に使うことで、さまざまな場面で活用することができます。リモート授業のメインデバイスとして使うことはもちろん、画面の内容を印刷することや、スキャンすることも可能です。さらにミライタッチでは、こういう場合に Google Keep というアプリケーションと連動することでOCRによる画面のテキスト化もできます。この場合、どれだけの精度でスキャンできるか、ということも重要ですので、組み合わせるプリンターの選び方も大切になってきます」(糸永氏)。
糸永氏はプリンターとの連携によるデモを続ける。「例えば朝、子どもたちが登校してきたときに宿題のプリントを持ってきたとします。そういう場合に、みんなの分をまとめてスキャンすれば、自動的に先生の Google ドライブにデータとして保存することができます。先生方はこのデータをミライタッチに表示しながら、画面に対してペンを使いながら採点や書き込みなどをしていきます」とミライタッチに接続されたプリンターに様々な紙データをスキャンさせながら解説する糸永氏。
採点された画面の取り込みが終わったらそのままデータで児童・生徒に返してもよいし、紙で確認したいというニーズがあれば、またプリントアウトして渡すことも可能だ。これにより教員らの採点業務なども効率的になり、授業の質と児童・生徒の満足度を上げていくこともできる。
「Google の機能で『スクリーンキャプチャ』というものがありますが、最近のバージョンでは動画も撮影できるようになっていますので、こういう操作などをすべて録画しておいて、手順書として配布することも可能です」と糸永氏は補足する。
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また、こうして取り込んだテキストデータを、Google ドキュメントに保存しておき、必要に応じて翻訳機能で英語や中国語などに変換することも可能だ。「読み上げ機能などもありますので、お知らせなどを多言語で作成しなければならない場合にも役立ちます。最近の学校では多国籍化も進んでいますので、こういった使い方にミライタッチを活用することもできます。大学などでも研究書や専門書を日本語に翻訳して、研究などに活用する事例も増えています」と語る糸永氏。デモ機は Poly のデバイスが付属するモデルなので、この製品ならオンライン授業や会議で同じような機能を使って、議事録などを作成することもできるのだという。
そのほか、子どもたちが「印刷したい」となった場合、プリンターの設定なども含めていろいろ作業するのは面倒だが、子どもたちが使っている Chromebook をUSB Type-Cで接続すれば、ミライタッチ側で制御することが可能となる。「ミライタッチ経由でプリンターも使用可能になりますので、簡単に印刷なども行うことができます」と糸永氏。
電子黒板ミライタッチとHP製品を一緒に使うことで、さまざまな場面で活用できるのは大きなメリットだ。HP 製の Chromebook との親和性も高いため、教育現場でもすぐに使えるシステムだといえる。
「弊社はモノを売るだけではなく、ソリューションとしてご提供することが可能ですので、ご要望に応じる形でカスタマイズしていくこともできます。今後ともさまざまなデバイスとの連携を進めていきたいと考えていますので、ご注目いただきたいと思います」と最後に糸永氏は語ってくれた。電子黒板ミライタッチはこれからの授業をより豊かにできる製品であることが来場者に十分伝わったセッションだった。
ChromeOS 、Google Workspace 、ChromeOS Flex 、Chromebook 、Google Keep 、Google ドライブは Google LLC の商標です。
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