2024.06.26
EDIX東京2024
2024年5月8~10日の3日間に渡り、東京ビッグサイトで開催された、日本最大の教育総合展「EDIX東京2024」。セカンドGIGAを控える中、各ベンダーが最新のGIGA端末や教育向けのソリューションなどを持ち寄り、一斉に情報発信をする日本最先端のイベントとなる。日本HPもこれに参加、注目の製品やソリューションを発表し、会場を訪れた関係者に注目されていた。今回はセカンドGIGAへ向け、Windows をアピールする Microsoft のブースを取材した。EDIX開催中に注目された数々のテーマを紹介していこう。
開催中、大勢の来場者が訪れた Microsoft ブース
日本マイクロソフト株式会社 笠倉 英知氏
「Microsoft ブースでは、特別セミナーや、Microsoft のスタッフらによるデバイスやソリューションの解説などをおこなっています。特に Microsoft のAIを使った『Copilot』を使い、様々なアプリケーションとの連携などには力を入れています」と解説する Microsoft の笠倉氏。
AIを教育に活用するといっても、漠然としていていイメージできないという人も多い。「そこで今回のブースでは、実際に操作などもしていただきながら、具体的にどのようなプロンプトで指示を出しているかを含めて体験していただけるようにしています」と笠倉氏。
児童生徒向けのソリューションとして、「Learning Accelerators」を展示した Microsoft 。こちらに関しては Copilot とは違う仕組みのAIが使われているのだという。「Copilot と比較し、小規模な言語モデルを採用しており、基本的に無料でご利用いただけるサービスとなっています」と笠倉氏は語る。
例えば英語学習などの場面では、児童生徒が話した内容を判断して、発音の違いなどを指摘してくれるなどの動作が可能だ。「学校現場にも英語ネイティブな講師さんなどがいらっしゃいますが、時間や人員の制限などがあります。そういう場面でも、AIベースのアプリケーションをご利用いただくことで、学習効果を高めることができます」と笠倉氏。
これまで小テストをいちいち作成していたような場面で、それをAIのアプリケーションに任せることで教員はその時間を別なことで有効に使うことができる。まさに児童生徒に「寄り添う」姿を目指したソリューションといえるだろう。
また、「Microsoft Designer」や「Clipchamp」などでも、生成AIを活用しながら作品を作っていくこともできる。ここで大切なのは、児童生徒向けソリューションの場合には、生成AIはあくまでもサポート役であるという点にあるのだという。「児童生徒の自由な発想力をサポートして、よりクリエイティブな環境を用意し、考えたことを形としてまとめられるようにするためにこれらのツールを活用することが大切です。作品としてまとめあげる場合にも、そこに至るまでの過程で幅広い選択肢を用意しています。児童・生徒の活動をサポートし、最終的には子どもたち自身が作り上げるものとなるように、教育向けソリューションでは配慮しています。Learning Accelerators は成長を促すための方策や、思考力・発想力を邪魔しないためのアプリケーションであるようにということです」と笠倉氏は語った。
今回のセカンドGIGAでは、教員の負担軽減、働き方改革もテーマとなっている。「例えば『Microsoft Bookings』は先生向けのアプリケーションとなりますが、こちらは保護者との面談スケジュールの調整などにお使いいただけるものです。簡単なイメージとしては、美容院の予約をするような感覚で、面談などのスケジュールの調整ができるものになっています」と説明するブース・スタッフ。
まず先生が基本画面を作成して、それを保護者と共有。保護者はそのリンク画面で空き枠などを確認しながら、希望枠を自由に選ぶことができる。そして希望する内容をメールすることで、自動的に教員側の Outlook にもスケジュールが連携され、ややこしい調整をしなくても面談スケジュールを組んでいくことができるのだ。これにより、従来は紙媒体をメインとしていた作業から解放され、校務負荷軽減にも貢献するのだという。
また、これらの機能は Microsoft らしく、様々なサービスと連携が可能だ。「中心となるのが『Microsoft Power Automate』という製品で、単純な作業を自動化することができるものです。例えば『Microsoft Forms』というアプリケーションに保護者の方が児童・生徒の体温管理のデータを書き込んでいるとします。そのデータを『Microsoft Teams for Education』で共有できるほか、Excel に連携することで自動的に集計表を作成することもできます。『Microsoft Power Automate』はノーコードで利用可能なので、誰でも簡単に扱うことが可能です」とブース・スタッフ。
これらはすべてクラウド上で扱うことができるので、先ほどの体温管理のデータなどであれば、保護者はクラウド経由で利用することができる。校務負担の軽減だけではなく、保護者にとっても簡単で効率的な仕組みが構築しやすくなるのは大きなメリットといえる。
「学校の先生方はいま非常に忙しい環境にあります。Office アプリケーションとの連携も完全にできますので、ちょっと思いついたことを Word に書き留めながら、Copilot も使いつつ最終的に PowerPoint のプレゼン資料にまとめていくようなことも可能です」と語る笠倉氏。
ビジネス分野での使われ方と近いモノがあるが、Copilot へのプロンプトでの指示をなるべく細かくすることで、より意図に沿ったものが簡単に作れるようになる。「資料などを100%自動作成ということにはならなくても、80%程度のものが自動的に作成できるようになっています。現段階でも、校務作業に対する時間短縮や負担軽減に大きく役立てることができます」と効果を語る笠倉氏。
Copilot については、Microsoft 365 を使っている環境であれば、基本的にそのまま利用することができる。「また、より高機能でさまざまなアプリケーションとの連携もしやすい『Microsoft Copilot for Microsoft 365』であれば、さらに活用の幅も広がってきます」と笠倉氏は語る。
教員はもちろん、地域を統括する教育委員会が利用できるビッグデータ解析ツールの「Power BI」を利用し、教育ボードとすることで、IDによるデータ統合やデータベースの一元化などを図ることも可能となる。「今回のブースでは、渋谷区教育院会さまの事例などをご紹介しております。ここでは『Microsoft Entra ID』を使いながら、安全で高度な管理をしています。将来的なビッグデータ管理などに対応するためにも、BIを使った有効なシステムだと考えています。GIGAスクール構想では国からの補助金もありますが、その予算内で何ができるのか。どういう製品を提供できるのかといったところも、Microsoft のブースではご紹介しています。『Windows マシンは高い』などの声をいただくこともありますが、実は補助金の範囲内でも『こういったことができますよ。こういう機器がオススメできます』といった情報も提供しています」と笠倉氏は語る。
もともと Windows デバイスは豊富なラインアップが各社から出ていることもあり、環境に応じて自由に選べる環境が整っている。「これからも認定パートナーさんなどとも協力しながら、さまざまな事例なども蓄積しつつ、使いやすいものを提供していきたいと考えています」と最後に笠倉氏は語ってくれた。
AIへの注目が集まる中、早くも具体案を提示してきた Microsoft には多くの来場者が興味を寄せていた。今後も Microsoft のソリューションを紹介していきたいと思う。
豊富な選択肢がある Windows PC 。HP 製品ももちろん展示されていた
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