2024.04.22
~運用の最適化で”見えない印刷コスト”も削減
この記事のポイント
日本HPの国内向けPC製品の製造拠点となっている「日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパーク」。HPの国内向けPC製品のほとんどはここで生産され、日本中のユーザーの元へと届けられる。ここでは、その生産ラインの一部としてHP法人向けプリンターを利用しているが、これらをどのように活用しているのか、責任者にインタビューしたので紹介しよう。
株式会社 日本HP 執行役員 サプライチェーンオペレーション統括本部 統括本部長 吉田 敦子氏
―― 日本HPでは東京生産をされていますが、どのような歴史を歩んでこられたのか教えてください。
1999年から操業を開始した旧コンパックのあきる野工場から、日本HPの東京生産は始まりました。2016年6月に東京都日野市にある「東京ファクトリー&ロジスティックスパーク」に工場を移転すると同時に、物流倉庫も統合しました。これにより、生産品質の向上と納期の安定化を実現しています。日本HPの「東京生産」は25年目を迎えることになりましたが、これからもサプライチェーン全体の品質向上を進めながら、日本のお客様のご要望にお応えしていきたいと考えています。
「東京生産」の拠点となる「日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパーク」
―― 東京生産にこだわられる理由と、先ほどお伺いした納期の安定化の具体的な効果についてお教えください。
HPのお客様の多くが東京または東京近郊に拠点をお持ちなので、地勢的にみなさまのニーズにお応えやすいことや、生産品質のフィードバックが早く得られることで、よりスピーディーに品質向上への改善に繋げやすいことなどが理由です。
また、納期という意味では、お申込みからお届けまで、「5営業日」を実現しています。社会的な製品へのニーズを先読みし、お客様が必要な製品をなるべくオンタイムでお届けできるように準備をしておくことも、この短納期を実現するポイントだと思っています。
もちろん、短納期でありながら、品質をさらに向上させる取り組みも続けています。検査基準はグローバルで定めた各項目を必ずクリアすることはもちろん、日本人らしいきめ細やかな品質保持という側面も融合させたオペレーションを創り上げています。デザイン面での目視チェックから専用機器を使ったデバイスの品質チェックまで、徹底的にこだわりぬいているのが東京生産だといえます。
さらに製品を作るには様々な部品を調達する必要がありますが、グローバルベンダーでもあるHPは購買機能を集約して、全世界から需要を集めて様々な製造企業と交渉しています。そういった意味ではスケールメリットも大きいため、高い調達力を保ち続けられるのも強みだと考えています。
厳格なチェック体制で品質向上を実現
―― 東京生産の短納期の理由やその背景がよく理解できました。こちらの工場では、HPの法人向けレーザープリンター「HP LaserJet Managed E60175dn」を導入されているそうですが、どのように活用していますか?またどのような要件があるのでしょう?
製造過程で必要となる紙媒体、例えば納品書などの印刷に使っています。製品が製造されてから、梱包されるまでの一連の流れの中で求められるのは、生産ラインを止めない高速な印刷と、故障が少ない堅牢性や耐久性です。
製品を作る工程のすべてで生産を止めないための印刷速度と堅牢性が求められる
また、万が一の故障の際には迅速にサポートを受け、すばやく復旧させる必要があります。さらに、トナー切れによるプリンター停止などが起こらないようにすることも大切です。現在、本工場ではこのような印刷の要件を満たすプリンターとして、毎分75枚の高速印刷が可能な「HP LaserJet Managed E60175dn」を利用し、信頼のおける生産ラインを実現しています。また、ハードウェア利用だけではなく、サプライ品を含む印刷環境全体を包括的にサポートする「HP MPS(Managed Print Service)」を採用・導入しています。
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HP MPS(Managed Print Service)のメリットの代表例
―― 製品の特性だけでなく、運用にも配慮が必要なのですね。HP MPSはどのようなきっかけで導入したのですか?
プリンターが停止してしまい、私たちの製品をお待ちいただいているお客様にご迷惑をおかけするわけにはいきませんので、まずプリンターには故障時の最適な対応とサプライ品の安定的な調達が必須でした。さらに複数台のプリンターを利用しているので、交換用トナーの在庫管理には常に気を配っておく必要があり、管理にかなり工数を擁しており、この点も改善する必要がありました。このようなポイントを打開できるソリューションないかと考え、自社サービスのHP MPSを導入することになったと聞いています。
HP MPSを導入していれば、トナー残量に応じて拠点に交換用トナーが自動配送されます。ですから、工場側でトナーの在庫を気にする必要がなくなり、プリンター管理者の負担をかなり軽減できました。 また、故障時にもHP MPS専用の窓口があるので、スムーズかつスピーディーに対応してもらえます。
―― HP MPSをご利用になって、どのような点が印象に残っていますか?
HP MPSによってトナー切れの心配がないので管理者はとても安心だと言っていました。ただし、故障時の対応については、これはうれしいことなのですが、歴代のHP法人向けレーザープリンターを使ってきましたが、入れ替えまでの約5年の期間中に故障をしたことがないためサポートは使ったことがないと聞いています。
管理者がトナーや用紙を管理することへの負担といった見えないコストは大きく削減できているのは確かだと思います。また、万が一、故障してもすぐに直しに来てくれるという安心感は、レーザープリンターを直接使っている社員にとっては、業務に集中できる信頼感に繋がっていると思います。さらに、MPSはトナー単価ではなく印刷1枚単価での請求なので、コストを平準化できることも管理上のメリットとして感じています。
HP製品の物流拠点でもある日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパークには、HP MPS専用の集積機能もある。こちらは契約企業向けに集められたトナーなどのサプライ製品群が出荷を待っているエリアだ。
―― 最後に東京生産に興味を持ったいただいたみなさまに一言お願いします。
HPとしてはお客様が必要とされるときに、高品質な製品をお届けするのが使命だと考えています。そういった意味では東京生産は日本のお客様にとっても大切な拠点だと思うので、これまで通り、品質と早さを追求していきたいですね。
それと、まだ詳しいことは言えませんが、一部の製品については「5営業日」よりも短い期間でみなさまにお届けできるようにしたいと考えています。これにより、みなさまのさらなる調達へのニーズに対してお応えしたいと思います。(取材時2024年2月)。
―― ありがとうございました!
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