HPと楽天が協業し、HPのPCに「Rakuten AI」を導入
2025-12-02
2025年11月11日(火)、日本HPと楽天グループが共同記者発表会を開催、HPが日本全国で販売するPCに、先進的エージェント型AIツール「Rakuten AI」のデスクトップ版の導入に関する協業に合意したことを発表しました。ここでは、発表会でわかった概要をレポートしましょう。
フリーランスライター:山田祥平
オンラインとオフラインがサポートされるハイブリッドAIとしての「Rakuten AI」
今回の協業によって、両社は国内のHP製PCのユーザーに対し、生産性向上および意思決定を後押しできるように、包括的にサポートすることを目指します。施策のスタート時期としては、2026年春から夏にかけてが予定されています。サービスイン後は、日本国内におけるHP製の個人と法人向けデバイスに「Rakuten AI」がプリインストールされた状態で順次販売される予定です。具体的には、ゲーミングPCを除く個人向け、法人向けPCのすべてにダウンロード/インストール用のショートカットが実装され、エンドユーザーは、そのクリックで、「Rakuten AI」をインストールして使えるようになるそうです。
他社デバイスにアプリとして「Rakuten AI」が導入されるのは初めてです。しかも、今回のデスクトップ版は、オンデバイスAIによりオフラインでもオンラインでも利用できるWindowsアプリです。
発表会冒頭に挨拶に立った楽天のGroup Chief AI & Data Officer(CAIDO)であるティン・ツァイ氏は「まだ始まりにすぎないAIの未来への大きな一歩をHPと共に踏み出せることをうれしく思います。今、楽天が取り組んでいるAI-nization(エーアイナイゼーション)は、まさに、AIの力で人間の創造力を高めるチャレンジです。AIを単なるツールとして考えるのではなく、常に寄り添ってくれるアシスタントとして捉えることで、人間の創造性を高めるためによりいっそう役立つ存在になってくれると信じています。
そのためにも、まずは、基本的な技術基盤の構築をしっかりとしておくことで、AIエージェントが楽天のエコシステム全体に波及して各種のサービスを使いやすくすることを目指します。
また、今回は、クラウドとオンデバイスでのハイブリッドでRakuten AIが提供されます。信頼性、パフォーマンスはもちろん、経済性の面でもユーザーフレンドリーな存在です。今回の日本HPとの協業の先には、楽天モバイルのeSIM連動などについても考えています。どうかご期待ください」とコメントしました。
また、続いて登壇した日本HP代表取締役社長、執行役員である岡戸伸樹氏は、日本HPと楽天との関係は2010年12月以来だとし、日本HP公式オンラインショップのHP Directplus 楽天市場店をサービスインさせたときのHP側責任者が同氏であったと前振りしたうえで、「あれから約15年を経て、AIという戦略的な領域において今回のアライアンスを発表できました。今回の取り組みは、エッジデバイス上のAIの力とクラウドAIの機能を組み合わせるハイブリッドAIという、これからのAIのあるべき姿を両者が共有できたことによるものです。PCにAIを実装するノウハウを持つHPが、Rakuten AIのアプリ実装にあたって、その開発アドバイザーとして参加できることをうれしく思います」と述べ、Windows 11 とHP Wolf Securityのようなセキュリティ面、さらにはHP Polyが提供するオンラインコミュニケーションなど、フルスタックに精通したベンダーとしてのHPの優位性をアピールしました。
「Rakuten AI」はどんなAIなのか
現時点(2025年11月現在)で、Rakuten AIは有料でライセンスされ従量課金が設定される法人向けのクラウドサービスとしての「Rakuten AI for Business」と、無料で利用可能なウェブサービスと楽天モバイルの「Rakuten Link」に実装されている個人向けサービスがあります。
日本語に特化した大規模言語モデルである「Rakuten AI」は、「楽天独自の70億パラメーター(7B)規模の日本語・英語対応大規模言語モデル」であるとされ、7B規模のAIモデルを楽天が自社で開発・運用していることが公式発表されています。
来年春から夏にかけて、そのAIが「Rakuten AI for Desktop」と呼ばれるWindowsアプリとしてHPのPCにもれなく実装されるようになります。PCの要件としては基本的に40TOPSのAI処理能力が求められます。いわゆるCopilot+ PC相当の性能がなければオフラインの処理はできません。ただし、クラウドサービスとしては、ローエンドの製品でも利用できるようにする予定だとのことでした。
AIの開発主体が楽天グループであることで、日本語に特化して最適化され、データ管理は日本国内、楽天グループ内で行われることが保証されています。また、同社の各種サービスとの連携も可能です。現時点でのRakuten AIは法人向けは有料ですが、今回のHP PCにバンドルされるものについては、当面は、無料での提供となり、コストを気にすることなく、存分にAIを利用できる環境がHP PCの大きな付加価値として得られることになります。
まとめ
来年の春から夏にかけて予定されているHP PCへのRakuten AIバンドルは、サービスインまでまだ時間があります。ご存じの通り、AI技術は日進月歩で進化していますから、半年という期間があれば驚異的な変化を遂げるでしょう。
発表会では、数台のHPノートPC上でRakuten AIの動作デモンストレーションが披露されました。進化のスピードを考慮すると、半年以上先の正式リリース時には、デモをはるかに凌駕する機能が搭載されているに違いありません。本サービスのスタートに、大きな期待を寄せて心待ちにしましょう。
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