Windows11 HPはビジネスにWindows11 Pro をお勧めします

2024.08.09

Copilot+ PCをいち早く試してみた~HP EliteBook Ultra G1q AI PC編

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Microsoftによるパソコンハードウェアの新たなカテゴリクラスとしてCopilot+ PCが誕生しました。AIを活かすために必要な諸要件を満たすWindowsパソコンが、Copilot+ PCとしてMicrosoftのパートナー各社から出荷されています。日本HPも、ビジネス向けのノートパソコンとして、7月上旬以降、受注開始予定でHP EliteBook Ultra G1q AI PCを展開します。ここでは、その概要を見ていきましょう。

フリーランスライター:山田 祥平

HPのビジネス向けパソコンの新たなブランディング

HPのビジネス向けパソコンは、2024年5月にそのブランディングがElitebook、EliteStudio、EliteDeskに集約されました。U、X、8、6、4、2がパフォーマンスラインを示し、4と2は特別に「Pro」が接頭辞として付加されます。最高峰のUラインに位置づけられるHP EliteBook Ultra G1q AI PCはこの規則に基づいた初のデバイスのひとつです。

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出典:HPのビジネス向けPCのブランディング

また、次世代のAI PCであることは、新たなロゴ「HP AI Helixロゴ」がそれを示します。このロゴはパワフルで意味のある、そして安全なAI体験の提供を示すものだそうです。DNAのらせん構造を思わせるかたちでAIのDNAをデバイスへ組み込むことを象徴しています。

DNAのらせん構造を創造させる「HP AI Helixロゴ」

日本HPのCopilot+ PCをさっそく使ってみた

手元に届いた実機は新色のアトモスフィアブルーを採用した筐体でした。汚れがつきにくいPVD(物理蒸着)コーティングで仕上げられているとのことで、MIL-STD-810Hに準拠する抜群の耐久性を備えているそうです。

厚みは14.22ミリ、重量は1.35キロ以下で、いわゆる薄軽モバイルAI PCにふさわしい持ち歩きの負担が少ないノートパソコンです。

Microsoft Copilot+ PCはAI活用を前提に最適化されたWindowsパソコンのハードウェアです。Microsoftが定義する各種要件を満たした各社の製品がCopilot+ PCを名乗ることができます。手元に届いた発売前のHP EliteBook Ultra G1q AI PCは、いちはやく市場に登場した製品のひとつです。

そもそもCopilot+ PCとはどのようなハードウェアなのでしょう。

具体的にはMicrosoftはCopilot+ PCを名乗るための最小要件を規定しています。これは、Windows 11の最小要件に次のような要件を加えたものです。

  1. 承認されたリストのプロセッサーまたはシステム オン チップ (SoC)。 承認された一覧には、ニューラル処理ユニット(NPU)と 40 兆以上の 1 秒あたりの操作(TOPS)が組み込まれているプロセッサーまたは SOC のみが含まれる。
  2. RAM: 16 GB DDR5/LPDDR5
  3. ストレージ: 256 GB SSD/UFS 以上のストレージ デバイス

2024年夏の時点で1の要件を満たすSoCはQualcomm® Snapdragon® Xシリーズだけです。Windows パソコン用のプロセッサーの老舗としてはIntelやAMDの存在が有名ですが、まずは、スマートフォン用のSoCで知られるQualcomm®がその先陣を切りました。

今回のHP EliteBook Ultra G1q AI PCも、そのSoCとして シリーズの上位モデルQualcomm® Snapdragon® X Eliteを搭載しています。

バッテリでの実運用時間に驚く

スペックの詳細を見ていきましょう。

  • Qualcomm® Snapdragon® X Eliteプロセッサー
  • Windows 11 Pro
  • 1.349kg
  • 14インチ光沢 2.2K (2240 × 1400) WLED (White LED)、タッチ、ブルーライト軽減、超広視野角 (UWVA) 300 nits、ダイレクトボンドタッチスクリーンパネル (DBTSP) 、100% sRGB
  • Qualcomm® Adreno™ グラフィックス
  • 16GB LPDDR5x 8400
  • 512 GB - 1TB PCIe® NVMe Value SSD / 512 GB - 1TB PCIe® NVMe SSD
  • ポートとコネクタ:右側 USB-A 3.2 Gen2 (HP Chargingサポート )、ステレオヘッドフォン /マイクコンボジャック 左側 USB Type-C® 10Gbps × 2
  • 5MPカメラ、IRカメラ
  • Poly Studioオーディオ、デュアルステレオ スピーカー、デュアル マイク

Windows 11のバージョンは、既存のWindows環境にはまだ配布されていない24H2です。このバージョンには各種のAI対応アプリが含まれ、稼働しているのがCopilot+ PCであることが検知されると、これらのAI機能が有効になります。

SoCはCPU、GPU、NPUが統合され、GPUとNPUは約8GBのメモリを共有しています。

左側面にはUSB Type-Cが2ポート、右側面にUSB-Aが1ポートあります。どちらも10Gbps対応ですが、USB4やThunderbolt 4には対応していません。またHDMIポートがありません。

14インチの光沢タッチディスプレイのアスペクト比は16:10です。HPは3:2のアスペクト比を推進してきましたが、今後は16:10へと舵を切り直すのでしょうか。

Wi-FiのハードウェアにはQualcomm FastConnect 7800 Wi-Fi 7 High Band Simultaneous (HBS) Network Adapterが使われています。世界初のWi-Fi 7対応ソリューションです。また、このシリコンにはBluetoothも含まれ、Bluetooth 5.3、LE Audio、ANT+、Snapdragon Soundなどをサポートします。

搭載されているバッテリはHP Long Life 3-cell, 59 Wh polymerです。筐体に電源供給のためのDC-INポートはありません。USB Power Deliveryによる給電で本体内蔵バッテリを充電します。

過去において、いろいろなビジネスノートを使ってきましたが、このプラットフォームは、アイドル時の消費電力が異様に低いようです。となればもっとも電力を消費するのは液晶のバックライトといったところでしょうか。使わないときはこまめにディスプレイを閉じてスリープ状態に落とせば、永遠に近いといっても大げさではないくらいにバッテリだけで運用できます。従来のビジネスノートパソコンなら、負荷の低い作業しかさせず、こまめにスリープや休止状態に落としたとしてもこうはいかないでしょう。ちなみにカタログスペックとしては約26時間のバッテリ駆動時間が記載されています。

NPUを使ったAI処理を試してみた

さて注目のAI機能を見ていきましょう。

Copilot+ PCは、Windows 11をベースにし、

コクリエイター: 標準アプリのペイント内で稼働し、テキストプロンプトと実際の描画をもとに画像を生成

自分で描いたセンスのないイラストを、テキストプロンプトを使って補完、創造性を調整してほしかった画像を完成させる。AIに作業させるたびにNPUが100%使われているのがわかる。

ライブ キャプション: PCで再生される音声をリアルタイムで字幕表示する。英語以外の言語は英語への翻訳も可能。他翻訳先言語への対応は先送り。

日本語なら日本語の字幕に、日本語を英語に翻訳して字幕表示することもできる。翻訳の他言語対応も進められる予定。これらの処理はオンデバイスのAI処理で行われる。

リコール : 3~5秒ごとにアクティブな画面のスナップショットを定期的に保存し、スナップショットから欲しいファイルを簡単に探し出して、編集作業を再開したり、閲覧していたWebページに再度アクセスしたり、他のアプリケーションでも利用するためにスクリーンレイで、画像やテキストをハイライトしてコピーすることができるようになる。

といった機能が提供されます。なお、Microsoftは、「リコール」について「2024年6月18日にCopilot+ PC向けに広く提供されるプレビュー体験から、今後数週間以内にWindows Insider Program(WIP)から提供されるプレビュー体験へと移行します。Windows InsiderコミュニティからのRecallに関するフィードバックを受けた後に、すべてのCopilot+ PCでRecall(プレビュー)を利用できるようにする予定です」としています。

Copilot+ PCのRecallプレビューに関する最新情報 - Windows Blog for Japan

Copilot+ PCのWindows 11そのものは既存のものと同じですが、Copilot+ PC上での稼働が検知されるとこれらの機能が有効になる仕組みです。

HP EliteBook Ultra G1q AI PCは、これらのほかに、オーディオのAIによるノイズ除去、AIによるマイク入力のノイズリダクションを有効にできます。

HP AI Companion(Beta)

さらに、HP独自のAIアプリとして、HP AI Companion(Beta)が付属します。アプリの説明としては、

「使用者にピッタリな AI 支援を提供し、より簡単に生産性を維持できるようにするパートナーです。

自宅から生成検索を利用し、すぐに望む回答を得ながら、Discoverer が厳選した業界フィードで AI に関する最新情報をすべて把握することも可能です。分析を使用すると、独自のソースを安全に使用して、ドキュメントの比較、インサイトのクエリ、非公開のライブラリから To Do リストの草案の作成などができます」

と記載されています。なお、このAIはCopilotなどで使われているOpenAIのChatGPTとは別のAIのようで、HPによって提供された専用のものだと「本人」、つまりHP AI Companion(Beta)自身が回答します。

また、100MBまでのPDF、Wordドキュメント、テキストファイルをアップロードしてライブラリ登録し、その情報に基づいたAI生成を活用することもできます。さらに、AIを利用してデバイスを最適化する機能もあわせて提供されています。

Windows標準のAIアシスタントと併用できるHP AI Companion(Beta)。限られたドキュメントを元に、その内容についてのコミュニケーションもできる。

Windows スタジオ エフェクト: 内蔵Webカメラ映像のAI処理による制御、補正

カメラもAIを活用します。Poly Camera Proはあらゆる会議アプリやストリーミングアプリに仮想カメラを提供し、そのカメラ機能を高度化、スポットライト、背景ぼかし、背景画像、オートフレーミングなどをNPUを使ってAIで制御します。同じカメラをWindows スタジオ エフェクトを使って制御できます。多くの処理をNPUが担います。これによって、CPUがバッテリを過度に消費することなく、高い生産性が得られます。この機能はUSB接続された外付けのカメラにも対応可能です。

本体内蔵のカメラは1つだけだが、仮想的に2つのカメラがあるように見える。片方はWindows スタジオ エフェクトによる制御下にあり、もうひとつは、Poly Camera Proの制御下にあり、さまざまな制御ができるようになっている。その処理がNPUに委ねられる。

AI処理をNPUにオフロード

卓越したバッテリ駆動時間が得られるのもNPUの恩恵です。AI処理の多くをNPUに委ねることで、その処理に使う電力量を大きく削減できるからです。

すでにAI処理はパソコンを使う多くの場面で欠かせない存在になっています。NPUを持たない従来型のパソコンで、同じことができないわけではありません。CPUやGPUはAI活用にも重要な役割を果たす実力を持っています。でも、そのために必要な電力は多大なものとなるでしょう。

バッテリ駆動によって、いつでもどこでも活用できるモバイルノートパソコンとしての実用性を維持しながら、最新のAI処理によって生産性を高めることができる環境、それがCopilot+ PCとしてのHP EliteBook Ultra G1q AI PCであるといえるでしょう。

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

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Windows 11 Pro+HP ビジネスPC

ハイブリッドなワークプレイス向けに設計された Windows 11 Pro は、さらに効率的、シームレス、安全に働くために必要なビジネス機能と管理機能を搭載しております。HPのビジネスPCに搭載しているHP独自機能はWindows 11で強化された機能を補完し、利便性と生産性を高めます。

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