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新病院への移転に伴い電子カルテ環境をシンクライアント化
約2カ月間の短期間で構築し運用管理の効率化、業務継続性を向上
医療法人社団 おると会 浜脇整形外科病院

 
新病院への移転に伴い電子カルテ環境をシンクライアント化
約2カ月間の短期間で構築し運用管理の効率化、業務継続性を向上

広島市内にある整形外科の総合病院、医療法人社団 おると会 浜脇整形外科病院。同院は新病院への移転をきっかけに、電子カルテ環境のシンクライアント化を実現した。プロジェクトのスタートは2011年4月。新病院の開業日である8月中旬を目標に、医療活動を止めないことを最優先に移行作業は進んだ。短納期ではあったが、約2カ月間の動作検証期間を設け、事前に課題を整理した。同院の担当スタッフは兼務の2名。パートナーのアルファテック・ソリューションズのサポートを受け、予定通り開業日に本稼働。運用の効率化、業務継続性の向上、セキュリティの強化を実現している。

整形外科の総合病院を目指して35年

広島市の中心部にある整形外科の専門病院、浜脇整形外科病院。同院は地域住民にとってなくてはならない存在だ。1日あたりの外来患者数約500名(病院/リハビリセンター)、1日あたりの入院患者数約142名、年間手術数1,684例(外来含む)、救急車年間台数1,118台(1カ月あたり93台)など2010年度の実績からも地域住民が寄せる厚い信頼がうかがえる。

「1978年に開業して以来、目指してきた整形外科の総合病院という理想に、近年、ようやく近づいてきました。現在、脊髄、関節、一般外傷、スポーツ外傷・障害、リウマチといった部位別専門医を中心に看護師や理学療法士が連携して質の高い医療を提供しています」と同病院の院長であり整形外科医のM脇 純一氏は話す。

35年という年月は流れたが、同院の理念「和をもって地域医療に従事します。忠恕(ちゅうじょ)の心(真心と思いやり)をもって患者さんに接し信頼される質の高い医療を目指します。職員は職場に夢と誇りをもちます」はいまも変わることはない。「当院では専門性やモチベーションの向上を図るために医師や看護師、コメディカルの各担当に対し学会での研究発表を奨励しています。また日本整形外科学会の研修病院として国内はもとよりインドネシアなど海外からの研修生も受け入れています。医師と理学療法士による地域講習会の開催や地元実業団チームへのトレーナーの派遣など地域との交流も活発です」(M脇氏)。

同院では、1997年に外来診療を行う施設を設置し、いち早く病診分離に取り組んでいる。2004年には、診療機能を一層高めるために外来診療施設の浜脇整形外科リハビリセンターを新築、2011年8月には、入院・救急医療を行う浜脇整形外科病院を新築、さらなる機能分化を実現した。

新病院は、病床数160床(一般病床)、一床あたりの床面積も拡大し耐震や水害対策なども施されている。 理念を大切にしながら、患者のためになることであれば積極的に取り組む姿勢はICTの活用でも顕著だ。2003年、電子カルテシステムも市内の病院としてはいち早く導入した。「私は、算盤の時代の人間ですから、当初はとまどいもありましたが、一度慣れたらこれほど便利なものはありません。手術室で、あのレントゲンが必要だというときもすぐに見ることができます」(M脇氏)。

今では同院の医療活動を支える電子カルテシステムだが、新病院への移転前には導入年数の経過に伴う、パソコン端末の運用管理の負荷増大が大きな課題となっていた。

医療法人社団 おると会 理事長
浜脇整形外科病院 院長
M脇 純一 氏

医療法人社団 おると会
経営企画課 主任
後藤 淳 氏

医療法人社団 おると会
経営企画課 副主任
吉田 修 氏

目的

  • ・クライアント端末故障時の対応工数の削減
  • ・クライアント端末へのアプリケーション変更作業の効率化
  • ・クライアント端末の持ち出しによる情報漏洩リスクの軽減
  • ・トラブルや端末故障時における業務継続性の向上

アプローチ

  • ・仮想ソフトウェアHyper-V、デスクトップ仮想化ソリューションCitrix XenDesktop™を採用し電子カルテ環境をシンクライアント化
  • ・VDIサーバー(HP ProLiant DL360 G7)は1台あたり40台の仮想デスクトップを搭載し、最大240台まで拡張可能
  • ・シンクライアント端末としてHP t5570 Thin Client、HP 4320t Mobile Thin Clientを採用
  • ・HP Device Managerを活用し1つのマスターのイメージを150台のシンクライアント端末に適用

システムの効果

  • ・導入前と変わらない使い勝手を実現。ログインもユーザーIDとパスワードと操作は同じ
  • ・VDIサーバーの1台に障害が発生しても200台が同時利用できる冗長構成を実現
  • ・現在、150台同時接続が可能、最大240台まで柔軟かつ簡単に拡張可能
  • ・メール配信システムの導入により障害の検知から問題解決までを迅速化
  • ・端末の集中管理によりメンテナンスや障害発生時の作業負荷も大幅に軽減

ビジネスへの効果

  • ・シンクライアント端末にはデータが残らないため、端末の持ち出しによる情報漏洩リスクが軽減
  • ・端末の故障時は、代替機と交換するだけで業務継続が可能。運用管理性と業務継続性が向上

新病院への移転をきっかけにシンクライアントシステムを導入

同院には専任の情報システム部門はなく、各部署から選出されたスタッフが兼務で対応している。現在のシステム担当は、経営企画課のスタッフ2名だ。

「パソコン端末は壊れたら交換という運用をしていましたが、導入から7年が経過してトラブルは増加傾向にあり、直近の半年間では80件くらい発生していました。OSや電子カルテの再インストールは1台で半日程度かかるので、それが2台、3台と続くと日々の業務は回りません。また予備も潤沢にあるわけではなく、最終的には私たちの端末を提供するという苦肉の策もとっていました」と、経営企画課 主任 後藤 淳氏は振り返る。

こうした課題を解決するために着目したのがシンクライアントだった。「運用管理の効率化や業務継続性の観点から、シンクライアントについて情報を集めて検討しました」(後藤氏)。シンクライアントは、セキュリティ対策ソフトウェアや医療辞書などのアプリケーションをサーバー側で一元管理できることから、アプリケーションの更新作業や故障時の入れ替え作業の効率化が図れる。また、セキュリティ向上への期待もあった。「パソコン端末は鍵のかかる部屋に置いていましたが、日々の業務の中では施錠が徹底できない場合も多々あります。データが残らないシンクライアント端末であれば、万一持ち出されたとしても個人情報漏洩の心配はありません」と、経営企画課 副主任 吉田 修氏は語る。

後藤氏と吉田氏は、院長や経営層に向けて、新病院への移転のタイミングに合わせたシンクライアントシステムへの移行についてプレゼンテーションを行った。「コスト削減の面では具体的な数字に落とし込むことは難しかったのですが、運用管理の効率化、業務の継続性、セキュリティの強化など先を見据えて採用を決断していただきました」(後藤氏)。

2011年4月、プロジェクトはスタート。周辺の病院でシンクライアントシステムを導入した事例はほとんどなく手探りの状態だった。プロジェクトのパートナーとなったのは、ヘルスケア分野にも強いITインフラソリューションプロバイダー、アルファテック・ソリューションズである。「アルファテック・ソリューションズには電子カルテシステムの導入を支援していただいていたので、当院のシステム状況や運用体制などを熟知されており、非常に心強かったです」(吉田氏)。

約2カ月の短期間で構築、動作検証によりスムーズな移行を可能に

救急病院としての役割を果たしている同院は、24時間365日、常に動き続けている。シンクライアントシステムへの移行で最優先したのは医療活動を止めないことだった。また医療現場に負担をかけないために、導入前と比べて使い勝手が大きく変わらないように留意した。しかし、最大の難関は時間だった。新病院の開業日2012年8月12日まで約4カ月。このタイミングは外せなかった。

移行を確実に行うためにも、動作検証は時間がない中でもしっかりと実施する必要があった。「アルファテック・ソリューションズに検証環境をつくってもらって約2カ月間、不具合などをチェックしました。アプリケーションベンダーとの連携はもとより、シンクライアントの知識や情報が不足している私たちをきめ細かくサポートしていただき、とても感謝しています」(後藤氏)。

検証の結果、既存のアプリーションや周辺機器の動作は問題ないことが確認できた。課題となったのは画像データの活用だった。「電子カルテを使う以上、医療画像管理システムの画像データは不可欠です。これもアルファテック・ソリューションズに対応をお願いし、利用可能になりました」(吉田氏)。その後2カ月間の構築、現地作業を無事終え、シンクライアントシステムは新病院の開業日に本稼働した。管理サーバーとなるHP ProLiant DL360 G7の上に、仮想ソフトウェアHyper-Vを活用してシンクライアント関連の仮想サーバーを集約。また、デスクトップ仮想化ソリューションにCitrix XenDesktop™を採用し、仮想デスクトップのOSイメージを集中管理するProvisioning Serviceを導入することにより、すべての仮想デスクトップをひとつのOSイメージで運用可能とした。VDI (Virtual Desktop Infrastructure)サーバーにはHP ProLiant DL360 G7を6台使い、1台に仮想デスクトップ40台を搭載し、最大240台まで拡張可能に。またシンクライアント端末には、デスクトップタイプのHP t5570 Thin Client、モバイルタイプのHP 4320t Mobile Thin Clientを採用した。

今回、アルファテック・ソリューションズはハードウェアにHP社の製品を提案した。製品の性能や信頼性はもとより、シンクライアント端末からサーバーまで幅広いラインアップの中から最適な組み合わせを選択できることや、リモートからHPシンクライアントを一元管理する無償ツールHP Device Managerの利便性を高く評価していたからだ。HP Device Managerは、シンクライアントのイメージ配布やシステム設定の変更などを集中管理でき、短期間での大量導入はもとより拡張や変更が容易に行える。

業務継続性の向上、アプリケーション更新作業の効率化、省スペースを実現

業務継続性の向上、アプリケーション更新作業の効率化、省スペースを実現

今回のシンクライアントシステムの導入により業務継続性が大きく向上した。VDIサーバー1台に障害が起きても200台が同時利用できる冗長性を実現。またユーザーと仮想デスクトップは1対1の関係ではないため、ある仮想デスクトップで障害が発生した場合も再接続さえ行えば、別の正常な仮想デスクトップで業務継続が可能だ。

電子カルテシステムでは、これまで監視システムを導入しておらず、問題解決に時間を要していたという経験から、今回、アルファテック・ソリューションズの提案で、障害を検知し同院の担当者にメールを配信するシステムも導入した。
「システムの障害を迅速に把握して自分たちで対処できるかどうか、瞬時に判断し、対応が困難であればアルファテック・ソリューションズに連絡して問題解決にあたってもらう。24時間365日システムの安定稼働を支える体制を確立できました」(吉田氏)。

使い勝手の面では導入前と変わらない操作性を実現した。「ログイン画面は多少変わりましたが、仮想マシンを利用するためにユーザーID、パスワードを入力するのは従来と同じです。また、セキュリティ上、USBメモリの利用は原則禁止していますが、夜勤や空いた時間での資料作りで電子カルテの画像などが必要になるときは、Citrix XenDesktopのポリシー管理機能を利用してUSBの利用を許可しています」と後藤氏は話す。

モバイルシンクライアントを持ち歩き、社内のどこからでも仕事が可能に

Provisioning ServiceによるOSイメージの集中管理では、ウイルス対策ソフトウェアのセキュリティパッチの適用や管理でその効果を実感したという。「これまではパソコン端末がある場所に出向いてセキュリティパッチを適用していましたが、自席にいながら1つのマスターに反映するだけで全端末に適用 できるようになりました」(吉田氏)。
デスクトップの小型化により省スペース化も図れた。「本体がデスクトップの後ろ側にセットされているため、デスクの下もスッキリしました。ホコリの影響を心配する必要もありません」(後藤氏)。
また、同等スペックのパソコン端末と比べ、シンクライアント端末は1/4以下の消費電力となる。
現在、病院内では150台の利用があり、省電力の効果も大きい。
今後の構想について、「浜脇整形外科リハビリセンターへの展開を検討しています。またiPadやスレートPCの稼働テストも行う予定です。アルファテック・ソリューションズには変わらぬサポートとともに、シンクライアントシステムも含めて医療へのIT活用に関する情報の提供をお願いします」と後藤氏は話す。
本取材の最後は、M脇氏のこの言葉で締めくくる。「高齢化社会を迎え、地域の病院間での連携の必要性が高まる中、当院が重要な役割を果たすためには、夢と誇りがもてる病院であり続けなければなりません。それは、患者さんのために力を尽くすことに他なりません」。 身体が動くことは元気の源。運動機能に関わる整形外科の総合病院として、救急医療機関として、浜脇整形外科病院は今日も地域住民の元気で健康な生活を支えるべく全力を注いでいる。

浜脇整形外科病院
所在地
広島県広島市中区大手町 4丁目6-6
開業
昭和53年1月 浜脇整形外科病院開設
昭和54年12月 医療法人社団おると会 浜脇整形外科病院開設
診療科目
整形外科/リハビリテーション科/リウマチ科/麻酔科
病棟数
4病棟
病床数
一般病床160床
(急性期84床・亜急性期36床・回復期リハビリテーション40床)
従業員数
290名(平成23年10月現在)
施設
浜脇整形外科病院(入院・救急医療)
浜脇整形外科リハビリセンター(外来診療)
はまわきデイケアセンター
URL
http://www.hamawaki.or.jp/mobile
アルファテック・ソリューションズ株式会社
本店所在地
東京都中央区新川1-28-25 東京ダイヤビル3号館
設立
昭和46年2月
事業内容
ITインフラシステムの企画・設計、開発・構築、導入・展開、保守・運用
特にヘルスケア分野においては、電子カルテやオーダリングシステムを支えるサーバー、ストレージおよびシンクライアントといったインフラシステムに加え、ポータルや文書管理、ワークフローなど情報共有を実現するシステムも提供
資本金
10億円
従業員数
282名(平成23年4月1日現在)
URL
http://www.alphatec-sol.co.jp/
  • ※本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。予めご了承下さい。
  • ※Windowsのエディション、またはバージョンによっては、ご利用いただけない機能もあります。 Windowsの機能を最大限に活用するには、ハードウェア、ドライバー、およびソフトウェアのアップグレードや別途購入、またはBIOSのアップデートが必要となる場合があります。 Windows 10は自動的にアップデートされ、常に有効化されます。 ISPの料金が適用され、今後アップデートの際に要件が追加される場合もあります。 詳細については、http://www.microsoft.com/ja-jp/ をご覧ください。
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