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2024.04.24

インテル® Core™ Ultraプロセッサーの登場により、真のAIモバイルワークステーションが生まれる――インテル×日本HPが語るAI元年のハードウェア事情

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インテル® Arc™ グラフィックスでISV認証を取得し、モバイルワークステーションのラインナップを拡充

岡本氏:NPUに関してはセキュリティソフトで大きな効果が期待されています。サイバー攻撃の巧妙化・複雑化に伴い、セキュリティソフトのCPU使用率は増大しており、バックグラウンドのAI処理を含めて10%~20%のリソースが使われることもめずらしくありません。こうした処理をNPUに肩代わりすることで、CPU使用率が1%程度に下がったという検証結果も出ています。

佐近氏:セキュリティやコラボレーション関係を中心に、バックグラウンドでAI処理を走らせるケースは今後ますます増えていくはずです。そこに複数の業務アプリケーションを立ち上げると、全体的にPCの動作は重くなってしまい、モバイル用途ではバッテリーの持ちも気になってくるでしょう。そこで、 Core Ultra搭載のモバイルPC、モバイルワークステーションを選択することの価値が生まれます。

大橋氏:ハードウェアの進化に伴い、モバイルワークステーションのポートフォリオは広がっています。かつてモバイルワークステーションといえばパフォーマンスや拡張性のみが重視され、サイズや重量は二の次でしたが、数年前から14インチや16インチサイズでもビジネスノートPCと変わらない薄型軽量のモデルもリリースしています。今回さらにNPUを搭載したCore Ultraを採用したことで全体的なパフォーマンスも底上げされており、いわゆるデザイナーやクリエイターだけでなく、ビジネスユーザーにとっても有効な選択肢のひとつとなりました。

岡本さん、佐近さんが話されたように、AI機能を搭載するツール・サービスは増え続けており、ビジネスユーザーに快適な業務環境を提供するという意味でも、今後モバイルワークステーションを選ぶ価値はあると思います。

株式会社 日本HP
エンタープライズ営業統括
ソリューション営業本部 本部長
大橋 秀樹 氏

もちろん、建設業界など既存のモバイルワークステーションを利用してきたユーザーにとっても、 Core Ultra搭載モデルには、単にCPUの世代が変わったことに留まらないインパクトがあるはずです。デスクトップモデルの代替ではなく、低消費電力+高い処理性能で“モバイル”としての強みが活かせることは、乗り換えを決断する大きな要因となるのではないでしょうか。

佐近氏:NPUはAI処理に特化したハードウェアですが、Core Ultraではグラフィックス性能も向上しており、GPUを使う処理が短時間で終わるようになります。このためAI機能を使わないアプリにおいても、省電力効果が期待できます。

大橋氏:今回のArcグラフィックスでは、多くのアプリケーションでISV Certifications(ISV認証)を取られており、ここも最新モバイルワークステーションを選択するうえでのポイントと捉えています。当然ながらワークステーションではソフトウェアとの相性が重要で、ISV認証は必須といえるでしょう。これまではディスクリートGPU在りきだったものが、内蔵GPUモデルでも認証を取れるようになったことは、コスト面での導入ハードルを下げる効果があると思います。もちろん日本HPでも、ディスクリートGPUなしのモデルをラインナップに加えています。

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佐近氏:可搬性が高く、さまざまなシーンで効果的に利用できる新時代のモバイルワークステーションが登場したことで、ハイスペックを突き詰めた製品ではなく、コストと性能のバランスに優れたオールラウンダーな製品がほしいというユーザーのニーズに、ようやく応えられるようになったと、私は実感しています。

ローカル環境でAIを活用したいというニーズに応える、真のAIワークステーションという選択肢に注目

インテル株式会社
セールス & マーケティンググループ
ビジネスクライアント・テクニカル
・セールススペシャリスト
佐近 清志 氏

佐近氏:AI専用エンジンを搭載したPCを採用するメリットのひとつとして、ローカル環境でAIワークロードを実行できることも挙げられます。クラウド上でデータを置くことに不安感を抱く企業は多く、ローカルでAI処理を行うことはセキュリティ、プライバシー保護の強化という面においても大きなメリットになるでしょう。AIモバイルワークステーションならば、クラウドと比べて応答性にも優れており、電力効率の面でも優位性があります。

先日、あるイベントで、大規模言語モデル(LLM)を用いたチャットボットをローカル環境で動かすデモがあったのですが、そこでは25GBの言語モデルを、OpenVINO modelへのコンバートと量子化を行って約5GBにまで圧縮しており、非常にレスポンスが早く、快適にやり取りすることができていました。飛行機や電車での移動中など、安定したインタ-ネット接続が行えない状況のなか、ローカル環境でAI処理を行いたいというニーズは増えてくると予想しています。

そのなかでCore Ultraを搭載したモバイルワークステーションならば、ローカル環境でAIを活用するメリットを最大化できると考えており、インテルでもこうした世界の実現を目指して活動を続けています。

大橋氏:確かにクラウドの利用がAI導入の障壁となっている企業はまだまだ多いと感じます。その意味では、NPUを搭載するモバイルワークステーションは、現状を打破してAI活用を促進するための鍵になると思います。

オンプレミスでクラウドライクなAI活用を行いたいというニーズに対しては、ハイエンドのデスクトップワークステーションをバックエンドに配置して言語モデルを学習・蓄積し、そこに対してNPUを搭載したモバイルワークステーションからアクセスするといった使い方も有効ではないでしょうか。

これにより、データの秘匿性や利用コストの増大といったクラウドの課題を解決し、より効率的なAI活用が可能です。実際、クラウドが提供するGPUリソースにも限りがあるため、AI開発環境をスピーディに構築できないケースも増えてきており、こうした事情を鑑みれば、デスクトップワークステーション+モバイルワークステーションという組み合わせは、アリなのではないかと考えます。

佐近氏:確かに、ローカル環境でのAI活用を“コストカット”と捉えるパートナーも増えてきています。特に新興ISVでは、クラウドのGPUリソースをふんだんに利用するサービスで利益を出すのは難しく、すでにクラウドAIとローカルAIの棲み分けが始まっていると感じています。

先に話が出たとおり、今はまさにAI元年であり、今年から来年にかけて膨大な数のAI機能が世の中に出てくると思います。その意味では、“Future Ready”、未来を見据えた準備として、NPU搭載のモバイルワークステーションへの切り替えを検討する時期が来たと捉えることができます。

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岡本氏:インテルが、Wi-Fiモジュールを組み込んだモバイルPC向けプラットフォーム「Centrino(セントリーノ)」を世に出したときには、Wi-Fiの必要性が認知されていませんでしたが、いまでは誰もが毎日、あたりまえに利用しています。AIの世界も同様で、NPUへの最適化は急速に進んでいくでしょう。現状ではNPU非対応のAI機能しか利用していない企業であっても、Core Ultraを搭載した“真のAIモバイルワークステーション”は、導入に値する価値を提供してくれるはずです。

大橋氏:日本HPでは、今後もインテル様と協業し、デスクトップ・モバイルの両軸でAIワークステーションを展開していきたいと考えています。本日はありがとうございました。

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