2022.06.23

ITEM2022 国際医用画像総合展イベントリポート

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2022年4月15日から17日に開催された「2022国際医用画像総合展(ITEM2022)」。最新医療、画像機器、周辺機器を一同に集め公開するイベントで、当日は大勢の医療関係者が訪れ大変な賑わいを見せていた。HP ワークステーション製品を採用している企業も多く出展したので、ここではそのうちの7社を紹介したいと思う。

1. PSP株式会社

注目ソリューション:PACS「EV Insite net」

企業URL:https://www.psp.co.jp/

営業統括本部 販売促進・海外営業部 販売促進課 課長代理
福地 勝 氏

営業統括本部 販売促進・海外営業部 販売促進課
日比野 志保 氏

医療画像系ソリューションを提供するPSP株式会社のブースで紹介されていた製品の一つはPACS(医用画像管理システム)「EV Insite net」という製品で、CTやMRI等の医用画像をひとつのサーバに集約し、院内のあらゆる場所からすべての画像が参照できるサービスを提供するとのこと。「EV Insite net」のデモにはHP Z2 Towerが使用されていた。

PACSを導入することで、例えば診療室の先生、ナースステーションにいる看護師、手術中に画像を確認したいときなど、すばやく目的の画像を参照できる。また、カスタマイズ性が高く、ユーザー毎で任意に細かな設定ができるため、読影をなさる先生がストレスなくスムーズに画像が参照できるという特徴を持っている。

4月に株式会社NOBORIとの合併をし、今後はPHR(パーソナルヘルスレコード)事業の更なる展開も目指し、患者様自身の詳細な医療情報を、スマートフォン等を通して、いつでも参照が可能になるとのことで期待が高まる。

「これらのサービスには高性能なワークステーションが必須です。HPのワークステーションはパフォーマンスが高いだけでなく、デザインも優秀なので先生方からの評判がとても良いです。また、ラインアップが豊富なので導入先のシステム規模やニーズに合わせて柔軟な機種選定ができるのも魅力だと思っています。シャープマーケティングジャパン株式会社による機器の保有や保守対応により安心してビジネスの全国展開をすることができています。すでに多くのHPワークステーションを導入してきましたが、これからも良いお付き合いができるとうれしいです。」と高い評価をいただいた。

2. ザイオソフト株式会社

注目ソリューション:イメージングインテリジェンス Ziostation REVORAS

企業URL:https://www.zio.co.jp/

代表取締役 茅野 秀介 氏

優れたソフトウェア開発技術で多くの医療機関へ最適なソリューションを提供しているザイオソフト株式会社のブースでは新製品「Ziostation REVORAS」が紹介されていた。この製品は、CTやMRIなどの画像データから3次元的なリアルな描写で組織を描出するほか機能の解析やシミュレーションなど診断や治療に貢献するソリューションで、高度で複雑な処理が必要なためHP Z6が使用されていた。

今回新たに搭載された最新のレンダリングエンジンでは、これまでにない人体の描画が可能となっており、骨や臓器だけではなく、筋肉や腱といった組織まで緻密で精細に表現することができるようになった。

また、同じ血管である静脈と動脈や造影剤を使用していない臓器も個別に自動識別するといったこともできるとのこと。高度な解析や画像表現がシンプルな操作かつ短時間で行えるため、これまで熟練が必要だった複雑な臓器の状態も把握しやすくなり、画像診断や手術計画、患者説明にいたるまで、医療画像をより幅広い分野で支援することもできるようになるのだそうだ。

「本製品はコンピューターへの負荷が高いソリューションとなるため高性能かつ高可用性なワークステーションは必須です。こちらではHPのワークステーション製品であるHP Workstation Z6を使用していますが、優れた処理能力と毎日使っても安定動作が期待できる点で弊社でもおすすめできるワークステーションとなっています。3Dワークステーションの応用範囲はますます広がっています。医療現場の日々の業務を支えるソリューションとして、私たちは今後もより良い製品を提案していきます。」と信頼の高さを伺うことができた。

3. EIZO株式会社

注目ソリューション:患者情報を一元管理、先進の読影環境のご提案

企業URL:https://www.eizo.co.jp/

ヘルスケア営業部 HIS/PACS営業グループ 次長
平野 充 氏

企画部 マーケティングコミュニケーション課 主事
山本 真弓 氏

あらゆる分野に向けたモニター製品を提供しているEIZO株式会社のブースでは、最高の読影環境を提案する医用画像モニターソリューションが紹介されていた。デスク袖の収納スペースにも収まるHP Z2 Miniや在宅ワークの際に簡易接続可能なHP ZBookなど、用途に合わせて様々なHPワークステーションが使用されていた。

スイッチを押すだけで上下動可能なデスクと、多面搭載が可能なアームの組み合わせによって、さまざまなシステムの患者・画像情報を一元的に表示しつつ、座っての閲覧はもちろん立ちながらでも一覧できる読影環境が紹介されていた。

マルチモダリティ表示に最適な超高解像度12メガピクセルモニター「RadiForce RX1270」はもちろんのこと、37.5型のウルトラワイド曲面モニター「FlexScan EV3895」のように患者のあらゆる情報を一覧表示できる超高解像度モニターのニーズも高まっているとのこと。

「当社の医用画像モニターは長年に渡りHPの医療・ヘルスケア向けワークステーションと互換性検証を実施し、双方Webサイトで情報公開しています。この活動は多くのお客様から、描画能力を十分に発揮できる安定した読影環境の構築に役立つと言われています。近年は医療システムの統合化が進んでいることもあり、ワークステーションを含めた情報の一元化や、それらを一覧表示できる高解像度モニターのニーズも高まっています。弊社はこれからもあらゆる環境にマッチした製品をお届けしていきたいと考えています。」との意気込みを伺うことができた。

4. コニカミノルタジャパン株式会社

注目ソリューション:CXR finding-i、AeroDR TX m01/ KINOSIS、FINO.REPORT

企業URL:https://www.konicaminolta.com/jp-ja/

ヘルスケアカンパニー IoT事業統括部 病院戦略部
横内 義人 氏

医療業界で長年X線関連のソリューションを提供し続けてきたコニカミノルタジャパン株式会社のブースでは、HP Z2 Towerで稼働するAIを使った診断支援サービスの紹介がされていた。肺野における病変の見落とし防止や確信度向上を目的としており、近年のコロナ禍においては、肺炎に関しても注目度が高まっている。

肺の病変が、肋骨の重なりや、心臓の裏に隠れてしまうような場所にある場合は、読影時に見逃してしまう可能性もあり、確信度の高い所見に繋がるよう、AIによる解析結果を活用した「CXR Finding-i 」や、胸部レントゲン画像を動態で見ることができる「KINOSIS」、医用画像を一元的に統合する「FINO.VITA.GX」のようなPACSが医療の現場で求められているとのこと。

「今回ご紹介しているソリューションは、医療機関に対して、より確実な診断支援を可能とします。また、複数のシステムの結果が統合管理できるので、医療業務全般の効率化も実現できます。HPのワークステーションは特に統合システムのクライアントあるいはビューワーとして活躍してもらっています。メイドインジャパンのハイクオリティが期待でき、調達力も高く、サポートも充実しているため、ワークステーション運用に置いて大きな信頼感があると感じています。今後も共に医療業界の発展に貢献していきたいと考えています。」と信頼の高さを伺うことができた。

5. アレイ株式会社

注目ソリューション:Preludio quattro

企業URL:https://www.array.co.jp/

セールス・サポート部 マネージャ
山田 隆 氏

セールス・サポート部
児玉 美樹 氏

医療や科学技術、産業用画像システム分野で様々な製品をリリースしているアレイ株式会社のブースでは、患者の医療データが入ったCD/DVD-ROMを最大4枚同時にインポート、医療機関のデータサーバへ転送することができる「Preludio quattoro」が紹介されていた。

スペースが限られている医療現場の実運用性を考慮し、この製品はディスクドライブ、キーボード、マウスが不要な専用タッチパネル、そして超小型ワークステーションHP Z2 Mini Workstationという省スペース性が追求されている。オプションで、患者情報のデータ格納を知らせるレシートプリンターと患者情報を読み取るバーコードリーダーが取り付けられ、業務に必要なすべてがコンパクトに備わっている。

「通常のパソコンには1基の光学ドライブしか搭載されていないケースがほとんどなので、それと比較すれば一度に4倍のデータが読み取れることになります。他院からの患者データは画像ファイルをはじめ、増加傾向にあるのですでにご導入いただいている医療機関の皆様からはとても好評です。HPのワークステーションは省スペースでありながら、ハイパフォーマンスでメモリもたくさん積むことができるので、このソリューションとはベストマッチだと思います。省スペースへのニーズはこれからも高まってくると思うので、今後もHPと一緒に全国の医療機関へ向けて様々な提案をしていきたいと考えています。」と意気込みを伺うことができた。

6. エレクタ株式会社

注目ソリューション:MOSAIQ、Monaco

企業URL:https://www.elekta.co.jp/

マーケティング統括本部 本部長
渡辺 洋平 氏

がん治療のソリューションを展開するエレクタ株式会社のブースでは、化学医療や手術、放射線治療といった、いわゆるがん治療における3大治療を包括的にサポートするソリューションのデモをHP Z2 Mini G5 Workstationを使用して紹介されていた。

「MOSAIQ」は放射線治療や化学療法に必要な情報を一元的に管理し、効率的ながん治療を実現する部門システムである。手作業や複数システムが介在することが多く、ヒューマンエラーの起こりやすい環境において、統合するシステムとして注目されている。

また、治療計画システムの「Monaco」は、高精度な線量計算やスクリプト機能を生かした自動処理や「MOSAIQ」とのワークフロー統合により承認プロセスを効率化させている。これらのソリューションによって、治療を続ける患者や医師たちの負担を最小限にしつつ、安心安全で効率のよい医療が実現できるのだという。

「HPのワークステーションはこれらのシステムで、クライアント・サーバ両方で活用しています。豊富なラインナップから医院の規模やニーズに合わせた製品が選べるのがとても魅力で、省スペース型から複雑な画像処理や計算に対応するスペックまで、幅広く対応できる点がHPの強みだと感じています。また最近では2in1タブレット製品へのニーズも高く、HPの法人ノートPC製品などを含めて、ご提案することもあります。医療現場のモバイル化は今後も進んでいくと思うので、これからもニーズをくみ取った製品展開をしてくれるとうれしいですね。」と期待の高さを伺うことができた。

7. 株式会社千代田テクノル

注目ソリューション:Oncentra Brachy、フレキシトロンHDR

企業URL:https://www.c-technol.co.jp/

左から
アイソトープメディカル事業本部 アイソトープメディカル営業部 メディカル営業支援課 主務
鶴 明信 氏

アイソトープメディカル事業本部 アイソトープメディカル営業部 メディカル技術課 執務
首藤 咲 氏

アイソトープメディカル事業本部 アイソトープメディカル営業部 メディカル技術課 主務補
藤村 洵貴 氏

取材支援:管理本部 購買部 商品管理課 副主事
廣岡 正哉 氏

放射線治療において主に密封小線源治療に必要なRALS(高線量率リモートアフターローディングシステム)治療装置、計画装置これにともなうQA/QC製品ラインナップをお持ちの株式会社千代田テクノルのブースでは、治療装置である「フレキシトロンHDR」に加え、日本人に合わせた豊富なアプリケータが展示されていた。

がんに対して高い線量で照射を行い、周囲の正常組織には線量を低く抑えることができる放射線治療カテゴリーの中でも、同社の製品は的確にがんに放射線照射を高精度に行うことができるシステムとして支持されているのだという。近年、子宮頸がんの放射線治療では通常の腫瘍近くへのアプリケータ挿入に加えて腫瘍に直接刺入するハイブリッド治療も進み、そうした最先端治療への対応が進んでいるとのこと。

「HPのワークステーションはこれらの治療を実際に行う際の治療計画装置である「Oncentra Brachy」に採用させていただいています。放射線治療はアプリケータ挿入から、画像撮影、治療計画、治療と約1、2時間の限られた時間内に治療を行わなければなりません。HP Z8なら、データ処理が実にスムーズなので、最適なワークフローが実現できます。施設ごとのニーズに合わせたカスタマイズが可能な点など、今後も柔軟に対応いただけることに期待しており、お互いに医療界に役立っていけるよう協力していければと思っています。」と高くご評価いただいた。

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DX化が急速に進む医療業界において、様々な企業が安心・安全な医療の実現のためのソリューションを展開された「2022国際医用画像総合展(ITEM2022)」。すべてのブースでインタビューを実施することはできなかったが、HPのワークステーションを採用されている一部の企業にインタビューをさせて頂いた。

高まるグラフィック性能など高性能への期待だけではなく、医療分野であるからこそ省スペース性や業務を止められないことから安定稼働への期待が高いことがすべての企業様に共通したデバイスへの期待であった。HPはその期待に真摯にお応えすることで、医療の発展を支えられている皆様を陰ながらご支援していく。

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※記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。

※本書に含まれる技術情報は、予告なく変更されることがあります。

※記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。

※記事事項は2022年5月現在のものです。

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