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HP Workstation 導入事例紹介
株式会社サンジゲン

 

HP Workstation 導入事例
3DCGアニメーション「ブラック★ロックシューター」の独特な世界観を創りあげる

  ”セルライクであること”を信条に3DCGアニメーションを創り続ける株式会社サンジゲン

ブラック★ロックシューター

© 株式会社サンジゲン

インターネット上で発表された1枚のイラストから始まった、話題の注目作「ブラック★ロックシューター」。制作を手がけるのは、品質の高い3DCGアニメーション作品を数多くリリースしている株式会社サンジゲン(以下、サンジゲン)だ。

テレビ枠で全8話が放映されているこの作品について、CG作画部テクニカルディレクター金田剛久氏(以降、金田氏)、同じくリードアニメーターの名倉晋作氏(以降、名倉氏)、石川真平氏(以降、石川氏)、撮影監督・映像演出 山田豊徳氏(以降、山田氏)にお話を伺った。

  独特の世界観を持つ作品を描く、高い技術力と創造性

株式会社サンジゲン CG作画部テクニカルディレクター 金田剛久氏
株式会社サンジゲン
CG作画部テクニカルディレクター
金田剛久氏


撮影監督・映像演出 山田豊徳氏
撮影監督・映像演出 山田豊徳氏
リードアニメーター 名倉晋作氏
リードアニメーター 名倉晋作氏

リードアニメーター 石川真平氏
リードアニメーター 石川真平氏

「3DCGアニメーション制作をおこなっている弊社ですが、作画のアニメーションと変わらないテイスト、”セルルック”であることに力を入れています」と語る金田氏。話題の注目作「ブラック★ロックシューター」でも、その姿勢は取り入れられている。「人間の表と裏の物語。そんなテイストの作品の中で、裏の世界の部分をすべてCGで再現しているのです」と名倉氏は言葉を続ける。

「今回の作品では、特に1話の冒頭に入っているオープニングシーンには力を入れましたね」と語る石川氏。裏の世界を疾走するブラック★ロックシューターをイメージ着けるシーンだけに、アニメーターとしての熱も入るのだという。「約1分半の間、ノーカットでシーンを繋げましたからね」と名倉氏も笑顔で語る。

表世界で描かれる少女達のふれあいや葛藤と違い、裏の世界では激しいアクションシーンが繰り広げられる。今回の作品では、多くのアニメーション作品を手がけてきた、今石洋之氏(以降、今石氏)をCG特技監督に迎え、より魅力のある描写を目指した。「アクションシーンを作る際には、今石氏と打ち合わせを繰り返しました」と石川氏。

通常のアニメーション作品の場合、ラフに動きをつけたものを用意し、その段階からカットについて議論する。ブラック★ロックシューターの制作においては、ラフを作る前の絵コンテの状態から、アニメーターとCG特技監督である今石氏が直接話し合って、カットを決めていったのだという。「演出的な部分も含めて、個々のアニメーターが直接担当しているのが、この作品の特徴でもあると思います」と、山田氏も新しい取り組みに手応えを感じている。

  ワークステーションを活用することでアニメーション制作のワークフローを効率化

HP Z800 Workstation
HP Z800 Workstation

2011年に本拠地を移転したサンジゲンは、その際に業務用システムを刷新している。制作現場ではワークステーションが活用されていたが、移転を契機に新しい製品へと環境を移行した。「基本的にすべてのOS環境はMicrosoft® Windows 7 の64bit版で統一しています。その他、プロセッサーはIntel社のクアッドコア以上、メモリはモデラーが8GB、アニメーターで12GBというのが標準的なワークステーションの要件です」と金田氏。

今回新規導入したHP Z800 Workstationはベテランのアニメーターが利用し、以前から導入していたHP Z600 Workstation、HP Z400 Workstationが、中堅、若手クリエイター達が利用している。3DCGアニメーション制作のソフトウェアはAutodesk社の「Autodesk 3ds Max」が基本となり、すべてのワークステーションに導入されている。またプラグインとして、セル調の質感を出せる「Pencil+」や、スキニングに「BonesPro」などが使われる。

「それらに加えて、自社開発ツールも利用しています」と金田氏。ブラック★ロックシューターの裏世界に登場する各キャラクターは、個々の世界を持っており、そこは景観もイメージカラーも異なる。登場するキャラクターが他のキャラクター世界に移動した場合には、キャラクターの色も合わせて変えていかなければならないのだ。

「通常、色指定は設定画を元に色を乗せていきます。しかし、本作品では原作者さんのイラスト決定稿からダイレクトに3Dモデルを作っているので、設定画の段階が無いのです。色指定はレンダリングした3Dモデルの画像に色を乗せていくという感じになるので、通常とは逆のパターンになるのです」と、自らツールの開発に加わった金田氏は説明する。

やや特別なワークフローなので、すでにモデルとなる画像が先に出来上がっているため、色を乗せるのが、通常のタイミングよりもワンテンポ遅くなる。この遅延を回避するために開発されたのが、色指定を読み取り3Dモデルの色を瞬時に切り替えてしまう「サンジゲン・カラー・マネジメント・システム(以下、SCMS)」だ。

3DCGで描かれるアニメーション制作には、様々なツールが用いられる
3DCGで描かれるアニメーション制作には、様々な
ツールが用いられる

「ワンボタンで色が指定できるので、カット毎のキャラクター色変化に対応できます」と語る金田氏の表情は明るい。「SCMSが無かったら、業務フローも変わっていたかも知れないですね」とアニメーター両者も、ツールの良さを高く評価している。

「その他、キャラクターのリギングの段階でもカスタマイズしています。通常はAutodesk 3ds Maxの『Biped』という機能を使うことが多いのですが、このツールで作ったキャラクターというのは、その正確な骨格に縛られるという性質があります」と金田氏。

作画のアニメーションでは、人物の手足を伸ばしたり、表情のバランスを少し壊したりといった、あえて体格や骨格を崩すような手法がよくとられる。見る側にとって、伸び縮みする部分は、活発な動きのイメージや迫力を感じることができる。

「セルライクということもあるので、そういったアニメならではのデフォルメされたイメージも3D CGで作り込めるようカスタマイズしました」と金田氏。このカスタマイズによって、より自然で迫力のある3DCGアニメーションを表現することに成功しているのだ。「特に今石氏の作風が”伸びたり縮んだり”は当たり前という感じなので、そのイメージを出すためにも必要なカスタマイズでした」と石川氏は語る。

  ツールに合わせたレンダーファームを構築し、作業時間を大幅に短縮

HP Z210 SFF Workstationを60台使って構成されるレンダーファーム
HP Z210 SFF Workstationを60台使って構成されるレンダーファーム

サンジゲンは本社の移転を契機に、3DCGアニメーション制作では必須のレンダーファームも新たに増設している。ワークステーションで構築する際にはデュアルCPU構成が可能なハイエンドモデルを用いるのが一般的だが、サンジゲンではシングルCPU省スペースモデルのHP Z210 SFF Workstationを導入したという。「実は先ほども触れた、セル調のタッチを出すときに使う『Pencil+』に由来します」と金田氏。

「Pencil+」のレンダリングに対応するのはスキャンライン方式となる。そのためレンダーファームを構築するマシン1台1台のスペックを高くするよりも、ノード数を増加させるほうが効率は良くなるのだ。「実はデュアルCPU構成で多数のCPUコアを持つハイスペックなワークステーションがその能力を発揮するのは1枚の画像をひたすら高速にレンダリングするという部分です。しかしスキャンラインレンダラーの場合は、ハイスペックなレンダーノードを使用しても画像1枚当たりではある程度のところでレンダリング時間の短縮に限界が来てしまいます。そこでノード数を多く持つという点に重点をおいてレンダーファームの構築を検討しました」と金田氏は説明する。
省スペースモデルを選んだ理由は他にもある。「もちろん、コスト面でもかなり有利になります。そのほか、設置面積でも大きなメリットが得られていますし、一番大きいのは消費電力が少ないという点でしょう」と金田氏。

今回導入したHP Z210 SFF は60台規模となる。60台を一気に増設すると、電気使用量も爆発的に増えてしまうことが懸念されるが、実際には微々たる増加に留まっているという。「サーバルームに個別の電気メーターが無いため、詳細には分かりませんが、少なくとも電気使用量の支払いベースでは、60台の増設をしたにも関わらず、驚くほど差額が低く抑えられています」と金田氏は語る。

省スペースモデルのワークステーションで構築するレンダーファームの場合、設置面積の縮小や消費電力の削減などのメリットがある

気になるレンダリングの時間についてはどうなのだろう。「少し前までは、カットを作り終えてレンダリングを回しておいて、その間に次のカットに取りかかる感じで作業していました。そろそろ終わるかな?と思って見てみると、まだレンダリングは続いていた、といったことが多かったですね」と名倉氏。「でも、今は同じ感覚で作業を進め、進捗を確認すると、すでに終わっています。待ち時間が無くなったことを考えると、レンダリングにかかる時間が大幅に短縮できていることが体感的に分かります」と現状を語る名倉氏。同じアニメーターの立場として、石川氏も「レンダリングにかかる時間については、まったくストレスを感じません」と言葉を揃える。

  ワークステーションは信頼性が高いことが必須の条件

HP Z210 SFF Workstation
HP Z210 SFF Workstation

「ワークステーションに求める要件でもっとも重要視しているのが堅牢性です。繁忙期には3〜7日程度、連続で稼働させ続けることもあります。その間、トラブルが起こるようですと、業務に支障が出てしまいますからね」と金田氏は語る。

HPのワークステーションにおいては、以前導入した製品も含め現状では満足しているというが、それでもごく稀にトラブルは発生することもある。「その場合においても、HPはサポート体制がしっかりしていると感じます。例えば、故障箇所を特定するツールがプリインストールされていたり、コールセンターの対応が早かったりするので、トラブルがあっても復旧までの時間が短いですね」と金田氏。トラブルシューティングへの備えはもちろん、物理的な故障のために部品を交換しなくてはならないような場合でも、常に在庫を揃えておくことですばやい対応が可能となる。HPのサポート体制なら、その点安心できるのだという。

また、今回の移転に伴うシステム導入に際して、SIerとして株式会社Tooが指名されている。SIerとしての立場から、HP製品を選択した理由について同社のデジタルメディアシステム部 営業課小沼育民氏は「以前から、サンジゲン様とはお付き合いがあるので、現状や求められている環境などを把握していました。その中でベストなご提案をしたいために、必要な要件を決めていきました」と語る。「HP製品を選んだ理由のひとつとして、ワークステーション製品群だけでなく、インフラやHUB、ラックといった機器をトータルで取り扱っている点も決めてでした。今回のような移転に伴う大規模増設などの場合、やり取りの効率化や納期短縮のためにも窓口をHPに統一することができたのは大きかったですね。また、HP製品の場合、各モデルによって特長がはっきりしているので、どの部署にどのワークステーションを提案するかを決めるのも楽でした」

この他、HP製品群は高い静音性を持つのも特長だ。「サーバルームに設置した60台のHP Z210 SFF の稼働音を聞いたときに驚きました」とToo 小沼氏は付け加える。この稼働音に対して、サンジゲンのフロアで日常働いているスタッフも以前の環境と比べて、音はほとんど気にならないレベルだと声を揃える。クリエイティブな作業には、静かな環境も必須だが、ここでもHPのワークステーションは大きく貢献することに成功している。

  作品創りに活かされていく新たな試みも続々と

株式会社サンジゲンのオフィス風景
株式会社サンジゲンのオフィス風景

本社移転を契機にシステムを刷新し、ワークステーションの適材適所への導入を果たしたサンジゲン。システムだけでなく、新たに山田氏が担当している撮影部を配置するなど、新たな体勢作りにも熱が入っている。「社内に撮影部があるので、アニメーターとのやり取りが非常にスムーズです。あるカットを演出するのに必要な素材があっても、すぐに相談することができ、作品に反映できます。会社が離れていると、どうしてもやり取りに時間がかかったりするケースもありますが、今回は非常に効率よく作業が進んでいますね」と語る山田氏。続けて同氏は「逆に撮影部がいつも使っている素材を3DCGに反映させたり、お互いのセクションをミックスするような試みもできはじめているのは面白いですね」と新しい体勢が作品創りに好影響を与えている様子を語る。

また、今回構築した環境では、撮影部専用のワークステーションやレンダーファームも用意されている。「セルルックのCGは、作画メインのアニメーションのペイントデータに比べると、CG素材そのものが大きく、枚数も多くなります。レンダリングのスピードなどでも圧倒的に時間がかかるので、通常のPCでは思うようなスケジュールに収まらないケースも考えられます。その点、3DCGのコンポジットということで考えても、ワークステーションやレンダーファームをいただけたのは効率化の面で非常に良い結果をもたらしてくれました」と山田氏は語る。

「社内でフルHD品質の映像データがシームレスに再生できる環境が整っています」と自信を持って語る山田氏。「その映像を見ながら制作が進められるので、新しいアイデアも提案しやすいし、どんどん盛り込んでいけます」と石川氏も作品創りに意欲を見せる。「3DCGアニメーションの歴史は始まったばかりです。まだまだ発展途上にあると思いますが、技術的に難しかったことが、ハードウエアの進化で効率よく作業できるようになってきた手応えを感じています。特に3DCGアニメーション制作に、ワークステーションの存在は不可欠だと思っています」と語る名倉氏らの表情は明るい。

話題の3DCGアニメーション、ブラック★ロックシューターを契機に、あらゆる点で大きな進歩を遂げたサンジゲン。今後もすばらしい作品の数々で、多くのファン達の期待に応え続けてくれるだろう。

株式会社サンジゲン

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