  OXYBOTにおいて「官僚たちの夏」の制作フローでは必要不可欠であった、計算能力の高いワークステーションとして、10台導入されたHP Z600 workstation。 |
TBSに入社以来数多くの映画、テレビ制作に係わり、USC(南カルフォルニア大学)にTBSより派遣留学した時にはソニー・ピクチャーズに在籍し、ハリウッド作品の制作に携わるなど、様々な経験と実績を積み上げてきた松野氏。その豊富なキャリアを持つ松野氏にとって2009年4月は大きなチャレンジを迎えた時であった。
「連続ドラマの制作では、放映が始まってしまうと1週間弱で必要なCG/VFXを仕上げていくスケジュールになります。そのため多くの場合、実写をベースとした映像同士を合成していくのが精一杯なのが現実です。
しかし、今回のドラマ制作では、ドラマの舞台となる昭和30年代の霞ヶ関のビル群の空撮や路面電車をフルCGで制作するというチャレンジが必要となりました。ドラマの中で昭和の高度成長期という空気感を出すためには必須のアイテムでした。
しかし現代においてかつてのビルや路面電車を撮影するのは当然不可能であるため、3DCGとして作る以外に手はありませんでした。とはいえ、実写との合成でCGの違和感や異物感をなくしながらも、ドラマのスピードに合わせた効率的な制作を進めるためには、今まで培ってきたノウハウをさらに進化させるため、一度既存のやり方やツールを根本から見直しフローの再構築を行う必要に迫られました。でも、この再構築は私がOXYBOT設立時からやりたかった事でもあったので、昨年からテストを含めツールの検証や技術的な課題の洗い出しを徐々に行ってきました。
その結果を踏まえ、今回のドラマ制作で実行に移しました。ドラマ制作のスピードにあわせたフローの再構築において、絶対に必要となるのは、そのフローを底辺で支え、制作時間の短縮に最も不可欠な存在となるパワフルなワークステーションでした。しかし昨年の検証を始めた段階では、この高い要求に答えてくれるパフォーマンスを発揮するワークステーションはまだ存在しませんでした。それが今年(2009年)4月にHP Z600がリリースされ、すぐに検証したところ見事に期待していたパフォーマンスを発揮してくれました。HP Z600はまさに必要とした時に登場したワークステーションでした。」
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