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HP Workstation 導入事例紹介
フリーランスジャーナリスト
本田雅一氏


 

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特別寄稿:ブラウン管ディスプレイを超えた
HP DreamColor LP2480zxプロフェッショナル液晶モニタ 本田雅一氏

仕事でもプライベートでも、ディスプレイは机の上でコンピュータを使う際に最も重視してきた製品だ。古くはブラウン管の時代から、ユーザーとコンピュータのインタラクションを取る上で、私個人がもっともコストをかけてきたのもディスプレイである。
ところが、高品位なコンピュータディスプレイは絶滅の危機に瀕していると言っても過言ではない。一般的なディスプレイ選びにおいては、画質よりも価格が大幅に優先される時代になってしまったからだ。

高品位のコンピュータディスプレイは、デザイン用途など一部の業務に特化した製品としてのみ生き残っている。当然、価格はどうしても高くなる上、選択肢の幅も狭い。
しかし、パーソナルコンピュータを取り巻く状況を考えると、ここ数年で、むしろ高品位なディスプレイが求められる環境になってきたのではないだろうか。

デジタルカメラの画質は急速に高まり、普及したことはもちろん、高品位な動画をコンピュータで扱うことも多くなってきている。さらに、パソコン用プリンタのカラー画質も充分に高いレベルに達し、プロフェッショナルの分野でもカラーマネジメントシステムを利用したデータ入稿が当たり前だ。

この10年で、むしろコンピュータ上で映像や画像を確認する、あるいは修整などの作業をする機会は飛躍的に増えた。つまり、ディスプレイの重要度は、あらゆる場面において増していると言えるだろう。

それにもかかわらず・・・・という状況で、高品位ディスプレイの選択肢が狭まってきている事を残念に感じていた。果たして次にディスプレイをリプレイスする際、満足できる品質・機能を備えるディスプレイが適価で入手できるだろうか?
そう思っていた矢先、昨年発売されたのがHPのLP2480zxだった。

結論から言えば、LP2480zxは筆者の使い方にバッチリとはまってくれた。広い色再現範囲と自然な階調表現、それに安定した色再現能力などである。しかも、プロフェッショナル向けの機能と性能を持ちながら、価格は高品位ディスプレイとして許容できる範囲に収まっていた。単純に価格だけを見れば高価に見えるという読者もいるだろうが、むしろ安いと言えるだけの性能と機能を持っている。その理由を書き進めていこう。

と書き始めたのだが、なんと2度目の価格改定が行われ、税込み19万9500円になるという。発売当初のほぼ半額。円高や物価動向を判断しての価格引き下げとのことだが、ここまで安くなれば間違いなく"お買い得"と言える。

ディスプレイに求められる性能は、大きく分けると、(1)解像度、(2)リニアリティ、(3)色再現能力、(4)接続性および互換性、(5)視野角をはじめとする見え味の五つに分類できる。
もっとも、解像度に関してはディスプレイサイズとも連動する話題だ。現在、アフターマーケットで主流の24インチ前後のサイズならば、フルHD(1920×1080ピクセル)あるいはWUXGA(1920×1200ピクセル)が主流であり、16:10の画面を持つ24インチディスプレイである本機もまた、WUXGAの解像度を持つ。

これは標準的な解像度で特徴もないから、もし、高解像度の広いディスプレイが必要なのであれば、30インチクラスのさらに解像度が高いディスプレイを選ぶべきだろう。LP2480zxの良さは(1)にあるのではなく、(2)〜(5)、すなわち解像度以外のすべてにある。

まず接続性と互換性、それに視野角について、簡単に触れておこう。

本機は二つのDVI-I端子2系統、HDMIが1系統接続可能な上、最新のディスプレイ接続インターフェイスえあるDisplayPortにも対応。さらに、アナログ系入力もDVI-IからのアナログRGB2系統に加え、コンポーネント映像、コンポジット映像端子をそれぞれ1系統ずつ備える。コンピュータはもちろん、ほとんどの家庭用映像機器を接続することが可能だ。しかも備えているのは端子だけではない。

インターフェイス

sRGBやAdobeRGBといったコンピュータではおなじみの色空間用のルックアップテーブルを持っているのはもちろん、Rec.709(HDTVにおける標準色空間)、CCIR 601-5(SMPTE-C。SD放送時の標準色空間)、DCI-C(デジタルシネマ規格のうち、もっとも一般的な色空間)といった、各種の標準的な映像用カラー規格のルックアップテーブルも持っており、ディスプレイ上でシミュレーションすることが可能だ。

色空間

インターフェイスは業務用映像機器で使われるSDIにこそ対応していないが、一般に使われる民生用機器からの入力にはほぼフル対応し、その上で必要なほとんどの色空間もエミュレートできる高い互換性がある。コンピュータ上で映像を編集したり、あるいは表示させる際に、コンピュータと映像の世界それぞれに適した設定を簡単に行うことができるのである。

操作ボタン
操作手順もシンプル。画面右に配置された操作ボタンを押して、7つまで記憶できるカラーモードを選ぶだけで、色再現域、輝度、ガンマカーブ、色温度などが変化してくれる。それぞれの映像タイプごとにガンマカーブや輝度、色温度を細かくメモリしておくことが可能なので、たとえば映画向けに調整したRec.709モードならば輝度を落として暗い環境での評価用に調整しておき、写真を評価する際には普段、作業している部屋の明るさに合わせた輝度とすることができる。輝度調整は50カンデラごとにメモリが可能だ。

写真評価用、SD映像用、HD映像用、DCIマスター用など、評価や確認の目的ごとにプリセットをカスタマイズしておき、さらに普段の作業用にも別の設定をメモリしておくと、作業ごとに最適な状態にディスプレイの設定を素早く切り替えられる。

広視野角
次に視野角だが、こちらはIPS型液晶パネルを使っていることで、容易に想像できるだろう。視野角のスペックは全方向に178度と数値的にも良いが、IPSの最大の長所はどの角度から見てもガンマカーブが変化しないことだ。コントラストは下がったとしても、映像のリニアリティが悪化して絵が破綻することがない。これはASVやPVAといったVA型液晶パネルに対するIPSの大きな利点だ。

このように高い互換性、接続性と広い視野角を持っているLP2480zxだが、メーカーがもっとも強く、LP2480zxの利点として訴求しているのが色再現域の広さだ。

色域
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本機はコストの高いRGB各色のLEDを並べたRGB LEDアレイ(HPはTry-Color LEDバックライトと呼んでいる)を用いたバックライトを備えている。LEDは特定の狭い範囲のスペクトラムを持つ光を放つため、これをRGBごとに並べると、カラーフィルタを通すことで純度の高い色を取り出せるという特徴がある。このため色再現域はひじょうに広く、AdobeRGBに対しても131%と十分に余裕のある色再現能力を持っている。

"余裕がある"ことはとても重要なことだ。なぜなら前記したような各種色再現域のエミュレートを行う場合、RGBそれぞれの色純度が高い領域ではエミュレーションで色度点を動かす余裕がなく、十分にマッチングの取れたエミュレーションを行えないからだ。従って131%と、一見すると広すぎるように思える色再現域の広さも無駄ではない(もちろん、コンピュータのカラーマッチングシステムで、パネルの素の色再現域の広さを活用することもできる)。

だが、個人的にもっとも感心したのは(2)、リニアリティの高さだ。これにはしっかりとした技術的な裏付けもある。 本機はまず、ホワイトバランスがとても安定している。通常はバックライトの光に対し、液晶パネルのRGBゲインを調整することでホワイトバランスをターゲットの色温度に合わせるが、この場合、液晶パネル自身を駆動する際の量子化誤差などもあって、色相がズレてしまう輝度領域が出てくるものだ。しかしTri-Color LEDバックライトは、RGBの各LEDの出力を調整することでホワイトバランスを合わせるため、パネル側の誤差精度によってホワイトバランスが崩れにくい。

次にデフォルトガンマ値と的確性も良好だ。液晶パネルのガンマカーブは通常、係数2.2のカーブでレスポンスするよう調整されて出荷されている。ブラウン管ディスプレイとの互換性を取るためだ。ところがこれは建前でしかない。実際に各階調ごと、RGBそれぞれの輝度を計測すると、それぞれが微妙に(あるいは製品によっては大きく)理想的なガンマカーブから外れていることがほとんど。特に暗部の表現ではちょっとした誤差でも、不自然な表現となる。グレースケールを表示させると、輝度のレンジが変化するごとに、ホワイトバランスが不安定にもふらつくことがわかる。

しかし、LP2480zxはRGBごとに独立してガンマカーブを作る演算を行うよう、あらかじめ12ビット精度のルックアップテーブルを内蔵しており、購入時点でほぼ2.2ガンマに沿った表現が行える。高精度演算で作られた理想ガンマを実現するための演算結果は、リアル10ビットドライブのパネルへと割り付けられ、実に高精度で暗部の微妙なトーンも見事に表現してくれる。

これだけでも十分に画質への配慮されているが、内部の色変換アルゴリズムが優秀なのか、あるいは演算精度の高さなのか、色のシフトが少ないリニアな色再現性を使用していると強く感じる。微妙に色相が変化しながら明るさが変わっていく、たとえば肌のハイライトからシャドウにかけてのグラデーションなど、難しいシーンでも色相の揺らぎやトーンカーブの崩れなどの不安感を感じさせることなく、滑らかな階調で表現されるのは見事だ。

これらトータルの画質へのケアがなされた結果、写真、動画ともに、実に素直で不自然さのない絵を出してくれる。もちろん、プロフェッショナル向けディスプレイらしくカラーキャリブレーションにも対応しており、専用のカラーメーターとセットで使うツールにより、内部のカラー処理、ガンマ処理の微調整をほぼ自動で行える。キャリブレーション結果は各カラーモードごと個別に計測し、それぞれメモリしておくことが可能だ。

キャリブレーションツール
キャリブレーションツールはシンプルな操作で利用可能だが、カスタムで任意の色再現域、ガンマ係数、色温度を指定することもできる。シンプルさと柔軟性の高さを両立したツールは、現時点でWindows用ツールしかないものの、大変に満足度の高いものだった。

このような高品位の、しかもキャリブレーション対応のディスプレイ。さらにはRGB LEDアレイバックライトという高コストなIPS液晶パネルを使いながら、19万9500円(税込み)という値付けは明らかに安い。何かを省いてローコスト化した上で、高価なRGB LEDアレイバックライトの液晶パネルを組み込んでいるのではなく、内部のプロセッサ、プリセットモードの正確性など、高品位ディスプレイとしての本質的な部分に妥協せずに実現している点に大きな魅力を感じる。

元々はコンピュータグラフィックスによる映画制作のため、米ハリウッドのCGアニメーション専門スタジオ「ドリームワークス・アニメーションズ」との協業で生まれたディスプレイだが、実際にユーザーとして使用して感じるのは、静止画の写真を評価、修正するためのディスプレイとしても適していることだ。すでに使い始めて半年以上が経過しているが、ホワイトバランスのドリフトや輝度レベルの変化などもとても少なく、画質はひじょうに安定している。

映像制作のプロフェッショナルが使うコンピュータディスプレイとしてはもちろん、できれば写真の絵作りにこだわる写真のプロフェッショナルにも使って欲しい。これまでブラウン管を超えるディスプレイは液晶パネルでは作れないと思ってきた。リニアリティの高さという面では、信号に応じて素直に階調が変化するブラウン管に、液晶パネルは太刀打ちできないからだ。これは本機、LP2480zxでも同じだ。アナログと同等のリニアリティを実現することは、すべてのデジタルディスプレイの悲願と言える。

しかし、LP2480zxにはブラウン管では為し得なかった大きな特徴がある。広い色再現域やシャープな描写さ、それに設置面積の小ささなどは、高性能ブラウン管ディスプレイにはない特徴だ。

もちろん、それでもリニアリティが低ければ"所詮は液晶。ブラウン管には敵わない"と諦めるところだが、ここまで高いリニアリティを引き出せているのであれば、もうハイエンドブラウン管ティスプレイに戻ろうとは思わない。

評価の切り口によって、本機の見方も変わるだろうが、トータルのパフォーマンス、ユーザーに与える体験レベルの高さといった総合的な切り口で見たとき、本機はブラウン管ディスプレイを超えていると思う。これならば、妥協の上ではなく、心置きなくすべての表示を液晶ディスプレイ任せることができるだろう。

本田 雅一 氏
フリーランスジャーナリスト。ソフトウェア開発に従事した後、PC関連の記事を執筆。
現在、PC、オーディオ・映像機器、IT関連など、テクノロジ全般にわたって執筆。Webニュースのほか、PC専門誌、AV専門誌、経済誌などを中心に市場動向から市場分析記事まで幅広い分野に寄稿。映像機器や音響機器への造詣が深く、主要製品はそのほとんどを自身の目で評価している。
本田雅一氏
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