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本田技研工業株式会社
ホンダ第三期F1活動におけるエンジン開発を日本HPがサポート
F1復帰2年目となった今シーズン。新設計のV10エンジン「Honda RA001E」を昨年来のブリティッシュ・アメリカン・レーシング(BAR)に加え、ジョーダン・グランプリにも供給。
2チーム4台体制で参戦した本田技研。そのF1エンジン開発部門に、日本ヒューレッド・パッカードの jクラスUNIXワークステーションによるクラスタ・システムが導入された。必勝態勢のF1マシンの心臓部を開発する株式会社 本田技術研究所 CISブロック 主任研究員 香田 信介氏に、CAEにおける今後の構想や戦略などを訊ねた。
USER PROFILE: 本田技研工業株式会社
本 社: 〒107-8556
東京都港区南青山2丁目1番1号
設 立: 1948年(昭和23年)9月
代表者: 取締役社長 吉野浩行
資本金: 860億円(2001年3月31日現在)
URL: http://www.honda.co.jp/
 エンジンサプライヤーとして第三期F1活動が2年目に
新開発のエンジン「Honda RA001E」の画像
2001年シーズン2チームに供給された
新開発のエンジン「Honda RA001E」
V型10気筒/DOHC4バルブ
最高出力800馬力
最高回転数17,000rpm以上
世界を転戦するモータースポーツの頂点「F1世界選手権シリーズ」に、本田技研工業株式会社(以下、ホンダ)は、2000年オーストラリアグランプリから「ブリティッシュ・アメリカン・レーシング(以下BAR)・ホンダ」として8年ぶりに復帰した。F1復帰2年目となる今シーズンは、新設計のV10エンジン「Honda RA001E」をBARと、ジョーダン・グランプリに供給し、2チーム4台体制で健闘した。
車体開発におけるBARとの共同開発も継続し推進。英国のホンダ・レーシング・ディベロップペント(HRD)を前線基地とし、今シーズンも果敢にチャレンジした。もっとも、これまでもホンダは、1964年から68年、そして83年から92年にかけて参戦してきた経緯がある。
「こうしたF1エンジンの開発のベースになっているのは、あくまでもホンダが市販する乗用車の技術。研究所内に蓄積された量産技術を結集した究極のエンジンがF1仕様」と述べるのは、株式会社 本田技術研究所 CISブロック 主任研究員 香田 信介氏。

同氏が所属する研究所は、四輪市販車およびホンダF1エンジン開発部門の中心拠点である。イギリスの前線基地であるHRDと合わせて、世界中のサーキットにおける各種情報が通信ネットワークを経由して、即座に設計・開発現場にフィードバックされる仕組みを構築している。香田氏はレースの鍵を握る、F1マシンの心臓部作りに長年携わってきたひとりだ。
「開発期間をできるだけ短くするために、開発部門、サーキットのスタッフ、マシンをデリバリーする物流部門などの連携が必要です。それがマシンの戦闘力に直結してきます」と香田氏は説明する。

F1エンジン開発部門では、専用のサーバーを導入し、いつでもデータの解析、シミュレーション、エンジンの改良などに取り組む専用の環境が必要だった。そこで、研究所に新たに導入されたのが、日本ヒューレッド・パッカード株式会社(以下、日本HP)のjクラスUNIXワークステーションによるクラスタ・システムだった。
 さらに高度化が進むF1エンジン開発
今年のF1は、3月に行われた第1戦 オーストラリアGPを皮切りに、10月に鈴鹿で行われた日本GPまで、17戦が世界各地で開催された。1カ月間に2〜3戦の頻度で戦いの火蓋は切って落とされるため、次の開催までにエンジンを改良、熟成していくための期間は2週間もない。

株式会社 本田技術研究所 香田 信介氏 株式会社 本田技術研究所
香田 信介氏
「転戦していく中で、毎回最高のパフォーマンスを発揮できるようにチューニングしていきます。もちろん、基本的なエンジンの設計開発は前年度のレースの成果をもとに、1年前にはほぼ基本構想は固まっています。そういう意味では、エンジンのパフォーマンスに関する勝負は、1年前に答えが出ているといえなくもありません。しかし、1レースごとにそのエンジンに少しずつ改良を加えていくことで、戦闘力を次第に向上させていくことが必要なのです」。

開発におけるシミュレーションで重要となるのは、基本的なエンジン性能の実態をいかに正確に算出できるか、という点だ。
たとえば、強度計算をはじめ、燃焼効率の向上、フリクション(摩擦)の低減、軽量化といった性能アップに向けた解析が行われている。もっとも、これらは量産車種のエンジン開発についても共通するものだ。ただし、そのスペックや精度が両者では異なる。
たとえば、F1エンジンの回転数は1分間に1万7000回転以上であり、燃焼時間は1ミリ秒以下と極めて短い。シリンダ内の燃料の挙動などの分析は非常にシビアになる。それを、約300kmの走行距離を耐久できるように仕上げていくわけだ。
「エンジン各部の摩擦抵抗を低く抑えることや、何グラム軽量化できたか、といった核となる技術を追求するためには、高精度で高速なシミュレーションマシンが必要です」。
 シミュレーションに最適な並列処理システムを採用
今回、解析・シミュレーション用途として導入されたシステムは、16ノード(合計32CPU)のjクラスUNIXワークステーションを、クラスタ構成にしたシステムで、64ビットの並列処理能力と大容量メモリを備えている。jクラスは厚さ2Uの筐体に最新のPA-RISCプロセッサを二基搭載し、メモリを最大16GBまで、ハードディスクを最大146GBまで搭載可能で、業界最高のメモリ、ディスク容量を最小パッケージで実現している。

またjクラスは、標準2mラックに最大20台(40CPU、320GBメモリ、2.9TB内蔵ディスク)格納することができる。スペース当たりのパフォーマンスは他社を寄せ付けない水準であり、膨大な計算能力を必要とする解析・シミュレーション系のアプリケーションにおいて、設計のサイクル時間を短縮することが可能となる。
さらに今回、クラスタ・システムを導入した理由のひとつに、利用するシミュレーションソフトがパラレル処理に適していたことが挙げられる。

従来までは、開発部門ではホスト系や大型のSMPサーバーを利用していたという。しかし、それでは、CPU数が増えると性能の伸びにいずれ飽和点が訪れることが指摘される。だが、クラスタでは、ノード数を増やせばその分パフォーマンスが向上する。また、SMPサーバーでは、最大CPU数を超えた増設には莫大な費用がかかるが、クラスタの場合、ワークステーションを買い足して行けば安価に増設が可能、つまりシステムのフレキシビリティが高い点が有利である。
つまり、ワークステーションで、ダウンサイジングするとパフォーマンスが下がるというトレードオフの通念を打破することができたのだ。勿論、単体のシステムの性能(CPU性能)が高いこともその理由にはある。

今回のシステムは東京エレクトロンがSIパートナーとして活躍した。同社は、描画のメッシュの細かさやLSFのチューニングなど、クラスタベースのCAEシステムのSIとして評価の高いパートナーである。クラスタ構成のようなシステムの導入では、SIパートナーの存在も見逃せない。

ホンダが日本HPのシステムを選択した理由として、もともとホンダでは、日本HPのSMPサーバーを導入し、シミュレーションにおける良好な評価を得られたことが過去の実績としてあった。
さらに、HPのモータースポーツに取り組む姿勢も評価対象となった。HPは、長年にわたりF1や、米国のフォーミュラレースであるCARTのチームとも協力関係を築いている。
 保有するリソースを最大限に活用
「シミュレーションとは、本来、計測が難しい現象を予測していくためのもの。しかし、ソフトウエアも万能ではありません。現象をなるべく単純化しつつも、計測とシミュレーションを両輪とするシステム全体を高度化させていく必要がある」と香田氏は話す。

エンジンのレシプロ系を構成するクランク、ピストン、コンロッド、ギアなどさまざまな部品の解析、応答性を高めたり燃費を上げたりという目的でなされる、燃焼室における空気と燃料の流体力学的な挙動、といった分析はシミュレーションのみで完全に把握するには限界があるという。したがって、量産開発部隊とタイアップした計測技術開発が不可欠となってくる。

また「研究所にあるリソースを十分に有効活用することも重要です。そのためには、新規で導入するシミュレーション・システム、およびサーバーの性能などの評価法や、さらには既存システムの情報がポイントになります。どんなシステムを使って開発しているのか、ということもレースの戦績につながってくるということなのです。システムの世界もまたレースと同様、もうひとつの競争の舞台ですね」と香田氏は重要性を強調する。

また万が一、シミュレーション中にシステムがダウンした場合、モデリングを一からやり直すおそれも出てくる。これは、分単位スケジュールでの開発現場では致命的なロスとなる。システムの信頼性も設計に反映されるのだ。
「猛暑となった7月にシステムを導入したこともあり、マシン・ルームの放熱対策も十分に吟味しました」。 性能に加えて、高い信頼性を兼ね備えることが、シミュレーション・システムに不可欠な条件であると言える。
64ビットの並列処理能力と大容量メモリを備えたjクラスUNIXワークステーションによるクラスタ・システム
64ビットの並列処理能力と
大容量メモリを備えたjクラス
UNIXワークステーションによる
クラスタ・システム
 走行データを短時間で解析するシステム
前述したようにシミュレーションの項目は多岐に渡る。それでもなお、分析のためのリソースが十分ということはない。しかし、それをレース直前の2週間足らずの期間にすべて検証することは、事実上、困難である。
「第三期F1活動が2年目を迎えた今年は、どの辺の項目に重点をおいて解析すればよいかというところが見えてきました。優先順位を設けて効率よく作業を行うようにしています。分析すること自体が主目的ではなく、あくまでも勝つための技術ですから」。
ホンダはエンジンの状況をピットでリアルタイムに把握するためのテレメトリーシステムを開発するなど、常に先進的な技術をF1の世界に持ち込んできたことで知られる。
しかし、第二期F1活動を終了した年から再開まで8年間のブランクがある。
第二期(83〜92年)といえば、88年には、ホンダ・エンジンがアイルトン・セナ、アラン・プロストというドライバーを擁し、16戦15勝という歴史に残る圧勝を挙げたことで知られる。その時代から培われたノウハウと最新技術をいかに活用できるかが課題だ。
車体を含む先端技術の開発、さらには、次世代を担う技術者の育成という第三期ホンダF1レース活動の目的を達成し、日本の技術力を世界に問うためにも開発陣へかけられる期待は大きい。
F1マシンは、サーキットごとの路面状況、コースの特長、またドライバーの特性などに合わせた微妙なセッティングが現地で施される。
そこでは、ガレージシステムと呼ばれるテスト走行および本番のレースで用いられる解析ツールが威力を発揮する。これを持ち込み、その場でデータを採取するわけだ。
各国をレースで転戦する場合、フィールドデータは次のようにして集められる。エンジンの状態はテレメトリーシステムによって、定量的なデータで収集される。そして、ガレージに持ち込んだコンピュータ、および通信機器から国内の研究施設まで伝送している。
できるだけ少ないリソースで最大限の情報を得るのが理想である。先行する欧州や米国のメーカーと対等に勝負する為に、効率的なリソースの活用でホンダは勝機を見出したいと考えている。
「既存資産の活用はまだまだこれから。ただし、シミュレーションの能力は、今回の日本HPのjクラスUNIXワークステーションによるクラスタ・システムへの切り替えによって、1週間から約2日に短縮できる可能性が見えてきました。更には、金曜日に行ったサーキットでのフリー走行のデータを研究所に伝送し、すぐに解析した後に、翌日の土曜日のセッティングに反映させられるようにしたいですね」と香田氏はビジョンを話す。
 サーキットと開発拠点をシームレスに接続したい
中学生の頃からフォーミュラマシンのプラモデルを組み立てるなど、この世界への憧れを抱き続け、機械関係を取り扱う会社からホンダに移籍したという香田氏。
海外と国内を往復する多忙な日々のなか、最短経路で勝つためのチャレンジングな目標を常に掲げて、これからも取り組んでいきたいと話す。
「今後、力を入れたいのはガレージシステムの近代化。現在のガレージの中で車と直結してデータを吸い上げるシステムはサイズが大きく、持ち運びにやや不便。できるだけシンプル、かつスマートなものにしたいですね」。
テスト走行および本番ですぐに利用できるよう、理想としては、スーツケースぐらいの大きさのシステムになって欲しいという。さらに、エンジンと接続するケーブル類もなくして、無線LAN化できれば申し分ない。サーキットで収集したデータを開発拠点までシームレスに伝送できたり、移動中にPDAなどのモバイル情報端末で確認できたりするようになれば、さらに工数の削減になる。

「そうした意味で、CAEの世界は、まだまだ私たちのイメージに到達していません。エンジンの重量が1グラムでも軽くなり、1秒でも早くなるという明確な結果をともなってこそ、情報システムにも価値が出てくると考えています」。
香田氏らは、来シーズンこそホンダエンジンでチャンピオンの座を奪回しようと、一段と強化したエンジンを最高の開発環境下で仕上げつつある。
その中で日本HPのシステムは、解析・シミュレーションにおける大幅な時間短縮を実現し、F1エンジン開発に大きく貢献している。ホンダと日本HPが両輪となることで、待望のチェッカーフラッグが見えてきた。
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