Jump to content
日本-日本語

法人のお客様向け Workstations

 お問い合わせ

HP Workstation 導入事例紹介
株式会社クリート

 

株式会社クリート様
HP Workstation 導入事例
GPUコンピューティングを取り入れ、高い品質の3D CGで企業の総合力を押し上げる

企業が行う製品開発の初期段階において、デザインの方向性や設計思想が激しくぶつかりあうケースは多い。ビジネスの命運を左右する製品そのものを決定づける可能性が大きいため、様々な部署・部門の熱意が交錯するからだ。白熱の議論を冷静に、そしてより確実な回答をもたらす画期的なサービスを提供する企業がある。株式会社クリート(以降、クリート)の、代表取締役・社長 山下健介氏(以降、山下氏)、クリエイター 中内俊輔氏(以降、中内氏)に話しを伺った。

  強いロジスティックスを提供するサービスを

株式会社クリート 代表取締役・社長 山下健介氏
株式会社クリート
代表取締役・社長 山下健介氏

「26歳で今の会社を起ち上げ、それから現在に至るまで仕事をしています。人生の半分はこの会社と共に走り続けてきた感じですね」とにこやかに話し始める山下氏。同氏はホンダのオートモービルデザイナー、エクステリアデザイナーとして社会人生活をスタート、そこで3D CADに触れたのだという。「それ以来、コンピューターを使ってデザインをするスタイルを続けています。日本で最初にデザインの現場へコンピューターを導入したのがホンダだといわれていますから、黎明期から携わってきたことになりますね」と山下氏は当時の状況を語る。

山下氏が起業した当初はバブル崩壊の時期と重なっていたため、社会的な状況としては決してよい時代ではなかったが、気概を持ってワークステーションを導入して、3D CADによるデザインの仕事を続けていた。「会社をはじめて10年ぐらい経った頃、デザインの現場でどのように3Dデータを使うのかといった部分でコンサルテーションをしたり、必要な人材のサービスを提供し始めたりもしました」と語る山下氏。デザインという分野で、企業全体の業務改革へと繋げるためのサービス。これが株式会社クリートの提供するサービスの中で次第に比率を高めていくことになっていったのだ。

「デザインという仕事がスモールビジネスだと気付きました。ある程度の規模を持つ仕事がどうしたらできるかを考えた結果、デザインの後方支援をしていくスタイルにいきついたのです」と山下氏。3Dのデジタルワークを、単なるモデラーやオペレーターが担当するのではなく、しっかりと美術を学んだデザインの感性がわかる人材を業務に取り入れていき、企業の商品デザインチームを強化していくのだ。「ローマはロジスティックで勝つ。強い軍隊というのは強いロジスティックを持っているものなのです」と山下氏は語る。あらゆる企業にとってよいデザインの商品を持つことは、市場で勝ち抜いていくために必須の要件でもある。製品開発というワークフローの中でも、特に重要となるデザイン開発の分野で、優れた感性とITを自在に操るテクニックを持つ優れた人材やサービスを取り入れてゆけば、強いロジスティックを持つことと同意ということになるというわけだ。

  3D CGを使った新しい手法で高品質なサービスを提供

「デザインのロジスティカルなサービスの中でも需要があるのが、デザイン日程の進捗管理や商品企画に携わる各分野のプロフェッショナルチーム間の入り組んだ構造を『見える化』してあげることなのです」と語る山下氏。実際に企業が新しい商品を開発しようと思えば、商品企画を担当する部署、それを形にして魅力あるものへ仕上げていくデザイン部署、デザインされた商品にメカニカルな機能を追加してゆく設計部署などが関わっていく。しかし、現場では各部署や部門がお互いに主張しあい、商品開発が上手く進行していかないケースも多いのが現実だ。

クリートでは、そのような現場の目線に合わせた様々な素材を現場のスタッフが自ら試行錯誤しながら提供する。それらはパワーポイント資料の形をとることもあれば、設計に用いる形状データやCGと多岐にわたる。「これらを見ていただくことによって、売れる商品はこうしていかなければならないということが具体的に理解できるようになります。すると、お互いのコミュニケーションも盛んになっていくものです。このサービスを私たちは『コミュニケーションCAD』と呼んでいます」と山下氏は語る。

3D CGを使った新しい手法で高品質なサービスを提供
「デザインした商品がユーザーの琴線に触れているかが大切」と語る山下氏
「デザインした商品がユーザーの琴線に触れているか
が大切」と語る山下氏

同社のいうコミュニケーションCADをもっともシンプルに表現するとすれば、コミュニケーション力を向上させることで強い商品を作れるようにするデジタルデータということになる。実際の現場では、デザイナーの手書きによるスケッチからはじまり、それを題材に設計者が設計要件を組み立てていくが、いよいよ具体的な段階までくると微妙な部分で食い違うことも多くなってくる。これは感性の違い、あるいは微細な部分における表現力の違いなどが原因で表面化する。「それぞれの言い分をできるだけ早い段階で理解しあえるような形で『見える化』する。これを実行すると面白いことに、デザイナーと設計者の間にそれまでない一体感が生まれてくるのです」と山下氏は語る。

「さらにビジュアライゼーションの強化のためのサービスが『デザインクリニック』です」と山下氏。このデザインクリニックは、そのデザインがユーザーの琴線に触れているかを調査するサービスになる。「3Dのデータを実際に購入する側のユーザーに見せることで、そのマインドを顕在化していくのです」と山下氏は語る。例えば、ワールドワイドで商品展開している企業の場合、その国々の生活様式や価値観などによって、ひとつのデザインに対する印象も変わってくる。アジアでは受けがよくても欧米ではまったく理解されない、などといった趣向性がここでデータとして顕在化していくのだ。

「商品開発の工程の中でも、かなり上流にあるデザインや設計が固まった初期段階でこれを行います。例えば開発中のバイクの3D CGを作り、街中を走っているように合成したり、360度あらゆる角度から見られるようにするのです。手書きのラフデザインや白抜きのCGだけではお客様の反応は、絵が上手いとか、かっこいい、程度なのですが、より具体的な状態に近い3D CGを見せることで、本当にその商品を見たときの意識に近い感情を顕在化できるのです」と山下氏は語る。

力の入った製品の場合、実物大のモックアップを制作して同じようなことをするケースもあるが、その場合、モックを制作する費用も膨大になるうえ、期間も相当な日数が掛かってしまう。しかし、クリートのデザインクリニックでは、3D CGを効果的に用いることで制作期間と費用をぐっと圧縮することが可能となるのだ。「これは実際にアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各地へ赴きデータを集めます。ですから、そのデザインに対して集まる評価も実に妥当なものになるのです」と自信を持って語る山下氏。さらに実物大のモックアップを使った調査結果と、3D CGを使った調査結果が大きくぶれたことはないという。「こうした調査の積み重ねにより始めはその効果に疑問を持たれていたデザイナーや関係者の、CG表現と調査に対する信頼が確立していきます。」と山下氏は語る。

この調査結果は調査対象のユーザーが発した言葉(キーワード)や、受けた印象を具体化したヒストグラム上に配置されていく。ライバルの製品がどこに位置するかも調査し、今回開発中の製品がそれに勝つためには何が必要か、どんなキーワードを発せられればよいかが、ひとめでわかるようになっている。「対局するいくつもの質問の中から、この製品はどのポジションにいて、どういう言葉が集まるかを見ていきます。同じような言葉が集まれば、それがユーザーの共通認識として心に響いているということがわかります」と山下氏。同時に、作り手が期待していた反応があまり出てこない場合には、そこを更に強化する必要があることが分かる。これによって、現在開発している製品が市場に出たときの反応が高い確率で事前にわかるようになる。デザインの初期段階でこれがわかれば、開発に携わるすべてのスタッフが結束しやすく、共に苦労してでも製品を成功させようというモチベーションも大きく上がるという。

  ワークステーションを革新するNVIDIA Maximus Technologyがもたらす新たなワークフロー

株式会社クリート クリエイター 中内俊輔氏
株式会社クリート クリエイター
中内俊輔氏

実際にデザインクリニックで使用する画面、Autodesk社の3ds maxとNVIDIA irayによるレンダリングのプレビューを見ると、実に精巧で細部まで綿密に表現されていることに驚きを覚える。さらに、それが目の前で360度あらゆる方向へ回転でき、CGの背景が街中をはじめあらゆるものへと瞬時に切り替わる様子は圧巻ですらある。その技術を裏で支えているのが、クリートが今回新たに導入したHP Z800 Workstationだ。
その大きな特長として「NVIDIA Quadro 2000」グラフィックカードを搭載し、さらに「NVIDIA Tesla C2075」GPUコンピューティングカードを2枚搭載している点が挙げられる。この構成はNVIDIAが新たなGPUコンピューティングソリューションとして提唱する「NVIDIA Maximus Technology」を実現する構成である。最新のGPUソリューションがクリートのワークフローの革新をささえているのだ。

Tesla C2075が、レンダリングやCAE計算という重く負荷の掛かる作業を実行することによって、CPUやQuadro グラフィックカードが開放され、モデリングやインタラクティブなグラフィックスによる描画にリソースを割り当てることができる、この新たなテクノロジーによって、特に3D CGを作成する際のレンダリングに掛かる時間が圧倒的に短縮される。「単純に計算して360度ビューを作成するのに180枚の静止画が必要です。かつては1枚のレンダリングに1時間程度掛かっていたころもありました。」と語る中内氏。もちろん、それはすべて上手くいったとしての単純計算で、途中でレンダリングに用いているコンピューターがシャットダウンしてしまったり、失敗したりすればさらに時間が掛かってしまうことは容易に想像できる。

HP Z800 WorkstationとNVIDIA Maxinus Technologyにより、ほぼリアルタイムにレンダリングがおこなえる
HP Z800 WorkstationとNVIDIA Maxinus Technology
により、ほぼリアルタイムにレンダリングがおこなえる

「最新のワークステーションでもCPUレンダリングだけのころは数分から十数分かかっていましたが、NVIDIA Maximus構成のZ800を導入してからは、データのサイズにもよりますが、1枚あたり10〜30秒もあればレンダリングできます。画像の品質を上げたい場合でも2分もあれば大丈夫です」と語る中内氏の表情は明るい。十数分掛かっていたものが10秒へ短縮できる。クリートにおいても、同社が提供するサービスを受けている企業にとってもこのメリットは計り知れない好影響を与える。

「現在は180枚のCGでも3時間もあればレンダリングできるのです。お昼にセットしておけば夕方にはチェックできる。これまでは帰り際にセットして翌日にチェックしようと思っても終わってなかったなんてこともありましたが、今は余裕を持って業務に打ち込めます」と中内氏は語る。NVIDIA Maximus Technologyは、プロセッサーに負担を掛けずに、すべての作業はGPUが行っている。そのためレンダリングが始まってもCPUに負荷がかかることも無く、業務が続行できるのも大きなメリットなのだ。

NVIDIA Maximusは、NVIDIA Quadroのグラフィックス性能と、NVIDIA Teslaの高性能演算力を単一のワークステーション内に統合します。
Teslaコンパニオンプロセッサは、フォトリアリスティックなレンダリングや工学的シミュレーションの計算などの負荷の大きな処理を実行します。これにより、 CPUリソースは最も得意とする作業(I/O、オペレーティングシステムの実行およびマルチタスキング)のために開放され、Quadroはリッチでインタラクティブなデザインに専念することができます。

NVIDIA TeslaNVIDIA Maximusは、NVIDIA Quadroのグラフィックス性能と、NVIDIA Teslaの高性能演算力を単一のワークステーション内に統合します。

  企業のコミュニケーション力を向上させ、勝てる製品づくりを後押しする

最新のGPUコンピューティングを武器とし、コミュニケーションCADやデザインクリニックを提供しているクリート。同社が提供するサービスに触れた各企業では、すぐに変化が起こり、会議の様子なども一変するのだという。「従来の会議やコミュニケーションは『キャッチボール型』だったといえます。これを弊社では『大部屋型』に変えていくことをひとつの目標にしているのです」と語る山下氏。

例えば、デザイン会議において設計要件が変更になったとすると、設計部署からデザイナーにその内容が伝えられる。受け取ったデザイナーはそれを反映して、再度会議を開きその結果が適正か全員で吟味することになる。その場合、各部署間を変更された要件が飛び交う形となり、お互いに内容を持ち帰りながら作業するため時間も必要となってしまう。
「弊社が提供している3D CGはズームアップも、内部構造もすぐに描画することが可能です。これを見ながら会議をすれば、異なる部署が集まる中で、その場で具体的な解決方法を全員で確認しあうことができるのです」と山下氏は語る。リアルな3D CGはイメージを膨らませやすい。例えば設計要件でパーツの一部が大きくなってしまい、従来のデザインでは収まりそうもないといった場合でも、3D CGを見ながらならお互いに意見を出し合って、周囲のパーツを細身にすればよいといった具体的な解決方法もすぐに見つかるのだ。

「高い品質の3D CG画像を動かしながら見ていけば、直感的に解決策もすぐに思いつくものなのです。先ほど述べたコミュニケーションCADというのは、まさにこのことで、問題点の気付きを早めるパワフルなツールになりえるのです」と山下氏も自信を覗かせる。時間にしても、キャッチボール型のコミュニケーションでは2週間以上掛かるようなケースでも、コミュニケーションCADを用いれば数時間で解決することも多いのだという。「この段階でデザイン中の商品をどのようにしたいのか話し合うことが大切なのです。ライバルの商品と比べてどこを高めるのか、市場で勝つための知恵をみんなで出し合うことが重要なプロセスになるのです」と山下氏は語る。HP Z800とNVIDIA Maximusによる3D CGのリアルタイムレンダリングが問題解決から商品開発そのものまでリアルタイムに変えていくのです。

  テクノロジーを有効に活用して新たな展開も視野に

「リアルタイムで動く3D CGを見ながら実際に会議を行っていると、まさにその空間はライブに近い感覚になるものなのです。いい空気を作るのも我々の大切な仕事だと思っています」と笑顔で語る山下氏。先に説明したデザインクリニックで、デザインの評価がある程度確信できることも手伝い、クリートが提供するサービスを取り入れている企業では、ワークフローが大きく変化するのだという。「根本的なデザイン調査を行っていなかった企業や、CGに対して疑念を持っていた企業でも、今ではまったく疑いはなくなりました。デザインが変わったという評価をいただいているところも多くあるので、それが最大の褒め言葉だと思っています」と山下氏は語る。

クリートのサービスを受けている企業では、商品デザイン、設計における開発初期段階のコミュニケーションの効率化や時間短縮だけでなく、経営判断のスピードアップや、モックなどの制作費の削減など、様々な点で効果が見られるのだという。「今後もサービスの範囲を広げていきたいですね。ワークステーションやGPUも機能面、性能面でさらに向上していくでしょうから、やりたいことがもっと容易に実現できてゆくと想像しています」と山下氏。「デカールなどの細部の描画能力などがもっと向上するといいですね。CGのライティングなどの自由度ももっと上げていきたいと思っています。リアルタイムレンダリングの速度も満足していますが、もっと速くなるといいと感じています」と中内氏も今後への期待を語る。

「仕事をはじめた20年前にやりたかったことがようやく実現できるようになりました」と笑顔で語る山下氏。HP Z800 WorkstationとNVIDIA Maximus Technologyによるリアルタイム3D CGレンダリングという新たな武器を手に入れたクリート。そのクリートが提供するサービスによって、企業が開発する商品デザインが広く受け入れられ、世界中のユーザーを満足させ続けてくれるはずだ。

山下氏と中内氏

記載されている会社名、製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。
本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。
予めご了承下さい。
Windowsのエディション、またはバージョンによっては、ご利用いただけない機能もあります。 Windowsの機能を最大限に活用するには、ハードウェア、ドライバー、およびソフトウェアのアップグレードや別途購入、またはBIOSのアップデートが必要となる場合があります。 Windows 10は自動的にアップデートされ、常に有効化されます。 ISPの料金が適用され、今後アップデートの際に要件が追加される場合もあります。 詳細については、 http://www.microsoft.com/ja-jp/ をご覧ください。

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe® Reader®が必要です。
アドビシステムズ社のウェブサイトより、ダウンロード(無料)の上ご覧ください。