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複写・軽オフ業からデジタル印刷ビジネスへ戦略的に転換

株式会社エフ・アイ・エスは1982年に設立され、デジタル印刷、各種印刷・製本サービスから発送業務やマーケティング支援などをワンストップで提供するサービスプロバイダーである。電算写植機の販売からスタートした同社は、入力代行やオペレータ派遣業務を通じた出力業務のインプラントサービスへと事業を拡大し、顧客ニーズに対する最適なサービスを提供するビジネススタイルを貫いてきた。

一方、社内にEC(電子商取引)ならびに、RIP、ワークフロー、MISなど印刷のデジタル環境を開発するための技術と人材とを蓄積してきた。その後、こうしたサービスの志向とテクノロジーとを戦略的に融合することで、現在のドキュメント・ソリューションの原型へと発展させてきたのである。

ビジネスの戦略的な転換を担った同社の岡本幸憲専務取締役は、デジタル印刷の普及が始まった頃、米国でe-learningの運用・サービスビジネスに関わっていた。当初より、IT あるいはインターネットサービスがもつ合理性や多様性に直接触れることでその価値を認識してきた。現地でデジタル印刷を利用したビジネスも手掛け、モノクロの高速機をタンデム運用することでの教材印刷や在庫レス提案などの経験も持つ。

こうした米国ビジネスで培ってきたIT技術が同社のデジタル印刷ビジネスの中核となっている。ITの位置づけと利用法について岡本専務は、「ITとは顧客のニーズではなくウォンツを実現するものだ。ITを利用し、顧客の横で、顧客ビジネスの中にデジタル印刷の仕組みを提供することが我々の使命だ。」と語っている。
株式会社エフ・アイ・エス 取締役専務 岡本 幸憲 氏
株式会社エフ・アイ・エス
取締役専務 岡本 幸憲 氏

独自 Web to Print プラットフォームの開発と顧客支援の想い

同社では5年を費やし Web to Print プラットフォームの開発を手掛けた。“システム”ではなく“プラットフォーム”として開発してきたことには訳がある。そこには岡本専務とエフ・アイ・エスに根付いてきた「顧客支援への想い」があるのである。Web to Print システムとは印刷会社が顧客に対して提供する、仕様の決まっているツールを指すが、プラットフォームは異なる。プラットフォームとは、様々な機能を備えた個別モジュール群から構成されており、必要に応じて機能を選択して利用することができるものである。

岡本専務は次のように語る。「顧客にパッケージ化されたシステムを提供するのではない。顧客のビジネスが、提供するシステムの仕様を決めるのである。それが顧客ビジネスの中に仕組みを提供することである」と。首尾一貫した同社の信念はまさに顧客支援であり、顧客ビジネスの支援なのである。

独自開発の Web to Print プラットフォームには大きく2つの製品がある。顧客がその顧客に向けたサービス提供の窓口を提供するクラウド型フロントサービス “PSF.2” と、顧客のビジネスにデジタル印刷のワークフローを実現する“FIS Web to Print Workflow”(MIS)である。“PSF.2”はWebブラウザを通じた受発注から、オンライン校正、バリアブル印刷、在庫管理などの機能を提供する。また“FIS Web toPrint Workflow”は、顧客の専用サイトと連携し、顧客のビジネスの中にデジタル印刷の仕組みを提供するためのワークフローモジュール群である。
Webインターフェースはもとより、各種データベース、マーケティング機能から自動組版、バリアブル印刷など多様なモジュールを揃え、顧客のビジネスに合わせてその仕様をカスタマイズすることが可能である。

どちらのプラットフォームも、非常に簡単な操作で顧客側が発注指示を出せるようになっており、発注指示あるいは印刷指示が行われると、製造工程までが自動で処理される仕組みとなっている。「Web to Print では可能な限り人手を介すことなく業務が流れることが必要である。」と岡本専務が話されるように、理想的なワークフローとして開発されている。

ヒューレット・パッカードを真のパートナーとして

Web to Print プラットフォームの開発には大きな壁があった。それは自動化の壁である。どのメーカーのデジタル印刷機も単独で完成されており、同社が目指す自動化のワークフローに出力機として組み込むことは容易なことではなかった。自動稼動させるためには、RIPを含め、カラーコントロールから機器のコントロールなどに外部から接続することが必要となるためである。さらに Web to Print ビジネスの確立のため、「顧客に対する品質保証と、顧客を第一に支援するためのオープン性が必要であった」そしてその想いを理解し、受け入れて応えたのがヒューレット・パッカードであった。「デジタルフロントエンドへの接続方法を公開してもらえたこと、その判断とレスポンスの速さ、そして何より顧客のために何ができるかということを真剣に考えていることに共感できたのである。」(岡本専務)

もう一つ、ヒューレット・パッカードを選択した理由がある。それは乾式トナーの限界である。出力される印刷物の質感と品質を軸にしてデジタル印刷をポジショニングした場合、乾式トナーではカラープリンタのフィールドから抜け出すことができない。恐らく顧客から言われるであろう。「クイックプリントショップと何が違うのか」と。本来の意味でオフセット印刷とカラープリンタの間を埋められるのはHP Indigo デジタル印刷機であると岡本専務は判断したのである。

こうしてヒューレット・パッカードはエフ・アイ・エスの真のビジネスパートナーとなった。ヒューレット・パッカードなくしては、Web to Print プラットフォームは完成を見ることはなく、またエフ・アイ・エスが考えるビジネスを実現することはできなかったのである。

経験をオープンにしてデジタル印刷の価値を
ダイナミックに伝えることが使命

Web to Print を中核としたサービスプロバイダーへのチャレンジはまだ始まったばかりだと岡本専務は言う。顧客のビジネスの中にデジタル印刷の価値を仕組みとして提供し、その結果として、顧客の“1”を顧客と一緒に“10”にするという顧客視点でのビジネスをさらに拡大していくつもりだ。そのために、これまでの経験をオープンにするという。そして自らの想いと開発してきたプラットフォームを、より多くの方々に知っていただきたいと考えている。「同じ想いを持つ者、同士よ集え!デジタル印刷の価値をダイナミックに伝えていこう!」と。こうした想いがデジタル印刷市場をさらに拡大する原動力になっていくのではないだろうか。

2010年には“100% Digital Production”をテーマとした生産拠点を横浜市に開設。2015年にはデジタル印刷のみで売上50億を目標としている。2011年に HP Indigo 5500 デジタル印刷機の増設も行われた。エフ・アイ・エスの視界は良好である。

チャレンジ

独自開発のWeb to Print プラットフォームであるPSF.2ならびにFIS Web to Print Platform により、“顧客ビジネスの中にデジタル印刷の仕組みを提供する”顧客視点でのビジネスを実現し、多くの顧客を獲得する。今後はデジタル印刷の価値を伝えることで、さらなる市場拡大を目論む。

 

ソリューション

  • ・HP Indigo 5500 デジタル印刷機 3 台
 

結果

Web to Print プラットフォームの活用により

  • ・テンプレートデザイン活用ビジネスとしてチェーン展開顧客を獲得
  • ・マーケティング支援ビジネスとして自動車販売会社を獲得
  • ・在庫レスビジネスとしてSI 企業、カタログ制作会社を獲得
  • ・新規ビジネス支援としてプロ野球球団、プロバスケットボールチームを獲得

ほか多数の顧客獲得に成功

会社概要

株式会社エフ・アイ・エス
〒108-0074 東京都港区高輪4-5-10 第二C & Rビル
URL:http://www.fisnet.co.jp  

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