2018年3月6日〜9日に開催された、第34回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2018」に日本HPが出展。多くの来場者が訪れた。本特集では、購買者に新しい体験をもたらすというHPリテールソリューションの展示内容を、キーパーソンのインタビューとともにレポートする。

●模擬店舗でElite POSのデザイン性の高さを実感

 流通業向けのテクノロジーやサービスを紹介する場となっているリテールテック。今年の全体来場者は約12万人(主催者発表)と相変わらずの盛況ぶりで、流通業の課題を最新テクノロジーで解決することに期待を寄せる多くの関係者が集まった。日本HPの出展ブースでも、流通業関係者を強く意識した製品やサービスを紹介する空間が作られた。


 なかでも今回、前面に打ち出されたのが、「HP Elite POS G1 Retail System(以下、Elite POS)」だ。昨年8月に新バージョンがリリースされたElite POSは、「デザイン性」「柔軟性」「セキュリティ」という、3つの大きな差別化ポイントをもっている。


 最も訴求しやすいポイントとなるのは「デザイン性」だろう。会場で来場者の対応にあたっていた日本HP専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 九嶋俊一氏は、「(リテールテック)展示会場を見渡していただけるとよくお分かりになるように、HPのPOSは圧倒的にデザイン性が高くスマート。お客様にとって購買意欲をかきたてる空間を演出しています」と語る。


 確かに、スタイリッシュなデザインのElite POSは、デザイン性に乏しい一般的なPOSのイメージと一線を画している。上質なボディに加え、ケーブルを内蔵できる点もデザイン性に寄与する。さらにレシートプリンター内蔵型では、別途プリンターを置く必要もない。結果、余計なものがない、すっきりとしたカウンターを実現。店員は上質な接客サービスに集中でき、お客様は心地良い空間でそのサービスを受けることができる。


 展示会ブースでは、そのイメージを具体的に見られるように、「HP Cafe」と名付けたおしゃれなカフェが再現された。Elite POSは、スタイリッシュな店舗のイメージを損なうことなくカウンターの一部として溶け込んでおり、有名カフェチェーンで既に採用されているというのも納得できる。


 このデザイン性に着目し、今年4月に新たにリリース予定のホワイトバージョンもお披露目。明るい店内デザインにも溶け込み、ブランドイメージを損なわないという点で「ホワイト」は大きな武器となる。世界展開での高い評価を受け、日本でもリリースされることとなったという。


 ホワイトバージョンを展示するために、「HP CLOTHING STORE」と名付けたアパレル店舗も再現。明るい色彩を基調とした店内で、白いカウンターに設置されたElite POSが場の雰囲気に溶け込む。そして、通常POSのような存在感によって隔てられがちな、お客様と店員の距離感もぐっと縮まっているように見える。


 

●様々なシーンで活用できる「柔軟性」

 Elite POSの2つ目の差別化ポイント「柔軟性」についても、展示会ブースの至るところで紹介されていた。この柔軟性という点から、4つの設置スタイルを順番に見ていこう。


 1つ目は、カウンターの下へとコードを通す基本スタイル。
Elite POSはコードを本体に内蔵しているため、カウンターに穴をあければ本体からカウンター下までケーブルを貫通させることができ、レジ周りにケーブルを見せずにすっきりと収めることができる。



カウンタートップ

 2つ目が「カウンタートップ」。これはカウンターに穴をあけられない場合などに、設置用のテーブルを使用するスタイルだ。


 3つ目の「ポールマウント」はポールへ接続して設置する方法。このケースではPOSとしての利用だけではなく、お客様への案内端末としての利用も想定している。実際、ホテルなどにおいて、案内端末として採用もされているという。HP Cafeでもその設置イメージが展示されていた。


 4つ目の「ウォールマウント」は、壁に設置する方法。Elite POSをデジタルサイネージとして利用することで商品をプロモーションし、店内で決済するといった利用方法のほかに、従業員の勤怠管理などでの利用も想定されている。会社の入口で、勤怠管理用のカードをElite POSに直接通すイメージだ。POS端末としてカードリーダーを本体に備えているため、こうした幅広い活用ができるわけだ。長期保証が提供されるElite POSという安心と信頼性をベースに、様々な用途に使用できるという点を念頭においておくことで、流通業以外の業種へと提案の場所はさらに広がりそうだ。


 

ポールマウント

 

ウォールマウント

●オプション利用によって広がる活用シーン


HP MX12リテールソリューション

 また、様々なオプション製品を接続できるのも、「柔軟性」に優れている点だろう。ディスプレイやバーコードリーダー、指紋リーダーなど、多様なオプションが用意されており、店舗での利用用途に合った提案ができるというのも大きな魅力だ。


 Elite POS以外でもリテール向けのソリューションとして紹介されていたのが、HP MX12リテールソリューションだ。これは、HP PRO x2 612 G2タブレットに、オプションのリテールケース12やリテールドッグを組み合わせたもの。売場での接客活用を想定している。


 とくにアパレル業では、サイズ展開の在庫確認に時間をとられることも多い。その際、このHP MX12リテールソリューションを利用し、その場で在庫の確認ができれば、お客様の待ち時間が減り顧客満足度が向上するとともに、接客効率も上がる。さらに、その場で決済すれば、同様に時間短縮ができ、店にとっても顧客にとっても嬉しい効果を生むだろう。


 ブースではタブレットを手に接客する店員姿のマネキンのほか、お客様自身で在庫確認ができるように、バーコードリーダーと組み合わせた端末のある売り場イメージも展開された。人手不足問題が深刻で、効率化が非常に重要なテーマとなっている昨今の流通業にとって、このようなソリューションは魅力的なものに映るはずだ。

●POS「だからこそ」セキュリティも重要

 さて、「デザイン」や「柔軟性」のように「目に見える」ものではないからこそ、忘れてならないのが「セキュリティ」の高さだ。


 様々な場所からアクセスでき、誰でも入店可能な店舗で、お客様のクレジットカードなどの個人情報を扱うPOSには、セキュリティの高さが重要な要素となる。
 「デザイン性が高く、オープンな店舗を演出できるからこそ、デバイスの中にある情報を守る必要性が高まります。見た目にかっこいいものを作りつつ、裏側でしっかりセキュリティを強化するというのがHPの姿勢です」と九嶋氏。しかし、米国大手チェーンストアでは、他社製のPOSからクレジットカード情報が漏えいするという事件が実際に起こっている。だからこそ「世界で最も安心なPC」をお届けするHPが、セキュリティ対策を強化しているという事はお客様へぜひアピールしたい点だ。


 本稿ではセキュリティ実装に関しての詳細は割愛するが、POS端末を脅威から守り、取引データを安全に保つ新技術、Intel Data Protection Technology for Transactionを採用しているほか、マルウェアなどにより攻撃されたMBR(マスターブートレコード)/ GPT(GUIDパーティションテーブル)を修復する機能HP BIOSphere Gen3や、業界唯一の自己修復型BIOSを持つHP Sure Start Gen3の搭載といった、HPならではの各種セキュリティ機能はぜひ押さえておきたい。

●POS以外の関連製品/サービスにも注目


HP DesignJet T830 MFP A1モデル

 POS以外で、リテール向けソリューションとして展示・紹介されていた製品やサービスを3つご紹介しておこう。

 1つ目は、HP DesignJet T830 MFP A1モデル。店で利用する大型サイズのPOPが印刷できるほか、スキャナー機能を備えているのも売りだ。

 スキャナーを活用することで、たとえば「店長おススメ」といった温かみのある手書きPOPを大型化したり、複数印刷したりすることもできる。


 2つ目は「HPアナリティクス・プロアクティブ管理(Analytics and Proactive Management:APM)」というサービス。4月上旬に開始予定のこの新サービスは、点在する店舗端末を一元管理、監視するというもの。端末の異常を察知し事前に対策を打てるほか、稼働状態など各種情報をユーザーへフィードバック、店舗運営に役立てることもできる。HP以外の端末もサポートするマルチベンダー対応なので、他社の製品デバイス導入企業へ提案できるのも魅力の1つだ。



最先端のVR技術を体験

 3つ目がHP Z VR Backpack G1 Workstationを利用したVRソリューションだ。ヘッドマウントディスプレイを装着することによって、あたかも実際の空間の中にいるかのような感覚で、店舗などの設備設計ができる。店舗はお客様にとって「感覚的に」快適な空間でなければならい。その意味で、紙上ではなく、「体感」しながら設計できるという点は非常に大きい。子ども目線の場合、棚を設置した場合、POSを設置した場合など様々なケースを仮想空間内で立体的、視覚的に確認ができる。


 実は、今回のHPのブース自体も、HP Z VR Backpack G1 Workstationを利用して設計されたもの。展示ブース全体を設計、プロデュースした日本HPパーソナルシステムズ事業本部 マーケティングアライアンス担当マネージャの松本英樹氏は「全体空間を体感しながら設計できるのはもちろん、資料を入れる台の高さなど、細かい点も感覚的に問題ないか確認できるのが素晴らしい」と、実際に感じたその使い勝手を教えてくれた。


 リテールテックの場においては、このような設計用途を打ち出ししていたが、このVRの活用の場は広い。たとえば賃貸物件の内見の利用や、新築マンションの内装イメージの提示などだ。実際、不動産業界ではこうした導入事例がすでに多くあるという。




●お客様の「体験」を向上させることが付加価値になる

 こうした最先端のVR技術にも象徴されるように、これから製品やサービスを提案するうえで、「体験」は重要なキーワードとなりそうだ。


 九嶋氏は「『工業』『情報』の時代を経て、世の中は『体験』の時代になりつつあります。お客様に良い『体験』をしていくことが重要です。流通業様においては、オムニチャネルの時代だからこそ、実店舗に来るお客様の体験の心地よさを向上させることが必要です」と説明する。


 HPリテールPOSの高いデザイン性も、店舗での顧客体験を上げるための重要な要素というわけだ。


 最後にパートナーへのメッセージを聞いた。


 「流通業のお客様をお持ちのパートナー様には、ぜひ新しい顧客体験を提供するHPリテールソリューションを提案していただきたいと思います。また、流通業以外のお客様をお持ちのパートナー様には、どんな商売でもお客様がいらっしゃることを意識していただき、そのお客様の体験を向上させるニーズを積極的に探していくことで、単なる価格競争に陥ることなく、追加の売上を期待できると思います。ぜひ、よろしくお願いいたします」(九嶋氏)。


お客様がHPの製品と接する様子を、まさに「体験」できる場となった今回の展示ブース。ぜひ、HPパートナーも、 自身のお客様のビジネスの現場を想像しながら、リテール分野はもちろんのこと、様々な分野に最適なご提案をしていただきたい。


また法人様向けショールム「HP カスタマーウェルカムセンター 東京(CWC)」でも、Elite POSやVRを実際にご覧いただくこともできるので、ぜひ活用してもらいたい。
(問い合わせはHP営業担当まで)


日本HP Partner News 2018年3月27日号 特集記事]
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