Partner News新春恒例企画、日本HPトップインタビュー。昨年を振り返りながら2018年の事業戦略や抱負、パートナー様との協業施策などを聞いた。

<2017年のPCビジネス振り返り>

●ノートPCが全体の成長を牽引

日本HP 代表取締役 社長執行役員 岡隆史氏
日本HP 代表取締役
社長執行役員 岡隆史氏

- 昨年の国内PC市況と日本HPの実績はいかがでしたか。

 2017年はPC市場全体がプラス成長となりました。4年前のWindows XP更新需要の反動から、その後のPC市場は縮小トレンドが続きましたが、ようやく通常の需要サイクルに回復してきました。また、働き方改革への企業意識の高まりが生産性向上ツールであるPC事業に強い追い風になりつつあります。


 その中でも当社は10四半期連続で市場平均を上回る高成長を続けています。昨年は「将来成長に向け、PC事業の勢いを加速する年」と位置付けて活動した結果、全ての製品分野で着実にシェアを伸ばすことができました。


- 成長の原動力は何でしたか。

 HPのPCビジネスは「世界で最も安全で、管理性に優れた製品」の提供を志向し、セキュリティ機能と管理ツールの強化を進めたことが、お客様のニーズに合致したと考えています。また、製品的には2 in 1から超薄型モバイルまで、幅広い製品ラインアップで用途の広がりに応えたノートPCが大きく成長しました。中でも、プレミアムシリーズのHP EliteBook Folio(以下Folio)やHP Elite x2は洗練されたデザインに加え、機能性の高さで多くのお客様に採用いただきました。


HP EliteBook Folio   HP Elite x2
<HP EliteBook Folio>   <HP Elite x2>

 特に、HPならではの製品細部へのこだわりが評価されるケースが増えています。例えば、MIL規格(米軍調達基準)への適合による高い堅牢性やBIOSレベルまでをも管理するセキュリティ機能、Bang & Olufsenオーディオの採用やノイズキャンセラーをはじめとするコラボレーション機能などです。


 従来、日本市場でのHP製品はデスクトップPCのイメージが強かったのですが、ノートPCの急成長により、PC市場全体におけるHPブランドの浸透を強く感じています。特に、13インチ以下の企業向けモバイルノートPC分野で国内シェアNo.1(※)を獲得できたことは大きな成果でした。

※出典:IDC Quarterly Personal Computing Device Tracker - 2016Q4
 Region: Japan, Product Category: Notebook, Segment Group: Commercial, Screen Size Band: 12”<13”/13”<14”


- ここにきてHPはノートPCの洗練されたデザインが評価されていますね。

 はい、企業向けの「Elite x2」や「Elite x360」、個人向けPC「Spectre」など、世界的にもプレミアムデザイン製品の販売が大きく成長しています。実は、これは日本のパートナー様のおかげといっても過言ではありません。3年前、初代EliteBook Folioの開発ではデザインや重さはもちろん、日本市場でどうすれば成功できるのか、パートナーの皆様からのご意見をグローバルの開発チームにぶつけて何度も議論することで、日本市場に向けたプレミアムデザイン製品を完成させました。
 この製品(Folio)を世界最大の家電展示会CESで発表したところ、非常に高い評価を受け、世界のベストポータブルPCに選ばれました。このデザインが現在のHPのノートPCのベースとしてグローバル展開が進み、世界中のお客様の支持を得ています。日本のパートナーの皆様には本当に感謝しています。


HP EliteBook x360   HP Spectre 13
<HP EliteBook x360>   <HP Spectre 13>

<2018年のPC事業>

●市場環境の変化をチャンスと捉え、ビジネスの拡大へ

- 2018年のビジネスについてお聞きします。PC需要の変動に加え、ベンダー間の事業統合など、多くの変化がありそうです。市場をどのように見ていますか。

 規模の経済が競争力を左右するボリュームビジネスでは、国内だけではなくグローバルでの販売スケールが重要です。HPは世界No.1のPCベンダーであり、業界で最も速いペースで成長、事業規模を拡大し、2位との差を拡げ続けています。
 日本でも同様に、常に業界最高の成長を目指します。また、既存のPC製品分野に加え、ワークステーションやシンクライアント、業種特化型のPOSシステムなど、幅広いデバイスビジネスの展開を図ります。さらには、将来を見据えたVR/ARや3Dなど、先進テクノロジーへの投資も拡大し、新たなソリューション領域の開発を進めていきます。他に無いHPの製品ラインアップが、パートナー様のソリューション提案における強みや差別化ツールとしてご活用いただけるよう、これからも積極的に製品投入を行っていきます。


HP Z VR Backpack   HP ElitePOS   Sprout Pro by HP
<HP Z VR Backpack>   <HP ElitePOS>   <Sprout Pro by HP>

●キーワードはセキュリティ、モビリティ、コラボレーション

- これらのキーワードは、市場にどのように受け止められていますか。

 今後もこれらのキーワードがクライアント事業の重点要素であることに変わりはありません。特に、サイバー攻撃が高度化しながら増え続ける中で、セキュリティの強化は不可欠です。HP製品は独自のセキュリティ対策機能を数多く搭載しています。大企業のみならず、予算やノウハウでの制約を抱える中堅中小企業のお客様にもこれらの機能を最大限に活用いただくことで、HP製品のメリットを十分に提供したいと考えています。


 モビリティでは、企業の重要課題である“働き方改革”のツールとして、様々な業務用途に最適化した製品の品揃えを図っていきます。PCとしての性能を保ちつつ、瞬時の起動と長時間利用というスマートホンの便利さを両立した“Always Connected PC”などはその一例です。


 コラボレーション効率化に対しても、いよいよお客様の導入検討が進んできました。これまでも働き方改革やテレワークをテーマとしたセミナーが数多く実施され、お客様の関心と理解が深まってきました。先進的な企業では、既に具体的なシステム導入効果が顕在化し、事例として伝えられる段階となりつつあります。今後、中堅中小企業へと浸透する中、大きなビジネスチャンスとして期待できます。

●未来を見据えた「Office Of The Future」コンセプト

- 2018年の新たなキーワードはありますか?

 HPはデバイスやサービス提供において「Office Of The Future(未来のオフィス)」をグローバルの事業コンセプトとして掲げています。ここでのオフィスは、従来のオフィスビル内に限らず、働く全ての環境を指します。例えば、外出先のカフェ、お客様先のサイトや自宅、さらに移動中の屋外も含まれます。セキュリティを保ちながら、どこでも柔軟かつ集中して効率的に仕事ができる環境を提供することで、生産性の向上を実現します。


 前述のセキュリティやモビリティ、コラボレーションは、Office Of The Futureを実現するためのコンポーネントという位置付けです。今年は、このコンセプト発信を通じてHPが将来にわたり最先端のオフィス環境を提供し続けることを伝えていきたいと考えています。

●将来の大きな変化に向け今から備える

- 2020年は東京オリンピック、Windows7のサポート終了など、大きなイベントが予定されています。どのようなビジネスへの影響が予測されますか。

 2020年はIT業界全体に関わる大きなテクノロジーの変わり目を迎えます。次世代ネットワーク「5G」では高速化や多接続、低遅延が実現され、IoT活用の急進展が見込まれます。また、4K/8Kコンテンツも一般化してきます。
 オリンピックを迎える東京は、最先端技術を披露する場として各企業が様々な取り組みを進めています。インフラ環境の一新を契機に、ソフトやハードウェアの進化はもちろん新たなビジネスモデルの登場も期待できます。それらは、未来の日本の競争力の転機になるかもしれません。HPとしても今からイメージを拡げ、準備を進めていきます。


同時に目の前の課題として、2020年1月のWindows 7サポート終了があります。4年前のWindows XP時は、市場全体がOSサポート終了の直前に慌てて入れ替えをするなど、急場凌ぎの対処が多発しました。しかし、本来、クライアントPC環境の見直しはOSの更新に留まらず、企業のIT環境とビジネス競争力をレベルアップする機会に繋げるべきものです。そのためにはシステム検討・導入の準備期間を適切に確保し、計画的に進めるべきです。2020年から逆算すれば、2018年の今にも準備を開始しなければ間に合いませんが、中堅中小企業のお客様の多くは、まだまだWindows 7サポート終了を認識されていないように感じます。
 我々HPもこの課題について、引き続き市場へのメッセージ発信を強めていきます。ぜひ、パートナーの皆様もお客様のビジネスに貢献するためのアプローチ強化をお願いします。


<プリンティング事業の2018年>

●プリンティング事業も堅調、2018年はグラフィックス分野に注力

- 昨年のプリンティング事業はいかがでしたか。また、今年のアクションは何ですか。

 プリンティング事業も企業向けを中心に昨年は好調に推移しました。働き方改革も追い風となり、HP OfficeJetモバイルプリンターや小型プリンターが伸びました。
 これらは医療や流通・サービス業の現場に加え、色々な組込システムに採用されるケースが目立ちました。


 大判プリンターはHP DesignJetのエントリー製品が非常に堅調でした。他社製品の単一機能機と同等価格で複合機を提供するなど、コストパーフォーマンスの高さが強みを発揮しました。また、MIL規格準拠の頑丈なアーマーケースモデルや、A1サイズを30枚/分の超高速印刷が可能なPageWide XLなど特長ある製品ラインアップで注目を集めました。


 今年、大判プリンターはグラフィックス分野に注力します。HPの大判プリンターは設計・製造のテクニカル分野を中心に20%超のシェアを獲得していますが、グラフィックス分野でもHP DesignJet Zシリーズの機能強化で成長を狙います。グローバルでは強みを持つこの分野を、日本はパートナー様との協調でカバレッジを拡げることで開拓していきたいと考えています。


HP OfficeJet Pro 6970   HP DesignJet T520
<HP OfficeJet Pro 6970>   <HP DesignJet T520>

<パートナー様と共に成長を>

●パートナー様に選ばれるベンダーに。より快適なビジネス環境を整備。

- パートナー様との協調に変化はありますか。

 HPビジネスの大半はパートナーの皆様との協業で成り立っています。パートナー様にとって付き合いやすい最高のベンダーを目指すのが我々の基本です。より円滑なコミュニケーション、サービスレベル向上のために、社内インフラの改善に注力していきます。
 IT投資により、CRMシステムの刷新や受発注インフラであるDirectPlusの継続的なエンハンスを進めます。例えば、製品選択や見積作成の簡易化、値引対応のシステム化等、様々な角度からパートナー様の業務効率化をサポートしたいと考えています。柔軟な営業対応に加え、パートナー様にとって手離れが良く、より付き合いやすいベンダーを目指していきます。

- 最後にパートナー様へのメッセージをお願いします。

 昨年も日本HPとして、非常に良いビジネス成果を収めることができました。これもひとえに、パートナーの皆様のご支援のおかげと感謝しています。ありがとうございました。今年も、より密接なお付き合いが出来るよう、人員を強化し、カバレッジを広げながら直接お話しできる機会を増やしていきます。
 また、前述の通り、今後、HP製品はその中身を語ることで「なるほど」と感心いただけるような製品がますます増えてきます。我々はもっとHP製品を知っていただける環境整備、各種セミナーやWeb等を通じた情報提供を、より一層強化してまいります。
 今後も様々な市場変化と共にビジネスチャンスが訪れます。我々HPは、パートナー様と一緒に学び、共に成長していきたいと考えています。どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

 

日本HP Partner News 2018年1月23日号 特集記事]
本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり、
閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。