HPは業務用大判プリンターや3Dプリンターに加え、ワークステーション新モデルといった最新テクノロジーを紹介する「先進テクノロジーサミット2017」を全国各地で開催している。10月11日に東京・新宿で行われたセッションの模様を紹介しよう。

●HPのテクノロジーが、隈研吾設計事務所のクリエイティブな設計業務をサポート

 「渡辺篤史が探訪する隈研吾建築都市設計事務所の仕事の進め方- 世界各国で進行中のプロジェクトの裏側にHPのテクノロジー-」基調講演は、隈研吾設計事務所の設計室長 名城氏と、「渡辺篤史の建もの探訪」でおなじみ、渡辺篤史氏の軽妙な進行で進められた。冒頭には新国立競技場のプロジェクトをはじめ、世界各国で活躍している建築家、隈研吾氏がビデオメッセージを寄せ、「流動性を高め、いろいろな人と出会うことでクリエイティビティが生まれる。一つの考え方に固定せず、柔軟な建築観を持っていないと設計はできない」と、次々に斬新な建築を生み出すヒントを紹介した。


 中には「なぜHPのイベントに設計士が?」と思われた方もいるかもしれないが、設計業務は3Dアプリケーションによる複雑な解析や検証が必要で先進のテクノロジーが欠かせない。隈氏も「テクノロジーによって設計はどんどん変化できる。そして変化しながら理想型に近付く。簡単に言うと、設計が流動的なプロセスになる」と述べている。


 実際、隈研吾建築都市設計事務所では、日々のコミュニケーションと業務を、HPの高性能なワークステーションが支えている。コンペに提出する資料の作成には、高速で高品質、A1サイズの印刷を可能にする大判プリンターが活躍しているそうだ。


 設計室長を務める名城俊樹氏によると、同事務所ではHP Z840 Workstationを導入して3Dのレンダリングに活用している。ステージ上でコンパクトなデザインを採用した「HP Z2 Mini G3 Workstation」に触れた名城氏は、「何かと手狭な事務所では、こうしたコンパクトな筐体はありがたい。設計業務を行う際には図面を机の上に広げなければならないので、コンパクトサイズで高性能なワークステーションがあると助かる」と述べていた。


 また、溶剤ではなく水性インクを採用したサステナブルなプリンター「HP Latexプリンター」も紹介。乗り物のラッピングや織物壁紙への印刷も可能なことを紹介され、設計の幅が広がり非常に興味深いとコメントしていた。


●ワークステーションはAIやディープラーニングに最適

 続く講演「Zワークステーション新製品セミナー」では、日本HPのワークステーションビジネス本部本部長を務める大橋秀樹氏が、ワークステーション製品のロードマップと新製品のポイントを紹介した。


 常に「業界初」の新機軸を打ち出し続け、国内では9年連続シェアナンバーワンを獲得しているHPのワークステーション。HPではプロセッサやメモリ、グラフィックスといった性能面の向上だけでなく、省スペース型やモバイル型などさまざまなバリエーションを展開してきたほか、近年はデザイン面にも力を入れ、スタイリッシュなモデルを投入してきた。


 その最新モデルが、9月28日にデザインを一新してリリースされた「HP Z G4 Desktop Workstation」だ。エントリーモデルの「HP Z4 G4」とデュアルプロセッサ搭載可能な「HP Z6 G4」、最もパワフルな「HP Z8 G4」という3つのモデルがあり、いずれも「性能」「信頼性・安定性」「デザイン」という従来からの開発コンセプトを踏襲している。GPUやメモリの強化に加え、NVIDIAの最新GPUを搭載しており、モデリングやレンダリング、VRといった用途はもちろん、近年関心の高まるAIやディープラーニングといった分野に応用できることも特徴だ。


 AIやディープラーニングといった分野では、パターン学習のため単純な計算処理を繰り返し繰り返し行わせる必要があるが、ハイエンドのワークステーションはそういった用途にうってつけだ。しかもHP Z8 G4 Workstationは、NVIDIAの高性能GPU、Quadro GP100を2枚搭載し、この2枚をインターコネクトする「NVLink」もサポートしており、2枚のGP100のGPUメモリを共有してより高速な処理が可能になる。まさに「ディープラーニングマシンとしてのワークステーション」を体現するという。

 差別化が図れるポイントとしては、HP独自の画面転送ソフトウェア「HP Remote Graphics Software(RGS)」もある。画面のピクセルデータのみを暗号化・圧縮して転送するため、これまでの操作感を失うことなく、端末側はもちろん、途中のネットワーク上でもデータ漏洩の恐れがない。中には、オフィスに導入していたワークステーションをデータセンターに集約し、RGSで遠隔操作する形で運用しているケースもあるという。セキュリティ強化はもちろん、管理性の向上、パフォーマンスの向上、使い勝手の維持と、複数の要件をまとめて満たす優れものだ。

●一台でVRコンテンツの作成と体験をカバーするウェアラブルワークステーション

 ワークステーション新製品群の中でもひときわユニークなモデルが、VRに対応し、背中に背負ってそのまま操作できるウェアラブルなワークステーション「HP Z VR Backpack G1 Workstation」だ。第7世代のIntel Core-i7プロセッサと32GBのメモリ、NVIDIA Quadro P5200グラフィックスといったスペックを備えたハイエンドワークステーションでありながら、本体の重量はわずか2.6kg、バッテリーを含めても5kg未満で、装着しながら1時間程度没入的なVR体験が可能だ。

 大橋氏によると、すでに市場は「VRってどんなもの?」という段階は過ぎ、どのように活用すればよりよい製品やサービスが作れるか、生産性向上に役立てられるかという段階に入りつつある。中でもエンターテイメントやデザイン・設計、トレーニング・シミュレーションといった分野では、HPワークステーションを活用したVR作成が広がりつつあるという。

 そんな中でHP Z VR Backpack G1 Workstationは、「VRコンテンツの作成と体験を一台でこなせるマシン」(大橋氏)だ。高速・ハイエンドなワークステーション本体をドッキングステーションに接続すれば、そのまま普通のデスクトップワークステーションとして利用できる。ここでCADやVRなどのデータを作成し、そのまま取り外して専用のハーネスに取り付けて背負えば、作成したデータをすぐに体感しながら細部まで確認できる。



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 従来のモデリングでは、VR用に出力したデータを基に打ち合わせを行い、「もう少しここを引っ込めてほしい」といった感覚的な要望を持ち帰っては微調整し、再度データを出力して確認してみても「うーん、ちょっと違うんだよね」といったすれ違いが起こる恐れがあった。だがHP Z VR Backpack G1 Workstationを用いれば、コミュニケーションとVRに基づいて感覚的な要望をその場ですぐにモデルに落とし込み、修正結果を確認し、設計を進めることができ大幅な時間短縮による生産性向上を実現できる。ひいては「新しいデザインのやり方、新しいワークフローを可能にするのではないか」と大橋氏は述べている。



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 会場では、HP Z VR Backpack G1 WorkstationとVRモニタを組み合わせたデモの他にも、A1サイズの印刷が可能な「HP DesignJet T830 MFP A1モデル」をはじめとする大判プリンターを展示。DesignJet T830 MFPのA0モデルが大判複合機のベストセラーとして好評をいただいている中、A1モデルは「プロジェクトでやりとりされる情報の展開を早くしたい」「スペースやコストなど、限られた条件においてでも大判複合機を使いたい」「IT専任者がいなくても簡単に導入できて簡単に使いたい」という、お客様の声を取り入れて誕生した新製品だ。
特にオフィスや建設現場事務所のスペースが限られている日本において、A1サイズを求める声は非常に多く、価格・サイズ・重量の“コンパクト化”を実現した同製品は、今後多くのニーズに応えていくことになるだろう。
また、HP Latexプリンター「HP Latex 115 プリント&カット」と、実際に同製品を用いてさまざまなラッピングを施した車やバイクのディスプレイも並び、来場者の目を楽しませていた。

HPは、高い競争力をもったワークステーション製品に、成長分野であるVRに対して、ウェアラブルという新しい価値と驚きを提供。パートナーにとっても、ワークステーション製品は付加価値が高く、他社と差別化しやすい、競争力の高いビジネスだろう。ぜひ、これからの年末・年度末商戦に向けて、注力して欲しい製品だ。


HP大判プリンター・ワークステーション・3Dロードショー2017が、仙台会場(10/27)、札幌会場(10/31)の2会場で実施されるので来場可能な方はぜひ足を運んでみることをお勧めしたい。

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●日本HPのCWCにVR体験コーナーがオープンしました。


10月17日にHPバーチャルリアリティーを実際に体験できるコーナーが新しくオープンしました。
VR元年と呼ばれる2016年は数々のヘッドマウントディスプレイが登場し、VRが一気に身近な存在となりました。VRはエンターテインメント業界だけではなく、製品開発現場など各種産業界においても活用が広がっています。

このコーナーでは、HP Z VR Backpack G1 Workstation とヘッドマウントディスプレイによって臨場感あふれる体験やVRやHPが目指す世界についての理解を深めることができます。(海底を覗いたり、車のショウルーム体験をしたり、できるデモをご用意)
いまなら、まだ発売前のHP Z VR Backpack G1 Workstationを体感できるスポットとしてもご活用頂けますので、ご興味のあるパートナー様はぜひお問合せください。

日本HP Partner News 2017年10月24日号 特集記事]
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