日本HPは、2017年8月25日、デザインとセキュリティを重視したPOS端末の新製品「HP ElitePOS」を発表、同日販売を開始した。オンラインと実店舗のビジネスを同時に推進し、成長するオムニチャネルにおいて、店舗空間のデザインに合わせて設置できるため、顧客体験を大きく向上させるPOS端末であるという。本特集では、メディア向けに開催された新製品発表会に潜入し、この革新的な製品をレポートする。

●消費者行動の変化に対応したテクノロジーとセキュリティ


HP アジアパシフィック&ジャパン
モビリティ担当ディレクター
ダレン・ウン氏

日本HPは8月25日、デザイン性が高く、セキュリティを強化したオールインワンのPOSシステム「HP ElitePOS」を発売した。本特集では、新製品の魅力とメリットを紹介したい。


記者説明会で、最初に登壇したHP アジアパシフィック&ジャパン モビリティ担当ディレクター ダレン・ウン氏は、グローバルレベルでの、急速な都市化や人口構造の変化など未来を形作るメガトレンドを紹介した。その中で強調されたのは、将来のリテール(小売り)ビジネスの変化だ。それは、オムニショッパーと呼ばれる購買層が増えていることであるという。


ウン氏によれば、88%の消費者は、実際に購入するチャネル以外で製品情報を調べ、82%の消費者が、店内でスマートフォンを使用し、価格比較や製品レビューを確認して購入。そして65%の消費者が複数のチャネルを利用し、「消費者は、製品やサービスの検索、発券、支払い、サービスの提供がシームレスであることを期待している」と、消費者の行動の変化を指摘する。このようなトレンドでは、インターネットや実店舗などを組み合わせたオムニチャネルを前提としたイノベーションが必要で、テクノロジーがオンラインと店舗購入のギャップを埋めるようになるという。このテクノロジーを提供するのが、今回発表されたHP ElitePOSというわけだ。




日本HP 執行役員
パーソナルシステムズ事業 本部長 兼
サービス・ソリューション事業本部 本部長
九嶋 俊一氏

続いて、登壇した日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業 本部長 兼サービス・ソリューション事業本部 本部長の九嶋 俊一氏は、HP ElitePOS開発の背景を説明する。


1つ目のポイントは、ウン氏が指摘するようにオムニチャネルの重要性である。「EC専業企業とオムニチャネル企業の年間売上成長率を比較すると、オムニチャネル企業の成長率が、EC専業企業を上回るようになってきている」と九嶋氏。


2つ目のポイントは、エンタープライズ市場と同様に、セキュリティ、特に、情報漏えいリスクが高まっていることも課題となっていると説明する。


「(セキュリティ)インシデント全件数において、POSへの侵入の割合は大きくありませんが、データ漏えい全件数におけるPOSへの侵入による割合は、Webアプリケーションに続いて2番目に大きく、インシデント数の実に98%以上が漏えいにつながっており、POSのセキュリティリスクは、ほぼ情報漏えいにつながっています」とPOSに対するセキュリティの重要性を指摘する。


このような背景を踏まえて開発された製品が「HP ElitePOS」である。


●プレミアム製品らしい上質なデザインと拡張性

プレミアムロゴをあしらった本体は、こだわりぬかれた上質なデザインを持つ。


本体の設置方法は、店舗のカウンターの設計に合わせて

  1. (1)I/O接続ベースを含めてカウンター上に乗せて運用するカウンタートップAll-in-One型
  2. (2)カウンター上のケーブル穴を利用して周辺機器をカウンター内に設置するカウンタートップI/O分離型
  3. (3)カウンター上のテーブルに本体を固定し、台座のない先進的なスタイルを提供するカウンターマウント型
の3つのバリエーションを提供する。


ディスプレイは、1920x1020 フルHDディスプレイを搭載。ディスプレイを支えるスタンドは、180度回転可能でお客様に画面を見せることも可能だ。また、VESAマウントによる設置も可能となっている。OSは、Windows 10を搭載(Windows 10 Pro 64bitまたは、Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB 64bitのいずれかを利用)。


プリンターは、スタンド内蔵型のカラムプリンターと、スタンドアロン型プリンターの2種類。さらにバーコードスキャナー、磁気ストライプリーダー、指紋リーダーをリリース。これらを支えるI/O接続ベースは、2種類を提供する。

稼働OSがWindows 10であるため、通常のPCと同様にI/O接続ベースを経由してさまざまな周辺機器との接続ができる。

これらの組み合わせが、HP ElitePOSをスタイリッシュに配置し、店舗空間をアレンジするためのポイントとなる。例えば、ディスプレイの操作部と周辺機器との接続箇所を分離して配置することで、カウンター上がすっきり広々とした空間になり、より接客のためにより有効活用できるようになるなどである。

●高いパフォーマンスと信頼性

POSシステムのパフォーマンスが低速だと、顧客体験にも悪影響を与える。HP ElitePOSは、この点においても抜かりはない。高速DDR4メモリ、vPro™テクノロジー対応の第7世代インテル® Core™プロセッサーによって、高い処理能力を実現する。


もちろん、信頼性についても問題ない。米軍調達基準「MIL-STD」試験にも適合する(ただし、九嶋氏によれば、MIL STD 810G試験は取得中で、米国国防総省の契約要件または軍事利用に対する適切性を示すことを目的としているわけではないとのことだ)。


さらに、5年間の製品販売期間に加えて、3年間の標準保証を提供、オプションでHP Care Packにより保守期間を5年に延長することも可能なので、長期にわたって、安心して導入できる。

●店舗システムには欠かせないセキュリティも、一歩先行く機能で提供

セキュリティ強化は日本HPが特に注力している点だ。店舗システムにもこの点でしっかりとした強化が図られている。特に、「さまざまな人が出入りする店舗では、セキュリティを強化することは重要である」(九嶋氏)ということからも、注意すべき点であることは、いうまでもない。


デバイス本体には、BIOSレベルのセキュリティを提供。マルウェアによる攻撃が発生した場合は、業界初の自己修復型BIOSであるHP Sure Start Gen3と、ファームウェアエコシステムであるHP BIOSphere Gen3により、デバイスを修復/復旧する。さらに、オプションとして、指紋リーダーを利用したログイン管理と不正アクセスからの保護、安全なユーザー認証とパスワード保護のためのCredential Guardといったセキュリティ機能を提供している。不特定多数の人が出入りする店舗に配置されるデバイスのため、セキュリティロックケーブルやマウントキットなどで物理的な持ち出しを防ぐセキュリティにも対応する。

●デザイン性にこだわる専門店、ポップアップストア、ホテル、カフェ・レストランなどでの利用を想定

説明会が開催された会場では、ホテルやカフェを模した装飾を行い、実際に顧客がスタッフから商品の購買をしたり、店舗内にあるデジタルサイネージから商品を購入したりといった場面を紹介していた。日本HP関係者によれば、HP ElitePOSは、デザイン性にこだわる専門店、ポップアップストア、ホテル、カフェ・レストランなどでの利用を見込んでいるとのことだ。


そもそもHPがPOSシステムを提供しているということはあまり知られていないかもしれないが、実は国内外で多くの実績を持っている。今回の新製品発表会でも「すでにHPのPOS製品の世界シェアは2位となっており、例えば国内ではスターバックスコーヒージャパンが採用し、米国スターバックス本社にも展開し始めています」(ウン氏)と紹介されている。パートナーにとっても、小売業は身近なビジネスであるに違いない。ぜひ、今後の新しい商材として、検討してほしい。


製品価格情報
HP ElitePOSの価格(税別)は、本体の「HP ElitePOS Model 141」は15万円から。「HP ElitePOSトップマウント 2 x 20カスタマーディスプレイ」は3万2000円。「HP ElitePOS Serial/USBサーマルプリンター」は3万8000円。「HP ElitePOS 2Dバーコードスキャナー」は3万円。「HP ElitePOS 指紋リーダー」は2万5000円。「HP ElitePOS ベーシック I/O接続ベース」は3万8000円。


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日本HP Partner News 2017年9月26日号 特集記事]
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