日本HPでは毎年、販売パートナー向けに、市場のニーズと製品および最新ソリューションを伝える「HP パートナー ロードショー」を開催している。2017年のロードショーでは、サイバー攻撃の巧妙化を背景に喫緊の課題となっているセキュリティ対策を軸に、HP製品ならではの機能や管理性が紹介された。ここでは、全国5都市の先頭を切って開催された沖縄会場の模様をお伝えする。

●成長基調を取り戻したPC市場でも特に好調なHPのPC製品群

 PCとプリンティング事業を主力とする新生日本HPがスタートしてから約2年、売上は確実に増加してきた。その大きな推進力要因となっているのが、PC事業の堅調な成長だ。


 冒頭挨拶で株式会社 日本HP 執行役員 パートナー営業統括 エリア営業本部 本部長の那須一則氏は、Windows 7移行による「特需」以来、やや低迷気味だったPC市場が、昨年夏ごろから確実に上向いてきたと説明した。その中でHPのビジネスPCは、グローバルはもちろん、国内でもシェアナンバーワンを獲得している。那須氏は「『デザイン』と『セキュリティ』、それに『コラボレーション』という3つのキーワードでモノ作りを進めている」と、成功の要因を振り返った。


 さて、Windows 7移行が一段落付いたかと思ったら、遠くない将来に迫ってきたのが「Windows 10」への移行だ。マイクロソフトではWindows 7のサポートを2020年1月14日に終了することをアナウンスしている。逆算すると、そろそろWindows 10移行を踏まえた提案に備えなければならない。


 だが、過去の提案書をコピーしただけでは意外な落とし穴が待っている。というのも、セキュリティ強化を重視したWindows 10では、これまでとは全く異なるアップデートライフサイクルを採用しているからだ。「あとあとのことを考えた提案が必要になる」と那須氏は述べ、次のOS入れ替えを、新しい時代に備えた提案を行う「大きなビジネスチャンス」ととらえてほしいと呼び掛けた。

●ご存知ですか? 大きく変わるWindows 10の管理ライフサイクル

 続くセッション「Windows 10 マイグレーションを完全に理解! 〜Waasモデルとそれを支える管理ツール〜」では、株式会社 日本HPパートナー営業統括 吉武 利恵氏が、Windows 10で直面することになる新たな管理ライフサイクルのポイントを解説し、少ない負荷でWindows 10環境を運用するためのツールを紹介した。


 「Windows 10では新たに『WaaS』モデル、つまり『Windows as a Service』として、Windows OSをサービスとして提供する形になりました。一度Windows 10を導入したら、その後ずっと使い続ける仕組みです。そして、攻撃者が脆弱性を見つけて悪用する猶予を与えないよう、細かくOSをアップデートしていきます。具体的には、毎月行われる小さな『Quality Update(QU)』の他に、年2回、3月と9月にFeature Update(FU)が行われることになります」(吉武氏)。つまり、これまで3年程度に1回で考えればよかった入れ替え作業が、半年ごとにきてしまうことになる。


パートナー企業としては、管理・運用の部分を含めた提案ができるかどうかが、顧客の満足度を左右することになる。


 その上で吉武氏は、Windows 10環境で適切な運用を行うためのヒントをいくつか紹介した。特に企業の業務システムにおいて重要になるのが、PCの用途や部署、業務ごとに分類し、段階的にアップデートを適用していく「展開リング」という考え方だという。詳しくはぜひ実際のセッションに参加した上でヒントを持ち帰って頂きたいが、パートナー企業がエンドユーザーに対して貢献できるのは、まさにこの部分だ。単なるアプリケーションの動作環境としてOSを提供するのではなく、運用面も考慮し、「展開リング」を顧客それぞれのルールやスケジュールに従って管理できる仕組みをともに提案することがポイントになる。
吉武氏はセッションの中で、こうした管理の仕組みを容易に実現できるツールと、そのプラグイン「HP Manageability Integration Kit」(MIK)について紹介し、包括的なシステムを提案して「お客様がスムーズにWindows 10環境を使えるようサポートしていただきたい」と呼び掛けた。

●HP PCにしかない6つのセキュリティ機能で顧客の安全確保を

 続くセッション「究極のセキュリティ機能と管理性でスペックイン! 〜HPのビジネスノートと2in1タブレットで単価&勝率アップ〜」では、「デザイン」「セキュリティ」「コラボレーション」というHPのPC開発コンセプトの3本柱のうち、特にセキュリティにフォーカスし、WaaSモデルを採用したWindows 10と組み合わせて、他社のPC製品では実現できない高いセキュリティレベルを実現できることを紹介した。


 セキュリティは、働き方改革の中で注目を浴びるテレワークや在宅勤務を実現する上でも重要な要素となる。自宅からボタン一つで高品質なテレビ会議に参加するなど、場所を問わずにコラボレーションできるようになるのは良いが、一方で課題となるのがセキュリティだ。


 「セキュリティを考える上での一番のポイントは、どこで使ってもセキュリティが十分かどうか、ということです。ある調査によると、ノートPCを持ち出し禁止にしている企業の割合は約5割、何らかの制限をかけているところも合わせると7割に上ります。ということは、いま世の中に存在するPCではモバイル環境におけるセキュリティが担保できないため、持ち出し禁止やなんらかの制限をかけて守っているとも言えるのです」(吉武氏)


 それでなくても近年、さまざまなサイバー攻撃の脅威がメディアをにぎわせている。中でも、企業・組織にとって最も気になるのが情報漏洩のリスクだ。吉武氏によると、サーバー領域からのデータ漏洩は年々減少傾向にある一方で、PC本体が盗まれたり、フィッシング詐欺によって認証情報が盗み取られたり、といった形で、ユーザーの「デバイス」、もしくはそれを使う「人」からのデータ漏洩が増えているという。


 HPでは働き方改革に伴うモバイル環境のリスクやサイバー攻撃による深刻な状況から顧客を守るべく、セキュリティの強化に務めてきた。その成果を盛り込んで先日リリースしたのが「HP EliteBook x360」や「HP EliteDesk 800」といった最新モデルで、「世界で最も安全で管理性の高いビジネスPC」と表現されている。


 吉武氏は、HPのビジネスPCのセキュリティ機能を「顧客への提案シナリオ」として6つのキーワードで分かりやすく解説し、さらに4つの「HP PCにしかない」セキュリティ機能を、デモンストレーション動画とともに紹介。WaaSモデルの「展開リング」の管理を実現するSCCMのプラグインソフト「Manageability Integration Kit」(MIK)も組み合わせることで、運用管理者の負担を大きく軽減しながら、セキュリティを高めることができることを解説した。そして、HP EliteBook x360をはじめとするHPのノートPC群は、他社にはない高いセキュリティ機能を備えており、「お客様を守る端末」として類のないスペックを備えていると説明し、ぜひ、提案時の仕様に盛り込んで差別化を図ってほしいと呼びかけた。

●少ない手間で新たな教育体験を実現する教育市場向けのラインナップ

HP ProBook x360 11 G2 EE

 最後のセッション「教育市場特化型のモバイル端末と関連製品のご紹介」では、一般企業とは異なる学校・教育機関ならではのニーズに対応した、HPの教育市場向け製品を紹介した。


 学校では、A0サイズの掲示物・発表物などを掲示・展示する場合が少なくない。そこで多くの教育機関では、A4サイズの紙をスキャンし、A0サイズまで拡大して対応しているそうだ。HPの大型複合機「HP DesignJet T830 MFP」では、そうした作業を簡単に行えるだけでなく、逆にA0サイズで生徒が作成した作品をスキャンしてサイズを縮小し、データの形で保管するといったことも可能だ。また、PCからの印刷だけでなくUSBメモリに保存したデータをプリントアウトしたり、スマートフォンで撮影したデータをWi-Fi経由で印刷することもできる。教員が操作に煩わされることなく、手軽に必要な教材を用意できるようになる。


 また、学校での利用に特化したPC端末も提供している。近い時期にリリース予定の「HP ProBook x360 11 G2 EE」は、Windows 10 Proの教育向けライセンスをインストールしたモデルだ。360度回転可能な端末にはカメラなども付属し、アクティブラーニングに対応可能だ。また電子教科書の利用を想定し、Core M3という高性能なCPUを採用しているほか、ワコム製ペンをはじめ、さまざまな周辺機器に接続可能なインターフェイスも備えている。有線LANのポートも備えているため、Windows 10の運用に求められる更新リングにも対応したアップデートが可能な上、Wake on LAN対応によって遠隔からの電源操作も可能だ。


HP ProBook x360 11 G2 EE
HP ProBook x360 11 G2 EE
 HP x2 210 G2 背面カメラ付き
HP x2 210 G2 背面カメラ付き

 一方、クラムシェル型の「HP x2 210 G2 背面カメラ付き」は、デュアルチャンネルの無線LAN対応など優れた機能を備えつつ、4万円を切るというコストパフォーマンスの高さが評価され、広く教育市場で導入されている機種だ。CPUのロードマップの関係上、提供時期は限られるが、一人一台体制でコストパフォーマンスを重視する案件では、「電子教科書を使うか」「Windows 10環境か」といった要件を確認した上でぜひ検討してほしいという。


 さらに、優れた性能を備えた教員向け2 in 1タブレット「HP Pro x2 612 G2」、デュアルタッチスクリーンを採用し、3Gスキャナや高解像度カメラ、プロジェクタも備えたイマーシブ(没入型)コンピュータ「Sprout Pro by HP G2」といった全く新しいコンセプトの製品も用意している。特にSprout Pro by HP G2は、シミュレーションなど高度な実習はもちろん、海外では初等教育に活用するケースも多いという。「こうしたデジタル端末を活用することで、生徒が主体的に課題に取り組み、創造性を伸ばす新たな授業展開が可能になるのではないでしょうか」(吉武氏)


HP Pro x2 612 G2
HP Pro x2 612 G2
 Sprout Pro by HP G2
Sprout Pro by HP G2

●ぜひパートナーロードショー 2017にご参加を

会場には、本セッションで紹介されたPCをはじめ、特長ある製品やプリンターが展示されている。もちろん展示コーナーでは製品を手にとって操作したりできる。気になった製品についてはデモも交えて、HPスタッフが詳しく説明をしてくれるので、積極的に質問してほしい。

Windows 10マイグレーションの提案ポイントや最新デバイス情報まで盛りだくさんのパートナーロードショー 2017。セッション内にデモや動画を効果的に織り込むことでわかりやすく印象的な内容になっている。 セッションはもちろん、展示製品説明を聞きながら実機に触れることで、明日のビジネスに活用できる即戦力情報を得るまたとない機会である。

今後、パートナーロードショー 2017 は、浜松(9/5)、札幌(9/12)、埼玉(9/21)で開催を予定されている。ぜひ、最寄りの会場にご参加いただきたい。
申し込みはコチラから。

日本HP Partner News 2017年8月22日号 特集記事]
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