製品部 中山智之氏

HPは、2014年10月に、世界初のイマーシブコンピューターとなるSprout by HP、2016年1月には、企業向けとなるSprout Pro by HPをリリース。さらに、今回国内で発表となったのは、企業向けの第2世代となるSprout Pro by HP G2 (以降、Sprout Pro)である。


株式会社 日本HP ワークステーションビジネス本部 製品部 中山智之氏によれば、パーソナルコンピューターが登場してから、この20年間、ほとんどデバイスインターフェースとしてのイノベーションというものはなかったと分析する。そこで、HPでは、パーソナルコンピューターに革新を起こすためにプロジェクトを進めており、それが形になったのがSprout Proであり、“世界初のイマーシブ(没入型)コンピューター”であるという。

“イマーシブコンピューター” Sprout Pro by HP G2日本初登場



Sprout Pro by HP

イマーシブ(英語immersive)とは、「没入できる」「実体験のように感じる」「実際に体験しているような」の意味である。つまり、イマーシブコンピューターとは、実体験のように感じ、没入できるテクノロジーということになる。


例えば、現在、動画がより高品質になることで、現実と錯覚するほどの臨場感を実現している。そして、この数年はコンピューティングパワーの向上とともに、現実の風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する拡張現実(AR)により、ヘッドマウントディスプレイなどのウェアラブルデバイスを利用して、目の前にある世界に没入できるソリューションを提供できる環境が整い始めている。このようなコンピューティング環境を提供するのがイマーシブコンピューターである。


Sprout Proは、独自の機能、デザインを備えた画期的なイマーシブコンピューターであり、米国を中心に大きな話題を集めた製品である。今回、国内市場に初めて投入されたのはその第2世代となるSprout Pro。2D/3Dスキャナーを搭載し、手書き感覚を違和感なく再現するタッチマットを持つ、今年最注目の製品の1つといっていいだろう。


Sprout Proは、23.8インチワイドフルHDディスプレイの上部に備えられた投影型DLPプロジェクターから、タッチおよびHP Active Penに対応した21.3インチのタッチマットにイメージを投影し、デュアルタッチスクリーンを実現する。


「多くの若い世代の人は、任天堂のニンテンドーDSなどの携帯型ゲーム機をきっかけにデュアルタッチスクリーンに慣れている方もいますが、これを新しいインターフェースと感じられる方も多数おられると思います」と中山氏。


デュアルタッチスクリーンにより、ユーザーはさまざまなアプリケーションを開発でき、また入力できるようになる。タッチマットは、複数人で使用することも可能なため、学校の授業などで複数の人が共同作業をするといった活用も考えられる。入力デバイスとしては、一般的なキーボードとマウスに加えて、ソフトキーボード、仮想トラックパット、タッチディスプレイ、アクティブペンに対応。これにより、使ってみたいときにすぐにシステムに入力することができることになる。


さまざまなインターフェースを備えるため、多様な利用用途が考えられるだろう。


   

Sprout Pro専用アプリケーションで新しい価値を創造

Sprout Proには、シームレスに統合された専用アプリケーションが準備されている。Sprout Pro専用アプリケーションは、Discover(Web Toolsアプリ)から、ダウンロード、インストール、更新が可能である。DiscoverはWindows 10のスクリーンメニューから選択も可能だが、モニター下部のボタンにより、すばやくSprout Pro専用アプリケーションを起動することができることも、インターフェースに対するこだわりがあらわれている。


フルHDディスプレイの上部に搭載された2Dスキャナーでは、タッチマット上におかれた紙や物体をキャプチャする。例えば、ウェブページの下書きや設計図などをスキャンし、キャプチャ画像上に、指示や修正を手書きで入力し、フィードバックを返すといったことが簡単にできる。


2Dスキャナーは、動画も撮影可能であるため新しい用途を実現することが可能だろう。従来、対象物の情報にカメラを設置し、適切に録画を行うには、相当の装置を設定する必要があったり、あるいは撮影中に手ぶれが発生したりするなど苦労が絶えなかった。この機能を利用すれば、簡単に手元の作業を録画することができる。


例えば、製造業のライン作業者に、作業を教える手段として、操作をそのまま録画してその動画を見せることで教材として使用したり、あるいは、ハードウェアの修理作業を行う技術者向けのトレーニングビデオを簡単に作成できたりする。他にもスマートフォンの操作方法を紹介する動画の撮影など、さまざまな用途が考えられる機能である。


 
Z2 Miniのメモリを増設する方法を紹介する動画

注目の3Dスキャナーが簡単に3Dスキャンを実現

今回、もっとも注目を集めているといっても過言でない機能といえば、3Dスキャナーだろう。


当日、デモンストレーションでは、簡易スキャンと高性能スキャンの2種類のスキャニングを紹介した。簡易スキャンソリューションを実現するCamera 3Dは、「利便性を重視して、簡単に3Dスキャンが可能です」と中山氏。


基本的なスキャンであれば、対象物を手に持ちながら自動的に取り込み、作業自体はなんと30秒程度で完了する。


 
 
 

これほど簡単な作業で3Dキャプチャを実現するソリューションを提供できるのは、Sprout Proならではといってもいいだろう。


中山氏は、「例えば、小学校などの教育現場でインタラクティブな学習を行うといった使い方が想定されます」と挙げるように、教育機関での利用をはじめ、VRやARアプリケーションを開発するための3Dキャプチャ、プロトタイプ制作の工程短縮化などのさまざまな用途が想定される。


さらに高精度の3Dキャプチャが必要な場合は、DiscoverからHP 3D Scan Software Pro v5をダウンロードして利用すれば可能だ。スキャニングには、専用の3D キャプチャステージ (オプション) 上に対象物を配置し、実行する。スキャンしたデータは、統合型3D ビューアでの確認、詳細な3Dモデルの確認などが可能だ。HP 3D Scan Software Pro v5は、Camera 3Dと同様に教育現場やVR/ARアプリケーション開発などに利用することはもちろん、より高度な3Dキャプチャを必要とするプロフェッショナルも満足して利用できるだろう。例えば、古墳などの発掘物や貴重な文化遺産を3Dスキャニングすることで、研究用途や複製作成といったことにも利用できるだろう。



3D キャプチャステージ
 

他にも、専用アプリケーションとして、従来のSprout by HPから、クリエイターを中心に評価の高かったストップモーション(静止している物体を1コマごとに少しずつ動かしてカメラで撮影し、あたかも連続して動いているかのように見せる撮影技術)ソフトウェアも搭載。これにより、より創造的な映像表現を実現することが可能となっている。


これらのさまざまな機能をスムーズに稼働させるのが、高性能CPU(インテルCore i7-7700Tプロセッサー)、高性能グラフィックス(インテル HD グラフィックス 630および NVIDIA GeForce GTX 960M)、高性能SSDといった高性能コンポーネントである。


ターゲットは、教育市場から3Dコンテンツ制作、さらに可能性は無限大

では、パートナーは、この革新的なSprout Proをどの市場に販売していけばよいのだろうか。


上述のように、教育・研究機関向けに2D/3Dスキャンを行う授業やデジタルアーカイブ用途、クリエイター向けにモーションキャプチャや2D/3Dスキャンを利用したクリエイティブ用途、VR/ARアプリケーション開発など、さまざまな利用形態が考えられる。


最後に、中山氏は、「私たちが想定する以外に、さまざまな新しい用途があると考えています。先日あるパートナー様から、介護ホームで将棋や囲碁などの対戦を行うプラットフォームとしても提案できるのではないかというアイデアもいただきました。Sprout Proは、PCに新しい可能性を拓く革新的製品となっています。ぜひ、パートナーの皆様とご一緒に新しい市場を作っていきたいと思います」と締めた。


日本市場に初めて投入されたイマーシブコンピューター Sprout Proは、パートナーにとっても、「新しい」と感じるデスクトップPCであろう。このようなイノベーティブな製品の登場を目にする機会は多くはないはずだ。ぜひ、パートナーには、パーソナルコンピューターに新しい価値を作り出すHPとともに、新しい市場や用途を開拓して欲しい。


製品情報はこちら:Sprout Pro by HP G2

日本HP Partner News 2017年6月27日号 特集記事]
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