8年連続国内シェアNo1*を誇るHPワークステーションに「ミニワークステーション」という新たなカテゴリーラインアップが加わった。これまでのワークステーションと一線を画す、革新的なミニワークステーションの全貌に迫る。

*Source: IDC’s Worldwide Quarterly Workstation Tracker, 2016Q2

●狭いオフィスに朗報!「とにかく小さい」という魅力

 今回取り上げるのは、2017年1月に発売予定の「HP Z2 Mini G3 Workstation(以下、Z2 Mini)」。
 これまでHPのパーソナルワークステーションは、デスクトップワークステーション(タワー型)、モバイルワークステーション(Zbookシリーズ)、オールインワンワークステーションの大きく3つのカテゴリで構成されていた。Z2 Miniは、それに新たに加わった「ミニワークステーション(ミニ型)」という新カテゴリの製品となる。


 
 

 ミニ型というジャンルのワークステーション製品を出すのは、日本HPが世界初。そしてその名のとおり、第1の特徴がその小さなサイズである。高さ5.8cm、幅21.6cmと非常にコンパクトで、一見するとワークステーションと思えないほどだ。



パーソナルシステムズ事業本部
ワークステーションビジネス本部
ワークステーションプロダクト
マネージャー 柄津佑輔氏

 

 「ミニワークステーションはタワー型だと大きすぎ、オールインワン型だとディスプレイが選べないという、既存のラインアップの弱点を克服するものです」と話すのは、日本HPパーソナルシステムズ事業本部ワークステーションビジネス本部・ワークステーションプロダクトマネージャーの柄津佑輔氏。



パーソナルシステムズ事業本部
ワークステーションビジネス本部
市場開発部 大橋秀樹氏

 

 そして、このコンパクトなサイズ設計について「試作品のレビュー時、とくに日本のお客様から高く評価されました。省スペースの潜在需要は非常に高いと感じましたね」と、同・市場開発部の大橋秀樹氏は振り返る。

 

●デスク下収納から多画面接続まで…多様な「柔軟性」

 たしかにマシンは、狭いオフィスの場所をとらない小さいサイズのほうが良い、というのは多くの日本のユーザーにとって共通の認識だろう。それに対し、Z2 Miniはこの小ささを活かし、さまざまな場所に設置できる「柔軟性」をあらかじめ考慮した設計となっており、関連するオプション製品も充実している。

 まず、筐体の裏面に隠されたディスプレイなどとの接続部分のサイズが「VESA 規格(ディスプレイとアームと取り付けるためのサイズを定めた標準規格)」に準拠。「ダイレクトマウントブラケット(別売)」とともに、ディスプレイの裏に装着することもできる(一部を除くHP ZディスプイやHP Eliteディスプレイなどが対応)。


 
 

 また、ユニークなのがデスクの下に収納できる点だろう。デスク下収納用の「VESAスリーブキット」(後日発売)をデスク下にとりつけてマシンを収納することで、デスク上や足元にマシン用のスペースを取らずに済むうえ、ホコリで汚れることもない。さらに、ディスプレイとアームの間に装着することも可能だ。

 なお、このVESAスリーブキットを使用すると、セキュリティの強化もできる。パソコンの盗難を防ぐ鍵を装備したケンジントンロックを採用、物理的にI/Oポートをブロックしたり解除したりすることもできるようになっているからだ。


そして、このように設置場所を変えた場合でも、電源オンの操作にストレスがかからないよう、キーボードとマウスによって電源を入れられる「リモートパワーオン」機能を備えている。

 機器同士の接続という点でも、柔軟性は十分だ。ディスプレイポートは4つあり、最大6画面の接続が可能(別図・2画面はディスプレイ同士で接続)。さらに、USB3.0ポート2つのほか、USB3.1 Type-Cポートを2つ備えている。


 
 

●小型化でも犠牲にしない機能性と、高いデザイン性

 小さくてもワークステーションとしての機能性を損ねないために、デザインにも工夫がほどこされている。たとえば、エアフロー。吸気口と排気口を筐体の四隅に設けるとともに、大小2つのファンで効率よく、かつ静かにマシン冷却ができるようになっている。


 

 このシルバーの吸排気口部分は、全体をスタイリッシュな仕上がりにするのにも、一役買っている。こうした部分に象徴されるような高いデザイン性は、Z2 Miniの主要コンセプトの1つ。Z2 Miniは、「ラクジュアリーPC」として好評な「HP Spectre」のように高いデザイン性と先進性を意識した「プレミアムライン」に指定され、それを意味するプレミアムライン限定のHPロゴを冠している。もちろん、プレミアムラインのワークステーションは本製品が初である。 


 Z2 Miniの仕上がりについて「プレミアムラインに象徴されるようなスタイリッシュなフォルムへの“Reinvent(再構築)”を現在HP全体として取り組んでいます。そのなかで、小さくてスタイリッシュという当初のコンセプトを忠実に実現できたモデルだと思います」と大橋氏はたしかな手ごたえを語る。

また、「ゴツい」イメージのワークステーションとは一線を画すZ2 Miniのデザイン性の高さに「最初に見た瞬間、『売れるな』と直観しました。ワークステーションを担当して10年になりますが、一番カッコイイと思っています。」と柄津氏も自信をのぞかせる。

 

●「生産性向上」を約束、ワークステーションならではの高スペック

 もちろん、Z2 Miniは小さくてデザイン性が高いだけではない。ワークステーションとして、現場の「生産性向上」に役立つためのスペックも十分で、HPワークステーションのエントリークラスにあたるZ240系とほぼ同等レベルのものとなっている。

 たとえばCPUは、通常のPCが搭載するIntel Coreシリーズよりも高性能で、サーバーでも使用されているIntel Xeonプロセッサーを搭載。CADや映像編集アプリケーションに要求される高パフォーマンスに対応する。

 注目すべきはグラフィックス性能だ。CPU内臓となっているPCと違い、ワークステーションたるべく、独立したグラフィックチップを使用している。標準搭載のNVIDIA社製 次世代 Quadro M620 プログラフィックチップは、従来(NVIDIA Quadro K620をHPワークステーションZ240 SFFに搭載時)と比べ、+20%のハイパフォーマンスを発揮。4Kディスプレイの解像度であっても4画面へ出力できるほどのパワーを備える。


 

 メモリもエラー訂正機能のついた高性能メモリを採用、最大32GB搭載可能。なお、筐体のふたはツールレスで開けられる構造で、メモリの増設や交換などもスムーズに行えるようになっている(メモリスロットは計2つ)。
また、36万8,000時間安定性テストをクリア、ワークステーションに期待される高い信頼性を担保している点も安心だ。

 

●主要ソフトは認証済み、HP独自のRGSで広がる使い方

 ソフトウェアの面はどうだろうか。まず、OSはWindows 10 Pro のほかWindows 7 Pro(Windows 10 Pro からのダウングレード権を使って入手可能) が選べる。そのうえで、Autodesk、SolidWorks、CATIAやAdobeに加えてBIMソフトのArchiCADやVectorworksでも認証済み(詳細・別図)。これにより現場ですぐに使用できる点も、導入の際の後押しとなるだろう。


 

 加えて、HP独自ソフトのRemote Graphics Software(以下、RGS)を標準搭載している点も大きいだろう。RGSは、データ容量の大きい動画や画像を、オリジナルとほぼ同等の品質で表示するソフト。オフィス外など遠方から接続したり、複数のシンクライアントから接続して利用することも可能で、ワークステーションの利用の幅を広げるものとなっている。

 RGSによってMac PCユーザーに対する、より効果的な訴求も期待できる。「デザインの現場でMac OSではなくWindows OSを使用したいというニーズもあります。メインのマシンをZ2 Miniに変えるという選択肢はもちろん、RGSによって既存のMac PCからZ2 Miniに接続するという使い方も可能です」(柄津氏)。

 

●金融や建築業界、医療用・監視端末など…広がる提案の幅

 省スペースな高性能マシンに対する需要に加え、こうしたソフト面の強みを組み合わせることで、提案の幅は広がりそうだ。では、ねらい目の市場はどこだろうか。


 まず、有力な業界として、金融業界を両氏は挙げる。金融業界では、とくにトレーディングのように、狭いオフィスで、かつマルチディスプレイで高負荷のソフトを動かす業務には、Z2 Miniがうってつけだという。

 トレーディングで使用するような、高負荷のソフトを複数稼働して、6画面も表示できるパワーはPCにはないからだ。6画面をフルに使用しなくても、高負荷のソフトとExcelを同時に利用するケースなどでは、各ソフトがスムーズに動かなくなる場合も多い。


 

 また、「金融業界ではオフィスで専用システムに対応した高性能の処理端末を利用しているケースも多く、そこもねらい目になると思います」(大橋氏)。そして、大企業を中心に3D CADの導入が進む建築業界も、高い需要が見込めるという。

 さらに、医療現場などにおける組み込み利用も注目だ。「医療映像はカラー化が進んでいることもあり、マシンを高性能化したいけれど、病院内はスペースが限られていて導入できないという現状があります」と柄津氏は指摘する。前述のように高いグラフィックス性能をもつZ2 Miniであれば、この課題を解決できる。


 上記で上げた市場はすでに今までも市場開拓に取り組んでいる市場ではあるが、このZ2 Miniの「小さい」という特徴を活かして、さらに競合他社に対して差別化を図りながら優位にビジネスを展開できると考えている。ほかにも、このようなカラー化、高画質化へ対応できる強みを生かし、監視端末やデジタルサイネージ、さらに今までMacを使用していたフォトグラファー向けに他社製の高精細なモニターと組み合わせて提案したり、ハイスペックなPCとして売り込んでいくような市場にも需要を見込んでいる。

 

●シェアNo1の信頼をもとに、新たな需要を掘り起こそう


 もともと、HPワークステーションは、2008年から8年連続国内シェア1位*、現在のシェアは35〜40%の水準となっている。「東京生産による高品質で壊れにくいという、高い信頼性に加え、サポート体制も非常に充実している点などが高シェアの背景にあります」(柄津氏)。

 とくにサポート体制は、標準保証で週7日、365日翌日訪問修理に対応するという手厚いもの。さらに、東京窓口でワークステーション専任のエンジニアが対応することで、すばやく的確な対応がとれるという、非常に高いレベルのものになっている。

 

 このような信頼性をベースに、Z2 Mini が持つ明確な魅力を訴求することで、新たな顧客の開拓も見込めそうだ。「Z2 Miniはワークステーションの既存のイメージを打ち破る製品だと考えています。ふだん販売いただいている部署とは違う部署へも、ぜひご紹介してみていただきたいです。」と大橋氏は呼びかける。

 価格は13万5000円(税抜)〜。スペック詳細は<下図>のとおり。1月中旬から発売予定。
 HP Z2 Mini G3 製品ページ


[データシート (PDF:131KB)]

 なお、本機においても、ワークステーションの検証機プログラムも用意している。ワークステーションパートナープログラムに登録し、デモ機プログラムに登録すると、Z2 Miniを半額で購入できる(www.hp.com/jp/workstation_partner)。こちらもぜひご利用いただきたい。

 

日本HP Partner News 2016年12月20日号 特集記事]
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