冒頭、石戸さんからの"科学技術や未来について子どもたちとどのように考えるか"、との問いに対し、NHKの『課外授業ようこそ先輩』に出演した経験のある水口さんは、「便利なコンピュータも、実は戦争の産物として発展した可能性を示すと、生徒の表情も曇ります。しかし、世の中には良い技術もあれば、悲しい技術もあるということを教えることも大切」と語ります。
スクイーク教育を実践するキムさんは、「コンピュータの中だけで科学が作られるわけではありません。複雑な概念を理解する手段になりえるスクイークも、コンピュータ以外の現実に存在するオブジェクトと組み合わせることで、学習を増幅する効果を持たせられればと考えています」と話します。
また、"子どもたちの理科離れの原因"について言及した本城氏は、「大人が科学離れしているのも一因。家庭で、壊れた家電を修理したりする機会が少ないから、子どもも関心を失っています。大人も、子どもと一緒に興味をもって調べてみるという努力は必要だと感じます」と指摘。
一方、MITメディアラボに客員研究員として在籍したことのある杉山さんは、「文字通りのスーパーキッズが集まるMITでも、初年度の授業は基礎の基礎から始めます。机の上に実験装置を並べ、プレゼンテーションも魅力的です。そんな授業にとても感銘を受けました」と自身の体験を話します。
さらに終盤、ゲームクリエーターでもある水口さんは、「子どもの特権である、夢を見ることや感動することの機会を、できるだけたくさん作ってあげたいと思っています」と語り、本城さんも、「大人がもっと積極的に子どもに関心を持てば、より良い社会になっていくのではないかと考えています」と提案します。
そして、最後に杉山さんは、「人間は皆同じではありません。伸びる可能性を持った子どもには、自由に伸ばせてあげるのが大人の役割ではないでしょうか。その意味でも、HPスーパーサイエンスキッズはそれを奨励するものであり、人間の可能性を大きく広げる取組みだと思います」と提言し、パネルディスカッションは終了しました。
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